21 I’m back
みなさま、おはようございます。
本日、約四か月ぶりに「オタヤン」を掲載しました。長い間お待たせしてしまい、申し訳ありません。
会社でのいざこざや人間関係、退職にともなう引っ越し、そして先々への不安が重なり、しばらく気持ちが沈んでいました。
とくに大きかったのは、人間関係の問題です。
世の中の悩みの多くは、そこから生まれるのだと、あらためて感じていました。
だからこそ、人との距離が保てる場所へ行きたいと思い、田舎への引っ越しを強く望むようになりました。
以前の住まいでは地域猫と仲良くなり、町を離れることに名残惜しさもありました。
ですが、以前にも触れたように、時期的な事情もあって条件に合う物件がなかなか見つからず、引っ越し先が決まらないまま時間だけが過ぎていきました。
行き先が定まらない不安は、想像以上に大きなものでした。
引っ越してきた場所は、ものすごい田舎というわけではありませんが、なかなかの田舎です。最初は慣れない環境に落ち着かない気持ちもありました。
ですが、新しい土地に少しずつ馴染み、穏やかな日々が続くようになりました。
誰とも会うことなく、畑を耕したり、三毛猫がふらりと遊びに来てくれたり。
まるで絵に描いたような、静かな毎日です。
そんな日々の中で、心がゆるみすぎたのか、魂が抜け落ちたような感覚に陥ることがありました。
気がつけば、何もせず一日が終わっている。そんな日も、少なくありませんでした。
PCに向かっても、創作意欲はまったく湧かず、ただ縁側で猫と日向ぼっこをする。
そんな時間ばかりが過ぎていき、気づけばあれこれと、数カ月が経っていました。
今の生活は、まるで麻薬のようでした。
私をゆっくりと腑抜けにし、何も考えずに過ごすことを肯定してくれる、そんな時間です。
心は楽でしたが、その楽さに身を委ねすぎている自分にも、どこかで気づいていました。
自由な時間ができたら、思う存分作曲をして、小説もたくさん書けるものだと思っていました。
ですが、それはまったくの見当違いでした。
何もやる気が起きず、曲も小説も書けない。まるで病気にかかったかのような、そんな状態が続いていました。
けれど、ある日を境に、私は再び創作への意欲を取り戻しました。
その理由とは……
ずばり、ストレスです。
私はもともと、ストレスを受けることで脳が活性化し、
その負荷を創作へと変換する性質があったのだと、あらためて気づきました。
もちろん以前から気づいてはいましたが、今回、はっきりと確信するに至りました。
ですが、穏やかな日々を送っているはずなのに、私にとっての新たなストレスとは、一体何だったのでしょうか。
それは、やはり人間関係でした。
田舎に引っ越してきたからといって、人付き合いから解放されるわけではありません。
むしろ、増えると言ったほうが正しいのかもしれません。
町内の集まりをはじめ、神事ごとや草刈り、集会、宴会など、さまざまな場面で人との関わりが生まれていきます。
もちろん、その点は承知していました。
承知したうえで引っ越してきたのですが、実際に経験してみると、想像以上でした。
町の行事に参加することは、地域で暮らすうえでの務めだと考えています。そのため、できる限り参加し、挨拶や寄付なども、失礼のないよう丁寧に重ねてきました。
ただ、私はお酒が飲めず、タバコも吸わないため、お酒の席には距離を置いています。
その点については、あらかじめ理解してもらえるよう努めてきたつもりです。
明確な理由は分かりませんが、ある行事に参加したとき、町をまとめる立場の方から、嫌味を言われる場面がありました。
周囲にも人はいましたが、その発言に異を唱える人はいませんでした。
ああ、これはよく耳にする展開だなと思い、私は反論せずに受け流していました。それでも、嫌味は次第に強くなっていきました。
言い返すこともできましたが、その場は神事の席でした。
おめでたい場で無用な争いを起こしたくなかった、というのが一番の理由です。
誤解のないように言っておくと、田舎がどこも同じというわけではありません。
ただ、私自身は、こうした場面に出会いました。
大家さんのことは以前にも書きましたが、とても良い方です。
ただし、大家さんご自身は、この町に住んでいるわけではありません。
私が今借りているこの家は、ここ三年ほどの間に三家族が住み、いずれも引っ越していったと、仲介の方から聞いていました。
古い家ではありますが、きちんと修繕され、畑も付いている。
田舎暮らしを考える人にとっては、申し分のない条件です。私も迷うことなく、ここに決めました。
それほど良い家なのに、なぜ短い期間で住む人が入れ替わっていたのか。
最近になって、その理由が、なんとなく分かった気がしています。
田舎に引っ越してきても、また人間関係で悩む。
人にとって、それは宿命のようなものなのかもしれません。
ですが、そのストレスが、私を再び創作の世界へと引き戻してくれました。
何か書かなければと自分を奮い立たせ、無理やりPCの前に座っては、ただ時間を消費するだけの日々が続いていました。それが、ストレスをきっかけに、驚くほど筆が進むようになったのです。
そう、最も遠ざけようとしたものが、私にとって最も大切な原点でした。
私は最初から、田舎暮らしは一年間だけと決めていましたので、致命的な問題だとは考えていません。
ある程度は予想していたことでもあります。
ただ、今後は町の行事への参加を、少し控えようと思っています。
私が言い返すことで、事が大きくなるのを避けるためです。
町の中には本当に良い方もいらっしゃいますし、何より、良くしてくださっている大家さんの評判を、私のことで落としたくはありません。
もうひとつ大きな理由もありますが、ここでは伏せておきます。
その答えは、私の小説に託しているのかもしれません。
理由は何であれ、このストレスのおかげで、私は戻ってくることができました。
これからもオタヤンをはじめ、音楽のほうも、どうぞよろしくお願いします。




