表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/20

暁に歩む

夜が明けた。


 濃い霧と冷たい空気が草原を包み、朝日がゆっくりと空を染めていく。焚き火は既に消え、辺りには燃えかすが残るのみだった。


 リーナはゆっくりと身体を起こした。眠りは浅かったが、悪い夢を見ることはなかった。それだけで、昨夜との違いを感じるには十分だった。


 「……おはよう」


 小さな声で挨拶する。ユウは既に立ち上がっており、周囲を見渡していた。


 「起きたか。支度をしろ。ここにはもう長くいられない」


 「うん」


 リーナは立ち上がり、毛布をたたみながら周囲を見た。骸骨兵の残骸は地面に散らばっているが、腐敗や悪臭はなく、まるでその存在自体が夜と共に消えていくようだった。


 「……昨日の、あの骸骨。ありがとうって、ちゃんと伝えたかったな」


 ぽつりとこぼすリーナに、ユウは少しだけ視線を向ける。


 「意思はない。ただの命令で動いている」


 「それでも、あれは……私を守ってくれた」


 ユウは何も言わなかったが、彼女の言葉を否定することもなかった。


 二人は再び歩き出す。森の外れの道を越え、次の目的地へと足を進める。


 しばらくの沈黙の後、ユウが口を開いた。


 「……次の村まで、あと一日。だが、途中に廃屋と古い教会跡がある。どちらかで中継する」


 「……どっちが安全?」


 「どちらも危険だ。ただ、教会跡はかつて封印施設だったと記録がある。もしまだ結界の残滓があるなら、魔物の侵入は防げるかもしれん」


 「じゃあ、教会にしよう」


 リーナが決意するように言うと、ユウはうなずいて歩を進めた。


 朝霧の中、二人の影が長く伸びていた。無言のまま、けれど歩調はぴたりと揃っていた。



---

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ