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受験生

作者: 佐藤春

今年は俺が受験生だ。

中学二年生の時はあまり実感がなかったけれど今になって受験なのかと実感がわいてきた。

だが、やる気は出るはずもない。

いくら実感したとはいえ、自主的に毎日8時間は無理だろう。

俺の友達は塾に行って、朝から晩まで勉強しているらしい。

俺は塾に入っていないため、自習ができる施設へと足を運ぶ。


最近俺は、この施設で勉強をさせてもらっているのだ。

家だと何かと誘惑が多いためここに来ている。

さらに家にいると集中できずに自分の部屋から下のリビングに降りてきてしまう。

そこには当然親がいるため、

「勉強しろ!」

などと厳しく言われる。

〇〇くんは8時間ぐらいやっているんだからやりなさい。とも言われた。

まるで自分が劣っているとでもいうように。

その言葉に苛立ちを覚えたため、この施設に訪れているのだ。


今日もまたその施設に言って自習をした。

五時間程度やったのであろう。

学校のテスト期間でもこんなに勉強のしたことがなかった俺は満足げに家に帰る。

そしてゆっくりテレビを見たり、ゲームをしたりする。

だがそこで思いがけない言葉を放たれる。


「勉強しなさい」

え……。

五時間も勉強してきたのに……と思った。

受験生だからというのもあるけど、さすがにそれには俺も激怒した。

頭の中で。


受験生だからあれやれこれやれと、命令ばかりしてくる親。

何かと理由をつけただけで、自分の言葉が正当化されたとでも思っているのだろうか。

経験上の話をしているのだろう。

そう自分に言い聞かせる。

だが、俺の胸の怒りは消えていく気配もない。

休める場所がない。

自分も悪いかもしれないが、だらけている分勉強もそれなりにやっているはずだ。


時々わからなくなる。

本当に勉強をさせたいのか……と。

本当は問い詰めたいだけなのではないか……と。

そんな疑問を胸に抱えて俺は今を生きている。

皆は分かっていない。

だらけている受験生が皆、勉強をやっていないと思っている。

それは違う。

隠れて努力している奴だっている。

なのになぜわからない。

こんなにも近くにいるのに。

身内という関係でつながっているというのに。

自分の本音を言おうとしても何故か喉につっかえる。

この理不尽な世界と同じだ。


読んでくださりありがとうございます。

これからもよろしくお願いします

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公の感じている憤りがひしひしと感じられました。 [気になる点] 山もなければオチもなく、エンターテイメント性が全く感じられない。 [一言] 小説というよりか、作者自身が今現在感じている…
[良い点] 一日八時間はマジでキツイです。殺す気だと思います。 [一言] 五誌間って、五時間ではないでしょうか…… それと「自分にも一理あるかもしれない」は「親にも」ではないでしょうか……
2017/08/06 17:35 退会済み
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