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7 剣術

少し長いかもしれないです。

  リリアの地獄耳が判明してから3ヶ月ほどがたちました。

  季節は、夏。アクシス公爵領では、暑い日が続いています。

  タリア王国は、比較的温暖な国なのですが、北部に位置するアクシス公爵領には四季があるります。

 春夏秋冬。丁度日本と同じ感じで季節が巡っているます。

 アクシス公爵領は、季節によってその表情をがらりと変えます。

  本当、日本みたいなところだと私は思います。


  そして私はと言うと……いつも通り勉強や読書などを毎日続けていた。

  まあ、勉強の方は、だいたい文字も覚えて、書けるようになったので簡単な計算などを練習しているのだけど、私的に文字さえ覚えれば、後はどうとでもなるのよ。

  なにせ、学問のレベルがこの世界より数段高い日本の大学を卒業した知識を持っているのだから。

 でも、リリアが『勉強というものには、順番があるのです』とか言ってなかなか先に進めてくれないんです。

  リリアの言いたいことは、すごくわかるのよ。わかるのだけど、はあ、こんなの勉強するだけ時間の無駄としか言えません。でも、やってるは、やっていますよ。私の、主義は、『一度始めたことは、最後まで一生懸命やる』ですから。

 そして、屋敷の中であれば、リリアやイリスと一緒でなくても良くなりました。はっきり言ってこれは、嬉しかったです。


 でもやっぱり……


「ひ〜ま〜」


 暇を持て余していた。

 私は、書庫で本を読んでいたのだが、あまりにも暇にので本を放り出し、突っ伏した。

 さすがに、勉強と読書だけだと、飽きちゃうよね。読書もリリアに淑女の嗜みだと言われてしているものだし。


「イリス。何かすることない」

「そうですね……刺繍など如何ですか」

「いやだ。何か体を動かしたい」

「では、剣術などは、どうですか」

「うーん。そうね。暇だし丁度いいかもね」


 というわけで剣術をすることになりました。


  ※※※


 私は、動きやすい服に着替えて、屋敷の庭に出ました。

 庭先では、イリスが木剣を持って待ってくれてました。


「お嬢様、こちらに来てください」


 私は、呼ばれたので小走りでイリスのところに向かった。


「とりあえず、これを持ってみてください」


 イリスは、私に持っていた木剣のうち短いほうを差し出して来た。

 私は、それを受け取って柄を握る。感覚的には、重さも長さも丁度いいぐらいでよかった。


「で、誰が指導してくださるの?」

「もちろん、私がします」

「大丈夫なの?」

「大丈夫です」


 本当かな?


 私、実は日本で古武術を習っていたのよ。たまたま家の近くに、道場が出来て、小学校の頃から通い初めて、上京するぐらいまで、やってたの。

 中3の時に初めて師匠に勝って、そのあとは、ずっと師匠と稽古していたわ。(実は、その師匠は、瑠璃以外に負けたことはなく、日本の武闘家の中で最強だったことを瑠璃は、知っておらず、また自分の腕がどれ程のものであったのかをしっかりと理解していなかった)


 で、そのあと、東京では、ストレス発散のために、剣道の道場に通っていたわ。まあ、初日に師匠倒して、ずっと師匠と稽古することになったのだけど。(実は、その師匠、数ヶ月前まで剣道日本一を取り続けていた人で、電撃引退し、道場を開いた人だったということを瑠璃は、知らなかったし、知る由も無い)

  で何のストレスかというと……もちろん勉強のストレス。ストレスがたまると、頭の回転が落ちるっていうじゃない、だから、やっていたわけ。

 それに、一回だけ大会に出たことがあるのだけど、優勝しちゃったんだよね。なんの大会か忘れたけど。


「私、剣術の()()は、持っていますし、実力もそこそこあるので」

「じゃあ、大丈夫か。よろしくね、イリス」

「はい。――それでは、まずは、素振りからしましょうか。見本を見せるので、見ていてください」


 イリスは、私の前で剣を構え、振りかぶり、振り下ろした。イリスは、数度それを繰り返す。


 私は、その何気ない動作に……見とれていた。

 イリスの太刀筋が綺麗で美しすぎるのだ。

 構えからの動作が、自然体そのものであり、1つ1つの動きが流れるようだった。剣が振り下ろされるたびに、風が一線吹き抜けるようだ。

 何気ない動作でも洗練され、極められれば、それは、1つの芸術として、完成されるとは、よく言うが、イリスの素振りは、まるで芸術だった。

 しかも、美しさだけでなく、実戦のことも考えられた素振りだった。

 そして、その素振りをして見せたイリスは、それが当たり前であるかのようだった。


「ではお嬢様、やって見ましょう」

「……わかったわ」


 イリスのあの素振りを見せられたあとだとやりにくいけど、やるしかない。

 ふーう。さっきのイリスの素振りは、今の私では、真似できない。

 あの素振りを見ただけだけど、イリスの実力は、私からして、相当なものだわ。でも、イリスは、そこそこの実力といったわ。もしかして、この世界剣術のレベルがとても高いのかもしれ―ないわね。


 私は、さっき見たイリスの素振りを振り返りつつ、地球での感覚を思い出して剣を振った。

 少し感覚が、ズレているように思ったので、修正しつつもう一度。


「素晴らしいです、お嬢様。剣術の才能があるかもしれませんよ。私の素振りを少し見ただけで、綺麗な素振りが、できています」

「ありがとう、イリス」


 剣道をやっていたときの感覚を手探りで、やってみただけなんだけどね。

 それねしても、この体のスペックやばいかもしれない。

 だって、剣道で素振りやっていたときと同じか、それ以上に体が動かしやすかったの。ほとんど体を鍛えてなくて。


「さて、お嬢様が、今やった素振りの細かなところを直していきましょうか」

「え!?」

「まず、少し大きく振りかぶりすぎです。あと、振り下ろすとき、少し斜めに、振り下ろしてしまっています」


 イリス……鬼畜。イリスの指摘しているところが細かすぎる。そこぐらい多目に見てもいいじゃないと思うところばかり言ってくるのだけど。


「今言ったところを直せば、もっとよくなります。さ、お嬢様、やりますよ」


 決定!イリスは、剣術の鬼。

感想、ご意見お待ちしています。

間違い等がありましたら伝えてもらえれば、嬉しいです。

次の更新は、3月1日です。

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