凶悪!スノーマンコンビ
それは、螺旋を描いて切り裂いていき、二体はスピンして壁と金網とに強く叩きつけられた。と、思ったら、ところがドッコイ!なんと、背後から通過される寸前のところで、二つの“中身”は脱出していたのである。空中で旋回して交差した二つの影が、軽い音を鳴らして片膝で着地。驚いたことに、雪達磨スーツの中身は実に細身であった。しなやかな躰をゆっくりと上げてゆき、背負った火炎放射器から繋がる火炎噴射の銃身を構えていく。
「これは、御婦人だったとは」
このように、着地して構えたパンプキンマンの第一声だった。白と黒の可能な限りまで最小化軽量化したプロテクターをそれぞれ身に纏い、フルフェイスのマスクからは、スノーマンのアイデンティティともいえるとんがり帽子と人参の鼻とが付いていた。
「ちきしょうめ! よくも我々の“足”を破壊しやがって!! ネーロよ、コテンパンにしてやろうぜ」
「オッケー、ビアンカ! このカボチャ野郎をギッタンギッタンのケチョンケチョンのボッコボコにしてやらあ!!」
「ヒャッハー! パンプキンパイにしてやるよ!」
「うまく焼けたら、住民がたに挨拶がわりに配って回ってやるぜ! ヒーハ!」
とか叫びつつも、火炎放射器から銃身を取り外して振り回しながらかかっていくスノーマンコンビ。
相変わらずのハイテンションで突っかかってくる雪達磨姉妹を目の前に、パンプキンマンは半身に構えた。女子供であろうとも、不届き者なら容赦しないのが、パンプキンマンの方針である。