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Alice in Re.selection  作者: 奏音
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Charlotte Ⅴ|その情報屋、ひよこにつき

『アルファ』、それは年に一度だけ行われる特別試験。形式は個人戦。対抗戦とは違い、バトルロイヤル式で予選を突破したあと、トーナメントで優勝者を決める、学年全体が対象の競技となっている。

 「奏音、お前は出るのか?」

と俺は隣にいる白髪の男に問う。

「あー、どうしようかな。気が向いたら出るさ、あれって参加自由だろ?」

「あぁ、そうだが今回のゲスト、ヤバいらしいぞ」

「あ?ゲストだぁ?知るかよ」

ゲスト、それはその名の通りお偉いさんをアルファの期間中呼ぶ。それがこの学園の毎年恒例行事だ。

「今回のゲストがな」

と俺は少し真剣に続ける

「アーテルノクスらしい」

「うるふ、俺は出るぞ」

と、まるでアーテルノクスの名前を聞いて参加を決めたような奏音。

「出るのはいいが、お前のその強さどうするんだ?」

「あぁ、それについては説明する」

そうして奏音は俺を含めて対抗戦の4人を集めた。なぜ呼ばれたのか分からないといった顔をしている俺たちに奏音は言葉を告げる。

「今回のアルファだが、お前ら全員本気で挑め」

そう言われ、俺たちは

「奏音、お前は何を言ってるんだ?」

「お兄ちゃん?どういうこと?」

「奏音、まず聞かせて」

と俺、もかさん、雨音さんが反応する。

「今、お前達の考えていることを当ててやろう、まずなんで最底辺の俺がお前たちに本気を出せと言っているのか、上から目線で物を言われるのは気に入らないだろうがそこは妥協してくれ。この方が話しやすいんだ」

「いや別に、今始まった話じゃないだろ」

え?といった奏音の反応を見た感じこいついつも丁寧な接し方をしてるつもりか

「まぁ、いい。とりあえず説明する」

そう言って説明し始めた。

 奏音の話によると今回のゲスト、アーテルノクスには1部、黒い噂があるらしい。

「ついてこい」

そう言われ、俺たちは商店街から少し離れたいかにもヤバそうな路地裏へとはいる。

「おい、ラプラス。いるんだろ?出てこい」

と奏音が言うと、

「はいはい、ここだよ。まったく、君は人使いが荒いってよく言われない?」

『ラプラス』と、そう呼ばれた少女は片目に眼帯、フードをかぶっているためあまり見えないが身長、体の細さからとても幼い印象を受けた。

「ねぇ、君。さっきから僕のことジロジロ見てさぁ、なに?僕の顔になにか付いてたの?夜桜君」

まて、今なんて言った?俺は名前なんて言ってないぞ

「俺は名前なんて言ってないぞ、って思ってるでしょ」

とこちらの心を見透かすように笑うその少女。

「からかうのはその辺にしとけ。ラプラス」

と奏音がなだめる。

「えぇ〜、仕方ないなぁ。あ!あーとー!僕のことはちゃんと名前で呼んでって言ったよね!」

「あー悪い悪い、忘れてたわ」

はぁ、と奏音がため息をつく。

「初めまして、自己紹介するよ。僕は鷹波緋鳴(たかはひな)。君たちと同じ能力者だよ。僕は情報を売って生きてる、所謂情報屋ってやつだね」

なるほど、確かに情報屋ならアーテルノクスの噂も知っているかもしれない。

「緋鳴って言うんだぁ。可愛い名前だねぇ」

と今まで後ろで静かにしていた雨音さんが少女に近寄り、頭を撫で始めた。

「ちょっと!?なにしてるの!?いや、あの!や、やめて」

静止を聞かず、頭を撫でる雨音さん。

「よしよし、いい子だよピー助」

ん?

「雨音さん、ピー助って、、、」

「だって名前緋鳴でしょ?ひなってさひよこみたいじゃん、ひよこってピーって鳴くからピー助!」

「ピー助、、、可愛い」

おっと、?気に入ってしまった様子なんですけど?

「まぁまぁその辺にしとけ、そろそろ本題に入ろうぜ」

と奏音がピーさんに言う。

「分かってると思うが、俺たちが聞きたいのは、、」

「アーテルノクス、でしょ」

と奏音の言葉を遮って正解を言い当てるピーさん

「話が早くて助かる。教えてくれるか?」

「いいけど、値は張るよ?」

そう、あくまでピーさんは情報屋、それ相応の対価として要求されるものだってあがる。それも最強の能力者の情報となれば、

「仕方ない、なら、、、。3日で販売終了した激レアお菓子詰め合わせでどうだ」

「ばか奏音お前なめてんのか!?情報屋だぞ!?そんなんで、取引成立するわけ、」

「いいよ」

「いいのかよ!」

え、なに普通情報屋ってお金じゃないの?俺がおかしい?ん?わかんね、まいっか!

「まぁ、じゃあ話すよ」

そう言ってピーさんは話し始めた。数十分、話を聞いたあと俺たちはとある事に気づく。

「もかは、どこいった?」

と奏音が言った。

「あーもかちゃんなら、お腹空いたからってどっか行ったよ」

どっか行った?待てよ?確か俺の記憶が正しけりゃあいつ、

「「クソがつくほど方向音痴じゃねぇか!」」

と俺と奏音は2人合わせて言うのだった。


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