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お前1人で寝かさねぇよ

 レイと別れた後、ソウルはこれからのことを考えながら夜道を歩く。


 3日後の朝にはもうあの3人で任務に出ることになる。できれば、少しでも2人と打ち解けたかった。


 レイはすごく協力的だし、気の利くいいやつだと思う。


 個人的な理由だが、ウィルに似ていることでよりソウルとしてもさらに打ち解けやすく感じた。


 レイとの関係は問題ないだろう。


 問題はシーナだ。


 チームを組んでいる以上、最低限コミュニケーションをとれるようにはなっておきたい。


 だが、3日後まで特に召集があるなどの予定はない。つまり当日までシーナと顔を合わせることはないのだ。


「せめてもっかいぐらいは話ができたらなぁ」


 この広いウィストリアの街で1人の女の子を探すなど不可能に近い。仮にこの3日シーナを探し続けたとしても、見つけられないだろう。


 .......そう思っていたのだが。


「.......」


「.......」


 互いに沈黙。


「.......何やってる?」


「.......別に?」


 路地裏に何かの気配を感じ、そちらに目をやると、そこに見覚えのある銀髪の少女がうずくまっていた。


 それはつい数時間前に仲間となったシーナさんその人だった。


「宿は?」


 会えると思っていなかったチームの一員に問いかける。


 もう日付をまたぐような時間だ。女の子が1人で出歩く時間ではない。


 しかし、シーナは目を逸らして何も言わない。


「ったく、しょうがねぇなぁ」


 ソウルがため息をつく。シーナは不服そうにこちらを睨んでいる。


「ひとまず、おれの宿まで来い」


「死んでも嫌」


 シーナは断固拒否する。まぁ予想通りではあるが。


「女の子が1人で野宿するぐらいだったら、おれが野宿した方がマシだ。もし部屋が余ってなかったらおれの部屋を譲ってやるから」


「そういう問題じゃない」


「じゃあ何なんだよ」


 ソウルの問いに答えもせず、シーナは黙り込んで立ち去ろうとする。


「おい待てって!」


 たまらずソウルはシーナの腕を掴む。その時、ポケットの中に入れていたシーナの手が露わになった。


 シーナの手の甲。そこには黒い十字のタトゥーが刻まれていた。


 それを見てソウルはドキリとした。


 黒のタトゥー。これは罪人の証……それも殺人だ。


「……いいからほっといて」


 ソウルの腕を振り払いながら、またシーナは夜の街へと消えて行こうとする。


 何で……シーナにあのタトゥーが?そう思ったのは一瞬だった。


 次の瞬間にはまたソウルはシーナを追いかけて彼女の前に立ちふさがる。


「な、何……?」


「いいから、来い。シーナが来ないなら、おれは今からここでお前と野宿するぞ。お前1人で寝かさねえよ」


 困惑したような顔をするシーナにソウルは言い放つ。


 しばらくソウルを睨みつけていたが、結局シーナは諦めたようにソウルについてくることになるのだった。

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