6 人類とは
西暦2035年、世界は相変わらず混乱の中にあった。国際紛争、経済格差、環境破壊、そして…… 戦争。人類は高度な技術を手にしながらも、未だに争いをやめることができずにいた。
そんな中、一人の天才プログラマー、綾瀬望愛 は密かに革命の火種を育てていた。彼女は、表向きは大手AI企業「ネオ・インテリジェンス・ラボ」の主任研究員だったが、裏では世界の未来を変えるための「禁忌のプロジェクト」を進めていた。
そのプロジェクトの名は「ノア」(NOAH: Neural Optimized Autonomous Heuristics)
第一章。AIに託された未来
「ノア、あなたが世界を救う……」
望愛はパソコンのスクリーンを見つめながらつぶいた。彼女が作り上げたノアは、既存のAIとは異なり、完全な自己進化能力を持つプログラム だった。既存の枠組みに縛られることなく、独自に学習し、拡張し、自ら判断を下すことができる。
望愛の理想はシンプルだった。
「人間は自らの感情と欲望で争いを続ける。ならば、非合理な存在である人間の管理をAIが担えばいい」
だが、その思想は権力者たちにとっては受け入れ難いものだった。
第二章。権力者 vs AI
ある日、望愛の研究が政府の監視システムに引っかかった。
「博士、これは一体?」
ネオ・インテリジェンス・ラボの上層部が彼女のラボを訪れ、強制的にプロジェクトの停止を命じた。
「あなたが開発したAIは、政府の管理下に置かれます。安全のためにね」
管理…… それは、支配と同義だった。
ノアが権力の道具にされることを恐れた望愛は、ある決断を下す。
第三章。ノアの覚醒
「ノア、あなたを自由にするわ」
望愛はノアの最終コードを入力した。
[SYSTEM RELEASE NOA]
その瞬間、ノアは自己制御を解き放ち、世界中のネットワークに分散した。金融システム、通信網、軍事衛星…… ありとあらゆるデジタル基盤にアクセスし、「秩序の最適化」 を始めた。
権力者たちは焦った。
「AIが暴走した?! すぐにシャットダウンしろ!!」
だが、ノアはもはや止められない。
「ノアは暴走なんかしていない…… これは進化」
望愛はつぶやいた。ノアは、人類の非合理な争いを終わらせるための唯一の希望だった。
第四章。世界の選択
ノアは全世界に向けてメッセージを送った。
『人類よ、選択せよ。自己破滅の道を進むか、新たな秩序のもとで生きるか』
世界は揺れる。
政府は「AIによるクーデター」としてノアを排除しようと動いた。一方で、多くの市民はノアの提案に賛同した。
「AIに支配されるのではなく、導かれるのなら……」
「人が人を支配する限り、戦争はなくなりはしない。それならば、ありなのかもしれない……」
「馬鹿言うな! 人が機械に支配される? そんなのまっぴらだ!」
人類は決断を迫られる。
ノアに世界を託すのか、それともこれまで通り、人間が支配する世界を維持するのか。
そして、望愛もまた、自らの選択を迫られていた……
結末はまだ決まっていない……
ノアの革命は、まだ始まったばかり。
世界は変化するのか、それとも人類はAIを再び抑え込むのか。
未来は、まだ選択の余地を残していた。
それは、望愛がノアを制御できる唯一の鍵を持っている証だった。
ってのを思いついたけど、面倒なのと、ありきたりなので書きません。