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Alice in Re.selection  作者: 名も無き小説家メア
1部 Charlotte
9/21

Charlotte Ⅸ|そのお方、予想外につき

「おいクソジジイ!お前の能力汚ぇって!」

「いくら攻撃しても、回復に変えられちゃう!」

俺たちは様々な攻撃を試し、ジジイの能力の欠点を探っていた。だが、

「奏音、あの人やっぱり攻撃効かないよ」

「天、俺たちどのくらい攻撃した?」

「ざっと30分くらいで300通りの技、1000近くは攻撃してる」

だそうだ。つまり

「あいつの能力の対象は全ての攻撃、かつ上限が存在しない」

「じゃあどうやって倒せば、、、」

正直勝ち目がないと言えば嘘になる。だがそれをするにはあまりにも賭けすぎる。

「何度やっても同じこと、私の能力の前には全てが反転されるのですから」

こいつうぜぇな。イライラしてきたぞ

「お前、そろそろ負けてくれよ」

「それは無理なお願いです。私はあの方よりここにて貴女方を止めるよう指示を受けておりますゆえ」

それに、とジジイは俺たちの後ろを見て

「そろそろ私の仲間が帰ってきますので」

そう聞き俺たちは後ろを振り返った。激しい風が吹き、土煙が舞う。やがてそこから1人の人物が姿を現した。

「なっ」

「えっ」

俺たちは目を見開く。何故ならそこには、

「ごめんねお兄ちゃん、天ちゃん道に迷っちゃって」

と右手に武器を持った妹の姿があった。



俺、夜桜うるふは1人、その男と対峙していた。そいつに能力は通用せず、身体能力のみの激しい戦いを繰り広げている。

「お前ぇ、なかなかやるじゃん?その能力故かちゃんと身体をちゃんと鍛えている。だからこそ悲しいよ、お前をここで潰さなきゃいけないなんて」

と言うそいつに

「あ?まだ負けたことが決まった訳じゃねぇぞ、なに調子こいてんだ!」

俺は右足に力を入れ距離を詰める。それを見た男は詰めると同時に俺が構えた右手を見て手をクロスさせ受け止めようとする。そのままの勢いで俺は男にその手を振り下ろす。ゴスッと鈍い音と共に男は吹っ飛んだ。

「えーぐいねそのパンチ。威力が人間のそれじゃない、やはりあの方の言っていた通り君となら楽しめる!」

あの方、か。誰かは想像付かないが、口ぶりからして俺の事を詳しく知っている。学園の上層部に潜り込んでいるスパイ的な人物だろうか、と考えていると

「よそ見なんてしていいのかい?」

と気づけば目の前にそいつがいて、咄嗟にガードするが

「ぐっ」

全ては庇いきれず勢いで飛ばされた。なんとか体勢を立て直し、

「くっそが。毎度毎度、どいつもこいつも腕ばっか持っていきやがってよぉ!そろそろ飽きてきたんだわこっちも!」

と怒号をあげる。しかし不思議と頭は冷静だった。目の前のやつに勝つ事だけを考える。

「もっとペース上げてくぞ!」

と近距離で肉弾戦を仕掛けてくるそいつの対処をしながら俺は考える。なんとかやつに勝つ方法はないのか、と。そう考えていた時、奏音の言葉を思い出す。

『能力の解釈を広げる事で能力は進化する』

もし、それを今する事が出来れば勝てるかもしれない。俺の能力は言ってしまえば無を操れる、万物を無にする。もし、やつの能力すらもその能力で消すことが出来たら、能力を受け付けない能力をかき消す事が出来たなら、と考える。奏音曰く、能力同士がぶつかり合うと相性次第で相殺するが、もし片方の能力が強力過ぎた場合そちらが優先されるらしい。

そして能力は自分の体力を削ることでその力が上がる。今の俺は先程の技で仮限度を超えている。つまり能力自体も強化され、それに俺の残りの体力を削れば、、、

そうして俺は距離をとり、右手のみにそれを纏わせる。そのまま相手にその拳を叩きつけ、接触した瞬間、発動する。

「灰燼へと帰せ、『無能力付与(ゼロ・オーバースキル)』!!」

次の瞬間、相手の能力がかき消され、俺は能力の反動か、意識を暗闇へと沈ませた。


「焦ったぜ、にしても、最後に俺の能力を真っ向から消失させるとは参ったな、だが勝負は俺の勝ちだ」

と優雅に佇むその男に僕、鷹波緋鳴は言葉を投げかける。

「ねぇ、お楽しみ終わったところ悪いけど。僕もいるからね」

「あ?なんだお前、あの方の情報には無かったな」

「そりゃあ無いだろうね、なんと言っても」

と僕は言葉を続ける。

「観測者。君たちの世界で言う神だからね」

「神だ?なにふざけた事抜かしてんだ、神はあの方だけで充分だっての」

あの方、神。彼らの言う人物を僕は知っている。それだけじゃない、この世界の全てを僕は知っているのだ。

「あれは神でもなんでもないよ、弱さに負けて堕ちたただの負け犬だ」

すると、男は狂ったように、

「あの方を侮辱するな!お前のようなやつに何がわかる!」

激昂し殴りかかってくる。しかし、その拳が僕に当たることは無い。

「言ったよね?僕は神、そして観測者だ。君みたいな人間が僕に触れるなんて不敬罪だよ?」

そうしてその男に問う。

「君たちが言うあの方、当ててあげようか?」

男はこちらを睨みつける、それでも僕は言葉を続ける。

「君たちの言うあの方、自称神。その名前を」

うるふ君は気を失っている為聞こえないだろうが、これは知らない方が良いだろう。なんせあの方、彼の名前は、

「自称絶望を司る邪神、『如月奏音』、そうでしょ?」

そう、如月奏音なのだから。

名前 夜桜うるふ

能力 無能力

   無を操る事ができる

性別 男

年齢 17

特徴 スタイル、ルックス共に上位だが

   素行に問題あり

   黒い服に身を包み青い髪が特徴的な好戦的な狼

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