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利益計算

それから・・・、あっという間に販売開始から1ヶ月が経過した。


この日の営業も順調で、今日はオープンから始めての幹部会議が行われていた。


藤森がこう切り出した「それでは皆さんお疲れです。順調に販売も開始出来たので、今日は思う存分飲んでください。かんぱーい!」


今日の会議も当然量販店居酒屋で行われている。


「それで店の収支なんですけど・・・」

藤森はコピーされた手書きの紙を配布した。



初期費用

店舗内装       100万→90万

家賃敷金礼金     50万→30万

調理器具        50万→100万

オープンまで人件費  40万→60万


固定費

人件費         60万→80万 内リンリン20万

家賃          10万→10万

光熱費         10万→5万

宣伝費        10万→0万


変動費(1箱)

小麦粉         25円→25円

タコ           150円→120円

油            10円→

箱、楊枝        20円→この3つで10円

青海苔とか      10円→

計            215円→155円



これだけ見ても正直誰も良く分からなかった。

松村が口を開いた「でよー、結局すげー売れてっぞたこ焼き。俺もリンリンも朝から晩まで休みなかったしさ。土日だって店に出てんだよ。」


マホーンは「ほんと村松さんとリンリンに感謝っす。」と言って再び乾杯をした。

乾杯でジョッキを一口であけ、藤森が話を戻した。

「ぷはぁー、要するにマホーンさんが300万円出したじゃないっすか。んで今まで1日平均で300箱売れてるんすよ。んで1ヶ月30日だから、売り上げが450万円なんすよ。」

村松が興奮している。

「おい、マジそんな儲かったのかよ?すげーな。」


藤森は詳しく説明を始めた。「いや、450万売れたけど、ここからたこ焼きの原価一箱155円引いたり、開業までの店の内装とかうちらの給料とか引くと今んとこ、450万-原材料‐初期費用280万-月の固定費90万でまだ59万5千円の赤字です。」


村松は言った。「ってことは来月から確実に黒字だよな。1ヶ月利益はいくら出んだよ?」

「ちょっと待ってください。」

藤森は計算を始めた。


「出来た!今までどおり1日平均300箱売れれば、来月は31日あるから、えっとー、300箱×31日×(売価500円-原価155円)-固定費90万円-借金59万5000円だから、171万3500円の貯金が出来ますよ。開業2ヶ月目で借金返済っす。」


マホーンは藤森に聞いた。

「で、3ヶ月目以降は初期費用の返済の必要もないからもっと儲かるんだよね?それで年末どのくらいリターンがあんの?」


「えっとー、ちょっと待ってください。」

藤森は携帯で計算を始めた。

「出ましたよー。」藤森はいやらしく説明し始めた。


「毎月230万8500円ずつ利益が出ます。だから1年後に来る利益の山分けは一人当たり230万×10か月分+来月の利益170万で全部で2470万だから、一人当たり823万ってことになります。」


特に村松と藤森にとってこれは相当な給与アップになる。彼らはこの配当の823万円以外に毎月の給料30万円が別途支給されているので、年収1183万円となる。以前の400万程度からは大幅アップし、1000万円プレーヤーの仲間入りを果たすことになる。

ちなみにマホーンは2000万円プレーヤーになるのだが・・・。



松村は「おいリンリン、俺頑張るからな。」

「私も頑張る。」とリンリン。



そうしてこの調子で、後は酒をひたすら飲んで解散した。

松村とリンリンが手をつないでどこかえ消えていったことなど、この日はとても小さなことに感じた。


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