対決!パンプキンマン
パンプキンマンが名乗りをあげた瞬間に、まわりの商店街の客たちから拍手と歓声が沸き起こってきた。そんな野次馬たちの様子を見渡していったのちに、ソウルマンはパンプキンマンと向き合ってひと言。
「ふ……。10月以外は姿を現さない戦士か」
「お前もな」速攻のお返し。
「ううっ……!!」
気を取り直して構えていく。
「ひとりは国家権利を行使できる者。そしてもうひとりは、期間限定だが、その得体の知れない力を正しい方向に使う者。まさに、絶好調に絶望的だ。―――さあ、かかって来い!!」
「いいや。お前の相手するのは、この私。パンプキンマンだけだ!!」
「な、なんだとお!」
ソウルマン、驚愕。
「そうだ。強いと判断した相手ならば、年齢性別を差別することなく無差別に襲うソウルマンよ。この私を無差別に襲うがいい」
「そう、まさにそうだ」
「ならば、こい!」
「おう! 覚悟しろ、パンプキンマン」
地を蹴って駆け出して、拳を突き出した。これを防いだパンプキンマンは、相手の腹を狙って足を横に突き刺す。しかし、ソウルマンがこれを防御したのちに離脱して、“うらめしや”の型をした腕を振り回していく。突いて、振るって、凪って、回して、などの動きを組み合わせて技を繰り出していくも、パンプキンマンから巧みにそれぞれをかわされまたは避けられて、そして防御をされたり弾かれたり止められたりしていった。だが、そのような手技の雨の中から、突如身を沈めたソウルマンは、パンプキンマンの足元を狙って蹴りを放ったのだ。
音を鳴らすほどの強力なる足払いから、跳び退けたパンプキンマン。着地をして再び構えた。
「ソウルマンよ、蟷螂拳の使いか」
「いいや、違う」
「違う?」
「これは、オバ拳だ」
「なに、オバ拳だと」
「そうだ。とう!」
跳躍して、飛び蹴り。
腕を交差させて受けたパンプキンマンに、隙を与えるかとさらに拳と膝とを喰らわせていくソウルマン。相手からの攻撃を耐えていきながらも、反撃の様子をうかがっていたパンプキンマンは、胸元を狙った拳を避けた瞬間に、それに腕を巻いて肩に掛けて身を沈めたのだ。すると、あっという間に視界が下へ下へと流れていくのを見ていくソウルマンは、気づいたときには投げ飛ばされており、百貨店のショーウィンドウを破壊して店内の床にたたきつけられていた。




