ひとりぼっちの女王さま
掲載日:2015/11/16
『女王さま』の私から、私の可愛い妹へ。
あるところにひとりの女王さまがいました。
女王さまは、たくさんの人に愛されたお母さまに憧れていました。
女王さまのお母さまはいつも笑顔でした。だから、お母さまみたいになりたい女王さまは、いつも笑顔をつくりました。
悔しくても、怒っていても、悲しくても。
女王さまはいつも笑顔でした。
いつも、いつも、いつも…。
みんなはいつもほほえんでいる女王さまを愛しました。どんな人にも笑顔の女王さまを恐れる人は、だれもいませんでした。
だけれど、ある日ひとりの男が言いました。
「そろそろほんとうの女王さまを見せてくださいませんか?」
女王さまはわかりませんでした。
ほんとうの私とは何か。だれなのか。どこにいるのか。
悔しさも、怒りも、悲しみも忘れた女王さまは、いつの間にか、楽しいと感じる心も、嬉しいという感情も、忘れてしまっていました。
どこかへ飛んで行ってしまった青い小鳥は、二度と戻ってはきません。
女王さまは言いました。
「これが本当の私よ。」
そう、言わざるをえませんでした。
女王さまは愛されました。かつて女王さまが憧れたお母さまのように。
…しかし、夢を叶えた女王さまはほんとうに幸せだったのでしょうか?
お読みくださり、ありがとうございました。




