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神出鬼没!ソウルマン


 初逮捕となったグリージョ姉妹。

 余罪はありそうである。

 10月の放火魔初逮捕!と、巷で騒いでいる舌の根の渇かぬうちに、再び事件は発生したのである!


 それは。

 本物の無差別級通り魔の出現。

 しかも、神出鬼没ときている。

 近頃の無差別通り魔と称される「(自称)誰でもよかった」な、無差別なようで、その実は確実に己よりも力の弱い女子供または年寄り“ばかりを狙った”徹底的な底辺ヘタレ野郎とは違って、その通り魔犯は本当に、女子供や年寄りはおろか、屈強な男達も標的にして殴りかかるという、真の無差別連続通り魔であった!!

 ということで。

 その犯行はさっそく実行されていた。

 それも、白昼堂々と。

 その通り魔とは、フルフェイスのマスクからロングローブを含めたプロテクターまで全て青白いという、まさにハロウィンのオバケをちょっとカッコ良くデザインした装備で活動する、その名も。

 ソウルマン。

 ちなみに、今日の標的は。

「いち、にー、さん、し!」

「56(ごーろう)ちゃん!」

「ひち、はち、くー、じゅう!」

「いれぶん!」

「ぴー、えむ!!」合唱。

 実に、実に(おとこ)らしい掛け声とともに、その標的が現れてきた。路肩をジョギングしていく、白い道着姿の空手集団。たわわに実った筋肉質な男もいれば、まるでシャンプーの香りがしそうなほど爽やかに輝いている色男まで幅広くいる空手メンズ。そんな様子をソウルマンは、まさにその外見通りに幽霊のごとく電柱の影から襲撃の隙を窺っていた。

 青白いマスクにある、泣いているようなまたは困っているようなとも取れるデザインのゴーグルの奥で、今か今かと胸を躍らせて、瞳を輝かせていたのだ。そして、空手メンズから、ある程度の距離を良しと判断したその瞬間、電柱から離れるなりに、身を屈めて構える。それから、スタートを切って駆け出した。短距離ランナーのように駆けてゆくなかで、タイミングを見計らうと、ソウルマンは己の踵を打ち合わせたのだ。すると、それは、ブーツの踵から点火されたロケットエンジンが噴射されて、尋常ではない加速を生み出したのである。

「ソウルマンダッシュ!!」

 瞬く間にそれは空手メンズの背後に迫り、このまま襲うのかと思いきや、なんと、筋肉集団の間を一直線に抜けて華麗なスピンを決めて、目の前に立ちはだかったのだ!


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