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間章
シャワーを浴びながらシーナはぼーっとしていた。
シャワーは火の魔石で水を温めて暖かいお湯が出るようになっている。
「……シャワーなんていつぶりだろ」
今までは水浴びで済ませてきた。シャワーを最後に浴びたのはいつだったのだろう。
温かいお湯に身を委ねながらぼんやりと思考を巡らせる。
あの男はどうして私に構うのだろうか。私の力が目的ではなかったのか。
「……ダメだ」
頬をパンと叩いて意識を切り替える。いつどこでどのようにして自分の身が狙われるか分からない以上、油断はできない。
警戒を怠らないことを誓いながらシャワー室を出ると、鏡に映る自身を見つめる。
呪われた銀の髪と、紅い瞳。
ずっとこの私を苦しめる呪いの証がそこにはあった。
「……どうして……どうして私は」
その時、浴室の扉がガラァッと勢いよく開いた。




