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出逢い

いきなり《助けて》と娘からのメール

娘の元に駆け付けると…


そこには…

離婚をして、もう…5年程になる。


その内、深刻な腎疾患が見つかり、

人工透析を勧められたが…いまいち踏み切れずにいた。


高血圧も腎臓からのモノだろうと診断されていたのだが…

二人の娘と引き離されたショックの為に投げやりにもなっていた。


血圧の薬では下がらなくなり…いよいよ人工透析を始め無ければ…



と思って居た矢先に


頭の血管が切れた。


一週間ほど意識がなく。兄弟達には

意識が戻る確率は半々だと…医者に通告されていたらしい。


嫁は連絡を受けても娘を見舞いに寄越さず…


あいも変わらず自己中心的な所は変わって居なかった。


僕を追い出して10か月後…

法的に再婚が出来る様になるとさっさと再婚をしたらしく。

そして…その相手との間に女の子が生まれたと、風の噂を耳にした。僕はそれどころでは無かった。人工透析の導入と共に機能回復のリハビリ…


思うように動かない体で人工透析を受けながらの一人暮らしは本当に苦しい。


そんな中春先に

リハビリから家に帰ると…


テーブルの上に、

一枚のメモが…


ソコには…

大変だから家へ来て…

喜代美…

何だよ…

今頃自分の都合で…助けを乞うのか?


身勝手な所も変わって無い…付き合ってられるか!

とそのメモをゴミ箱へ叩き込んだ。


一ヶ月程経った頃

メールが入った。




長女の彩音からだ…



『助けて…家に来て助けて…』

えっ!取るものも取り敢えず。

娘の所へ向かう。

娘達の所へ向かうということは、


元嫁の、父親…

元義父とも顔を合わせなければいけない。

この義父も、よく…今まで、この世間の荒波を乗り越えて来る事が出来たもんだ。


と感心する程常識がない。


しかし…娘からの

SOSだ…

そんな事は言ってられない。

取る物も取り敢えず娘達の住む。

懐かしの我が家へ向かった。

『彩音!…詩織!』と娘達の名前を呼び、玄関を開けた。


玄関の中には見知らぬ女の子が立っていた。


《ははぁ~ん。

この子が再婚相手との間に生まれた女の子か?》

幾つ位か?…

彩音や詩織と同じ色白…目はパッチリ…口許等は元嫁にそっくりだ…


『一体何が大変なの?…』

彩音が答える。…


『お母さんが入院したの』

『で…僕にどうしろと?』と尋ねると、

『あのね、今家には料理が出来る人が一人も居ないの…

だから…ご飯の用意をしてくれる?


それと…この子の面倒も見て欲しいの…』


『それは、構わないけど、その子の名前は?』


『この子の名前は…

怜夏。


お母さんが離婚して父親に引き取られたんだけど…


体にアザが沢山あったの…

虐待されてたの…』

『そうか…

それは、可哀想だったね。

虐待される子供を

昔、何人か引き取って育てた事は有るけど、かなり難しいよ。

だから…お前逹の協力が必要だよ。』


と、答えると。



『あのね…

怜夏はね…


自閉症なの…』


『ええっ!!僕は、虐待を受けた親戚の子供を二人引き取って育てた事は有るけど、


自閉症がセットなのか?!


難易度マックスじゃないか?


そうか?それで…

この子には、表情が無いのか。


やれる事は少ないけど、何とか頑張ってみるよ…』


こうして、僕と怜夏のほぼ…1000日に渡る戦争が始まった。

まず…

何から何までが未経験…


手探りで自閉症で

虐待を受けていた怜夏とせっしていきます。


次回は《色紙…》です。お楽しみに。

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