表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/20

夜明け前の誓い

戦いの気配が完全に消えた夜の空気は、妙に澄んでいた。


 骸骨兵たちは動かなくなり、その場に崩れ落ちている。まるで「役目を終えた」とでも言いたげに。リーナの傍にいた個体も、傷ついた身体で守るように立ち塞がり、そして沈黙したまま動かない。


 リーナはその白骨を見上げるようにして、ぽつりとつぶやいた。


 「……ありがとう」


 誰に届くこともないその声。だが、それは確かに、彼女の中で何かが変わり始めていることの証だった。


 ユウがゆっくりと近づく。


 「無事か」


 彼は表情を変えない。淡々と、しかしその声はどこか柔らかかった。


 リーナは小さくうなずき、視線をそらした。だが、その頬はわずかに赤く染まっている。


 「さっき……あれ、あなたの……?」


 「俺の魔術の一つだ。指揮すれば、ある程度は護衛もこなせる」


 「……すごい」


 リーナの目が、焚き火の揺らめきの中でほんの少しだけ輝いていた。


 ユウは焚き火の前に腰を下ろし、静かに薪をくべた。火の粉が弾け、再び柔らかな光が二人を照らす。


 「眠れ」


 「でも……」


 「さっきのが偵察なら、次が本命かもしれない。体力は残しておけ」


 リーナは迷ったようにしていたが、やがて素直にうなずいた。毛布にくるまり、焚き火の横で横になる。


 その目を閉じる直前、彼女はそっとつぶやいた。


 「……ユウさんは、どうして私を助けるの?」


 ユウは答えなかった。だが、静かに焚き火を見つめるその横顔には、決意と、少しの哀しみが混ざっていた。


 リーナはそれ以上聞かず、静かに目を閉じた。


 ――そして、夜は再び深まっていく。



---


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ