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【重要なお知らせ】を読んだ「個人の感想」 〜運営を経由しない書籍化打診について〜

掲載日:2026/08/11

 うーん、震えた。

 何がって、起こっていることの「切迫さ」についてである。


 身近な例をもって、この問題の怖さについて考えてみようと思う。


 例、その一。

 今の小学生のドリル集はとても難しい。特に国語の文章問題……というよりは、問題文そのものが難しいのである。

 算数しかり、他しかり、二年生程度と言ったってバカにはできない。ひと単元の復習の中に、大人でも「ん? これはどういうこと?」と読み返す必要のある文章が、いくつか隠されているのだ。

 しかし悲しいことに、今の保護者たちは、これら夏休みの宿題に子どもと立ち向かえるほど、余裕がない。

 現代の子育て世帯の一員として、申し訳ないばかりである。

 宿題も遊びも学童まかせ。学童支援員は限られているので、一人ひとりに付き添ってサポートする時間も人員もいない。

 宿題を完遂することは、物理的に難しい。

 そんな訳で、効率重視の子どもたちは答えを丸写しするのである。

 まぁまぁ、ズルを覚えたことは成長の証とも言えるけれど……いや、そもそもさ、勉強って、合ってるかどうかよりも考えることが大事なんであって……と、しがない母(筆者のこと)の煩悶は続く。

 今、子どもたちの教科書や問題集をめくりながら感じるのは、この情報社会を生き抜ける教育をしたい、という国政の風向きだ。


「膨大な情報の海から、自分にとって必要で、信頼のおける文字列を探し出す力」


「AIにプロンプトを打ち込むとき、どのような文章構成であれば、極端でない回答を引き出すことができるか」


 そういう意図が感じられる。

 考えてみると、これは大いに皆さまの同意を得ることと思うが、社会に出て仕事をする上で、大切なものは何か。

「契約書」である。

 貧富の差に関わらず、あっちにもこっちにもついて回る契約書。

 この膨大な文字数の書類を読み解き、その正誤を確認しなければ、明日を生きるための金銭が手に入らないのだ。

 この契約書にまつわるトラブルが、世の中になんと多いことか。未成年諸君はきちんと心の準備をしておいたほうがいい。じゃないと何千万の損をするどころか、人生が詰む。実際に詰む。


 この例は「契約書や応募規約要項をしっかり読まないと、作品自体が詰む。さいあく書き手の執筆生命が詰む」ということを示している。


 例、その二。

 筆者は田舎の村落在住である。

 今の時期だとナスやきゅうり、トマトが供給過多になり、この地域だけ食料自給率がケタ違いなのではと思うくらい、野菜が良く育つ。

 夏に限らず、四季折々の花が咲き、農作がゆたかな土地である。

 春に聞いた話だ。

 あるご家庭の敷地内に、フキノトウが芽生えたらしい。翌日、それが潰れたようにひしゃげてしまったという。

 猪か何かの仕業かと思っているうちに、またフキノトウが出てきた。

 二度目は明らかに鎌で刈った跡があったという。

 つまり、両方とも人間の仕業だったのだ。

 散歩中にでも見つけたのだろう。ふつうは鎌を持って散歩なんてしない。だから一度目は、靴のつま先でほじろうと思い立ったのだ。しかしそれは上手くいかなかった。

 だから二度目はご用意の良いこと、きちんと鎌を持ってきたのだ。

 私はその話を聞いたとき、驚いて尋ねた。


「あの、それって私の感覚では、窃盗なんですけど……」


 我ながらなんと遠慮のない物言い。恥ずかしい。

 そのご家庭の奥さまは、ただ黙って頷かれた。わかっている、だけど田舎のことだから咎め立てはしない、という意思表示だと、私は理解した。


 この例は、「泥棒は一度やったことは二度目もする」ということを示している。

 この《小説家になろう》というサイトは、運営さま方が一生懸命耕してきた畑のようなものだと、私は思う。

 作品や書き手は野菜だ。芋でも良し、花でも良し。あなたのお好みでどうぞ。

 それならば、育ち具合を喜び、美しさを愛で、収穫の楽しさを分け合うのも、運営さまが()ず一番だと私は考える。


 丹念に育った成果物を、横から取って奪うような輩は泥棒といってもいい。

 しかも再犯率の高い、厄介な盗人(ぬすっと)だ。

 盗人自身、お腹が空いていたのかもしれない、明日の食べ物にも困っていたのかもしれない。それならば百歩ゆずって、目のまえに熟れたおおきな桃が流れてきたら、持って帰るのは当然のこと——じゃないのよ。

 昔むかしの桃太郎じゃあるまいし、現代の法治国家で許されることではない。


 まとめ。

 この例二つを通して、今回「重要なお知らせ」として注意喚起された「各応募作品に対する《運営さまの知らないルート》での商業化の打診」、この問題の本質を考えてみたい。


 まず、創作者としてのプライド。

 曲がりなりにも文字で食べていきたいと思っているなら、応募規約ぐらいはしっかり読みましょう。や、ね、私もうっかり粗忽者だから、人のことは言えませんよ。自省を込めて言ってますよ。規約を咀嚼し、噛み砕き、なんならダブルチェックを各自用意しましょう。


 つぎ、作品の尊厳。

 作品は宝石です。(上では野菜とか芋とか言ったけど、いったんそれは忘れてね)

 どんなにプレビュー数が低かろうが、評価が少なかろうが、一人の創作者が命を削って、丹精こめて磨きあげた宝石です。

 宝石は人を惑わす力があります。

 美しさに目がくらみ、欲望丸出しで手を伸ばす人々も多く集まります。

 それらの汚い手垢から大切な作品たちを守ってくれているのが、サイトの利用規約です。

 作品の価値は、厳正なルールというショーケースの中にあって、初めて《商業化》という華やかさで飾ってもらうことが出来るのです。

 これが作品の尊厳という言葉の意味です。


 最後に、いちばん大切なこと。

 信頼関係。

 書き手のプライドと作品の尊厳が守られて、ようやく実るかけがえのない資産です。

 銀行通帳の残高が増える訳でもない、いきなりポイントが増える訳でもない。数字じゃないから分かりにくいけど、これが見えざる資産というものです。

 こういう目に見えない貯金残高は、ゆっくり積み上げていくものだから、すぐには理解できないかもしれない。だけどね、だからってそこにあぐらかいて粗相したら、崩れるのは一瞬だよ。


 ちょっと怖い話をしましょうね。

 もし今回のような問題を運営さまが見過ごしていたら、どうなっていたでしょうか。

 トラブルの多く発生するところに、トクリュウ詐欺の悪い奴らが目をつけます。

 ルート分岐!

 せっかく運営さまが汗水流し、築いてくださった《作品の商業化》という華々しいルートが、負債シャッキン追い立て道中、死屍累々の墓場ルートへと変貌してしまうのです。

 なんというバッドエンド。

 こんなに怖いことあるでしょうか。

 ひえぇ、騙されやすいババ(筆者)は腰を抜かします。


 これは小説家だけの話ではありません。

 サラリーマンも公務員も子どもも大人も、貴賤を問わず必要なのが信頼関係です。


 だからね、一緒に学んでいきましょう。

 私自身も偉そうなことは言えない、瑣末な書き手ではありますが。

 ピンチはチャンス。

 失敗は成功のもと。

 使い古された言葉ではありますが、失敗の許されない空気で生きる現代人に対して、なんだか含蓄を感じます。

 生きて、挑戦していれば、誰かに迷惑をかけることもある。

 それを冷笑する人たちは置いていこう。


 抱く夢の大きさと、契約書の文字数、利用規約のスクロールをしっかり確かめながら。

 繁務をこなす運営さま方、

 誠実な出版社さま方への感謝を胸に、

 自分の活動を省みる機会といたしましょう。


 この度は、重要なお知らせを伝えて頂き、ありがとうございました。



 秋乃 拝





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