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フサフサのハゲ

作者: 人外倫理
掲載日:2025/12/18




 ある冬の寒い日の昼前。




 俺はフサフサのファーが付いたジャンパーを羽織って、牛丼屋へ出かけた。




 そのジャンパーは、俺のお気に入りだった。牛丼は、俺の好物だった。




 牛丼屋の店内に入り、俺は空いている席に腰掛けた。




 正面を見ると、典型的なバーコード頭の男がいた。




 その男は、丼の中の物(中身はこちらからは見えなかった)を豪快に、口の中へとかき込んでいた。




(ハゲ散らかしながら、喰い散らかしてんなぁ……)




 俺はそんなことを思いながらも、優越感に似た何かを覚えていた。




 俺が注文を選んでいる間に、その男は、丼の中身を食べ終えた。




 丼の中身はわからなかったが、そこには米粒が残っていた。




 農家の方に感謝しろ……などという無粋なことを言うつもりはなかったが、俺自身は、米粒を一粒も残さないように心がけていた。




 それが最低限、料理を作ってくれた人へのマナーだと思っていた。




 俺がこの男に、負けている要素は、何一つないように思えた。




 はげちらかした男は、椅子の後ろに手を伸ばし、おもむろに、そこに置いてあった防寒着を、身につけ始めた。




(…………!?)




 次の瞬間、俺は息を呑んだ。




 男が羽織ったのは、俺のとよく似たジャンパーだった。




 だが、そのフードについているファーは、俺の物よりも圧倒的にモコモコで暖かそうだった。




 「こいつ……俺より、フサフサだ!」




 俺の中の自尊心は、そこで砕けた。




なんとなく牛丼屋に行って、思いついて書いてみました。

もしこの作品を少しでも面白いと感じられたのであれば、18禁ではありますが、別作品も書いていますので、ぜひご覧ください。

お読みいただきまして、ありがとうございましたm(_ _)m

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