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ALPS処理水は安全なのか

作者: だるまん

トリチウム水ってどんな危険性があるのだろうか

濃度と総量とベクレルとシーベルト

危険度を測るのは何を見ればいいのだろう

 ランクの上にあるエッセイを読んで、そのネタを使うという姑息な手段を覚えました。


 ALPS処理水は安全なのか


 という問いに対して正しい答えを知っている人はどれぐらいいるでしょうか。


 問題となるトリチウム水をwikiで見ても良くわからない。


>処理水を仮に分離できたとしても、抽出できるトリチウムはトリチウム水の形態で多く見積もっても20(g)程度しか存在しない。


 (g)って何だと思ったら、グラムでした。20グラム。1000グラムが1キロという重さの単位で示されていますが、「多く見積もって~程度しか」って言葉が「少ない」を強調していて気に入らない。

そこは多く見積もる必要もなく、「19(g)程度となる」と書いて量の多少を表現する必要はないように思う。


 ついでに言えば、20グラムだから安全なのかどうかは判断材料として使えない。現実にはそんな物質は存在していないし、トリチウム水としてタンクに貯まっている量が全て。


 仮に20グラムのトリチウムを手に持ったら死にそう。でも、タンクの処理水を頭からかぶっても、たぶん健康被害はあまりない気がする。程度のお話。


 だいたい科学は安全とか危険を判断しない。再現性のある現象を説明するだけで、安全や危険は政治や社会が判断する。


>放出する処理水の濃度は、世界保健機関(WHO) の飲料水水質ガイドラインにおける約7分の1の濃度である約1500Bq/Lである。


 これも安全性強調に見えるんだけれども、「薄めれば安全」と言うのは少々気になる。


 同じwikiに


>日本においては、(中略)

>トリチウム水については、周辺監視区域外の水中の濃度が60 Bq/cm3( = 6×10^4 Bq/L)を超えてはなら

ないと定められている(6x104を6x10^4に修正しました。以下もこの修正値に沿って書き換えています)


 とありました。また単位が違ってややこしい。ここまで使っているBq/Lを使うと、60000Bq/Lになります。


 これは放出後の通常の海水と混ぜた上でこの濃度未満という数字なので、またややこしい。1500Bq/Lを海に捨てて、少ししてから同じ場所で濃度が60000Bq/L未満ならOKということでしょうか。単位がいろいろ出てきてややこしいけど、Bq/Lってのは、よく聞くベクレルってのとも単位が違う。


 2020年3月12日時点の東京電力の発表資料では


>タントリチウム総量 約860兆ベクレル

>トリチウム平均濃度 約73万ベクレル/リットル


 となっているので、要するに73万を約470倍の1500に薄めて海に流し、合計860兆ベクレルを海に流す。その間に新たに出てくる同様の処理水も加算されるから総量は増えそう。


 なかなか見えてこないのは、CO2の問題のような総量に関する問題。海だって無限の水を持ってはいない。まだまだ少量で問題にならないのだろうけど、原発が動き続ける限りトリチウム濃度は上がっていく。半減期は12年程度で、100が12年後に50になってもその間に1200出していれば濃度は上がる。年間の放出量もよくわからない(どっかに書いてあるだろうけど)

 


 とまぁ、トリチウム水は危険、みたいな話を書いていますが、逆方向の話も。


 安全危険を判断する単位で、被ばく量を表す「シーベルト」があります。

 またわからない単位が出てきましたが、シーベルトが低ければ、ほとんど影響がないと言えます。


 胸部レントゲンは0.0001シーベルト、原発作業員は年間0.05シーベルトまで、宇宙飛行士は半年滞在でで0.01~0.02シーベルト、この程度であれば放射線による健康被害はほぼないレベルのようです。体内に放射性物質が留まってしまうと24時間被ばくが続いてこの数字は大きくなるかと思いますが、一応年間0.1シーベルト以上が発がんリスクが高まるレベルみたいです。


 じゃ、1ベクレルはシーベルトに換算するとどうなるのか、という計算が超メンドクサイ。

 被ばく年齢や放射性物質の性質なんかで係数が変わる。


 環境省の出している実効線量への換算係数によると、トリチウムは最も高い数字が0.000064、最も小さい数字が0.000018。前者が70年、後者は50年での被ばく量。半減期が12.3年なので、徐々に被ばく量が減っていくことを考慮されていると思う。


 仮にタンクの薄めていないトリチウム水を1リットル飲んだとしたら、計算式で


 73万ベクレル×0.000064=46.72マイクロシーベルト=0.00004672シーベルト。胸部レントゲンより低い。この数字、取り入れた水が体内にずっと残っている計算っぽいので、実際の被ばく量はもっと少なさそう。


 他の核種がないならタンクの水そのままでも飲めそうな気がしてきました。

 てか、なんでそのまま海に流さないのか不思議なレベルの数字。

 計算間違ってますか?

でも、福島近海産と福井近海産で同じ魚が売られていて同じ値段なら福井を選ぶんだろうね。


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― 新着の感想 ―
[一言] もうひとつ ヒントを 今まで大事に溜めてたのか? 「半減期」です。 フィルタ―の廃棄もあるんで。7割分を薄めて 飲めるレベルって言っても希釈して線量のハナシなんで大当たりで内部被ばくする可能…
[気になる点] 途中、624あたりの記述は誤り。104は、原文では10の4乗。つまり6万Bq/lが正しい。原文中にもそうある。 よって、1500と言う値は基準に比べても十分に小さい。
[一言] いや、現実としてALPS処理水の処理済みで 飲んでも問題ないという状況の水量は全体の3割な わけだが。のこりはまだでーす。
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