ファンクラブに入りたい!(四百文字お題小説)
沢木先生のお題に基づくお話です。
「ファンクラブ」をお借りしました。
りきてっくす先生のご要望にもお応えしました。
律子はスチャラカなOLである。
好きなアーティストのファンクラブに入ろうと思い、ネットでホームページを検索した。
「そんな事をしていると、課長に怒られるよ」
会社のPCでアクセスしている律子に藤崎君が言った。
「大丈夫、平井課長は今日まで休みだから」
呑気な顔で言う律子。
「誰が今日まで休みだって?」
平井課長が現れた。
「課長、お休みでは……」
嫌な汗が全身から噴き出す律子。
「君みたいな社員がいるから、家族旅行を一日早く切り上げたんだ」
課長はムッとして言った。
「奥さんが怒りませんでしたか?」
律子が尋ねると、
「そうなんだ。蘭子が激怒して、ゴルフクラブを全部折られるところだったよって何言わせるんだ!」
課長は会心の乗り突っ込みをした。
「君のせいなんだぞ! 反省しろ!」
「はい」
律子は反省したような顔で言う。
(全然反省していないな)
しょんぼりしたフリをして、キーボードとマウスを操作している律子を見て思う藤崎君だった。
いつもながらお粗末様でした。