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さぁ。高みの見物と参りましょう。

「アスト様ッ!貴方は、私との婚約を破棄して、そこの男爵令嬢の方と婚約を結ぶというのですね?」


「そうだッ!私と、このペンド男爵令嬢は真実の愛で結ばれている!ペンド男爵令嬢はそなたと違い、美しく、誰にでも分け隔てなく接し、私の事を癒してくれる。このような者こそ我が伴侶に相応しいッ!」



「よく…よく、分かりましたッ!では、まず我が家からの援助、その全てを打ち切らせて頂きます!」


「ふ、ふんっ!勝手にしろ!そもそもお前の様な成り上がり貴族の援助など…」



「貴方の意見など求めていないッ!」



私は初めて声を荒げた。



「この婚約破棄はそちらの有責としてしっかり賠償を請求致しますッ!それからそこの男爵令嬢の方ッ!」



私の勢いに押されたのか、ビクリと肩を揺らす男爵令嬢。



「な、なによ。」


「勿論、貴女にも請求はいくのでそのつもりで。」



何か言いたげな男爵令嬢を無視して、会場全体に話しかける。


「皆様ッ!今宵は私事で折角の楽しみの場を台無しにしてしまい申し訳ありませんでしたッ!その代わりといってはなんですが、後日、我が商会から皆様にお詫びの品を届けますッ!」


私は、すこし心配そうな顔で見る親友に、大丈夫と笑ってみせる。


「我が商会の名はスペレモ商会ッ!それでは皆様、ご機嫌ようッ!」



私が商会の名を口にした途端、ざわめく会場。


それはそうだろう。

我が家が経営するスペレモ商会とはその商品の入手しづらさから幻の商会と言われている商会だ。

 


我が家は確かに貴族の位を金で買い取った成り上がりの準貴族。

しかし、成り上がる為にはそれ相応の富や名声が必要なのだ。


我が家は落ち目だったアスト様の家をお金や人材の面までかなり援助してきた。


父曰く、我が家の金や人脈を使い潤わせる。そして我が家無しでは家を回らない状況を作り出し、ゆくゆくは乗っ取るため、ということだった。


アスト様に恋していた時にはそこまでしなくても…と、思っていたが今となっては好都合でしかない。



お金や人がない状態でどこまで保つのか……。


戦でいったら兵糧攻め…といったところでしょうか。




――さぁ。高みの見物と参りましょう。



――――――――――――――――――――







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