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知恵と義眼と好奇心  作者: 吉城カイト
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第十七話 ストーカーの解決方法


「ちょっと助けてくれない慧悟(けいご)!?」


「何かあったのか雄馬(ゆうま)


 お昼を一緒に食べたからあの日から一週間、僕はずっと彼女のストーカーにあっていた。


 毎日弁当を作ってくるだけじゃなく、朝は僕のクラスのロッカーの前で待ち伏せし、帰りは僕と一緒に帰ろうとしてくる。そんな一週間だった。


 もちろん何度もやめるように言ったのだけれど、全く耳を貸してくれなかった。


 慧悟は僕の話を聞き終えると、


「なるほど。部長が最近部活に来なかったのはそういうことか」


「知ってたんならなんで止めないのさ!」


「部長は好奇心強い人だから、一度興味をもった人にはずっと付いて回るらしく……」


「聞きたくない………」


 もうどこの警察に行けばいいんだか。


「そういえば、僕のことを教えたらしいね」


「え、いや、なんか流れでな」


「そのせいで才条(さいじょう)さんが僕のところに来たんだけど」


「ちょっ怖い! やめて悪かったって! お詫びになんとかするから!」


 本当に今すぐなんとかしてほしい。間接的に慧悟が教えた情報で彼女が僕を知ったのだから。


「それと、この眼のことは言ってないよね?」


「それは絶対言わねーよ」


 それを聞いて少し安心する。


 もしかすると感づかれていたのかも知れないが、義眼の正体が好奇心旺盛な彼女にバレてしまったらどうなってしまうことやら。きっとずっと探り続けられるだろう。それは絶対嫌だ……。


「お! 思いついたぜ、ストーカーされない方法」


慧悟は手をポンと打って言った。


「え、本当!?」


「おう。雄馬が『探求部』に入ればいいんだ」


「………え?」

 

 いや、確かに僕が探求部に入ればストーカー自体はなくなるだろうけど、彼女と一緒にいることにはかわりないだろう。


 それじゃあ意味がない。


 僕としては、これ以上の彼女との接点を減らし、義眼に関して探りを入れさせないようにしなければならない。それなのに……。


「俺と一緒だと、部活にもある程度セーブをかけられるから一石二鳥だぜ?」


「まあ、そうかもね……」


 こうして僕は不本意ながら探求部に入ることに決めたのだった。


「ああ、一石三鳥かもな」


「どうして?」


「部長と仲良くなれよ。お前はもう少しラブコメってもんを知るべきだ」


 早くも僕の決意は揺らぎ始めてしまったのだった。









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