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レント、魔法学園の授業を受ける

 授業が始まった。


 教官のミリアは黒板に図を描きながら説明を始める。


「現代では魔法技術は四系統、三段階に区分されているわ。系統は、地水火風の四つ。段階は下位魔法、中位魔法、上位魔法の三つね。この学園のクラス分けはこの区分に対応していて、Aクラスでは上位魔法、Bクラスでは中位魔法、Cクラスでは下位魔法を中心に学習を行っていくわ」


 この辺りは常識らしく、サラ、ディーネ、ムーノの三人はなんてことない顔で話を聞いている。


 しかしレントにとっては違った。


(古代魔法より簡素化されているのか……)


 レントの先祖である伝説の魔法使いが残した書物によれば、古代魔法には、地水火風の四属性の他に、光と闇の二属性があった。


 さらに、段階も『位階』と称され、第一位階から第九位階まで存在していた。


 一応レントは第九位階まで使いこなせるようになったのだが……。


(たぶん、それでやっと下位魔法を憶えた程度なんだろうな……)


 なんといっても、レントがCクラスに入れられるくらいなのだ。


 現代の魔法は、古代魔法の第九位階など初級、入門といった扱いなのだろう、とレントは考える。


「さて、この三段階の区分は魔法の特徴に一致しているわ。これは、わかる人、いるかな?」


 ミリアが皆に問いかける。


 ディーネとムーノが手を挙げる。レントが挙げないのは普通にわからないからだが、サラはミリアに対する反発のようにも見える。


「では……サラさん、答えてくれるかしら?」


 しかしミリアは果敢にサラに声をかける。


 さすがに授業の進行を妨げる気にはならないようで、サラは小さくため息をつきながら立ち上がった。


「……上位魔法は攻撃重視。中位魔法は防御や回復などの戦闘補助重視、下位魔法はそれ以外です」


「そうね。ちなみに——」


「ちなみにこの区分は五十年前まで続いていた抗魔戦争の際に生まれたものです。長期に渡った戦争において魔法を効率的に運用するため、戦場における役割を明確にする目的でマナカン王国が採用し、その後各国に広がっていきました」


「そ、そうですね。完璧です。ありがとう」


「…………」


 サラは鼻を鳴らして着席した。


 レントは内心でなるほどと頷く。


 現代魔法の区分は、古代魔法の九位階とは全く異なるもののようだった。


 位階は、簡単に言えば『魔法の理屈をどれだけ理解しているか』を表すもので、使える魔法の種類とは関係ない。


 それなら第九位階まで進んだレントがCクラスというのもわかる。


 きっと現代の攻撃魔法や戦闘補助魔法は実戦重視で、自分が扱えるのよりもずっと強力なのだとレントは考える。


 ちなみにサラが言っていた抗魔戦争というのは、百年前から五十年前までの五十年間続いた、人間の連合軍と魔族軍との戦争である。


 魔族の長である魔王は八百年前、マナカン国王の祖先である勇者とその仲間が倒したが、魔族の残党は生き残った。


 その残党が力をつけて、人間たちに復讐を果たそうとしたのが戦乱の始まりである。


 魔族が使う独自の魔法に人間側は苦しめられたが、マナカン王国を中心とする連合軍が一丸となり、魔族軍を打ち倒した。


 現在、魔族は大陸北部の山脈で細々と生き延びている。今は活発な動きを見せていないが、やがてまた立ち上がるだろうと言われている。


 そのときのためにと、抗魔戦争終結後、各国は魔法技術の発展のための研究施設や、魔法使いの養成施設を設立した。


 この王立魔法学園もその一つなのである。


「先生、しつもーん」


 ムーノが手をあげる。


「はい、ムーノくん」


「下位魔法はそれ以外、って言ってたけど、具体的にどんなことをするんすか?」


「幅広いので一言では言えないけど、戦場では、小さな火魔法を連続で興して煮炊きに利用したり、風魔法で食料や武器を運んだり、地魔法で塹壕を掘ったり、水魔法で川の流れを変えたり、という役割を担うわ」


 なるほど、戦闘とその直接補助以外ならなんでもする、といった感じだ。


「ふんっ」


 とそこでサラがまた小さく鼻を鳴らした。


「しょせんは裏方よ。『下位』魔法なんて呼び方で、その扱いがよくわかるじゃない」


「そんなことはないわ!」


 サラの言葉に、ミリアは珍しく強く反発した。


「たしかに下位魔法は、上位魔法や中位魔法に比べて軽んじられ、魔法使いの才能に劣る人が扱うのが下位魔法という偏見があるわ」


 けど、とミリアは四人の生徒を見回しながら言う。


「逆に言えば、皆さんには攻撃や戦闘補助以外のすべての魔法を扱う才能があるということでもあるの。決して自分の力に制限を設けないで、どんなことにでも挑戦してほしいわ」


 レントはウンウンと頷く。


 しかしサラにはミリアの言葉は響かなかったようで、彼女は呆れたように顔を窓のほうに向けてしまった。


 ミリアは気を取り直すように手を叩いて告げる。


「じゃ、じゃあ、次は訓練場に出て実践を行うわね。みんなの現在の力を見せてもらうわ」

続きは明日となります。


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え、みんな古代魔法使えないの!!???~魔力ゼロと判定された没落貴族、最強魔法で学園生活を無双する~
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