空色吐息 / 詩
『空色吐息』
神様がため息をついた
真っ白で美しい塵芥が舞い降りる中
僕はそれを愛おしそうに見つめている
僕はあなたが愛すべき人間を
知っています
あなたが憎むべき人間も
知っています
そして
あなたのその憂鬱のわけも
ひとつ残らず知っているのです
ああ
足が埋めつくされ
手はずっと昔にどこかで失くしてしまった
けれど
あなたの漆黒の吐息に埋めつくされるまで
もう少し
時間のある限り
歌い続けることを許してください
あなたはただ一途に
泣いていた
何処かへ行きたいと泣いていた
ほら
翼は朽ちてはいない
何処へでも行けるのです
誰かの付属品でも構わない
今はまだそれでいい
でもいつか
僕はあなたに愛される
たった一人の僕になる
『詩』
あなたの言葉はとても綺麗です
冬の澄んだ空気のような
神が産み落とす白い結晶が
大地に溶け込んで逝くような
そんな景色に似ています
とても
似ています