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激走!パンプキンマン


「ヒャッハー! 暖まっているかーい!?」

「ヒャッハー! ホットに行こうぜ!」


 数日後の白昼。

 町内の民家が二軒ほど燃やされた。

 これは、放火事件である!

 犯行におよんだのは、雪達磨をデザインした意匠に身を包んだ、二人。その姿は“まさに雪達磨”だが、頭部胸部脚部との三段に球体を重ねたもの。とんがり帽子に人参の鼻を付けた、通称スノーマンではあるが、脚部を覆う一番大きな球体にある自動一輪車で走行していたのだ。

 その名も

 スノーマン・ライズ。

 スノーマン・ナイト。

 の、白と黒との二体。

 その背中には火炎噴射器の燃料タンクを背負い、横から伸びるパイプには、棍棒を思わせるような形の火炎噴射の銃身。これらを駆使して、この二体はハロウィンの期間のみ犯行におよぶのであった。


 そんなハイテンションで自動一輪車で町内を乗り乗りで疾走しているスノーマンコンビの後ろから、宙を切って駆けてくるオレンジ色の閃光が現れた。パンプキンマントを噴射しながら飛行してきたその影は、我らのパンプキンマンだった!

 悪者は、正しい者の匂いを嗅ぎ取るという。本当かどうかは知らないが、とにかく嗅ぎ取れることができるらしい。ので、当然のようにこのスノーマンコンビも、背後の空中から迫る正義の匂いに感づく。なお、二体ともに音声は電子的に調整されているために、性別は判別不可能。

「ヒャッハー! ナイト、正義のカボチャ野郎がおいでになすったぜ!」

「マジか、ライズ! こりゃますますヒートアップしそうだぜ。ヒーハ!」

 と、お互いに景気の良い声を掛け合って、気持ちを高めてゆく。先方を疾走する二体の背中をめがけて、パンプキンマンは低空飛行へと変わり、突き出していた両拳に力を込めていき、加速した。

「パンプキン、スピット!!」

 発生した巨大な衝撃波と衝撃音とともに、オレンジ色の閃光を鋭くさせて、一直線にスノーマンコンビの間をすり抜けた。

 その瞬間。

 町内住民の民家の垣根や壁および広場や公園などの金網は抉れて“ひしゃげ”たり、ゴミステーションを吹き飛ばしていき、スノーマンコンビの雪達磨スーツをも引き裂いたのだ!


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