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Alice in Re.selection  作者: 名も無き小説家メア
2部 とある空想上の世界
26/27

とある空想上の世界-14

「さて、どうしたものか」

由紀を見つけた俺たち、じゃなくて私たちはこの後について考える。1度ここから抜け出せたとしてもまた同じことをこいつらはするだろう。それでまた動けとか言われても困るからなぁ、よし!決めた!

「潰そ、じゃなくて!潰しますわよ!」

こんな頭の悪いお嬢様がどこの国にいるんだよ、とか思いながら考えたプランをみんなへ共有する。

「てな感じで行きたいんだけど、これは俺たち、じゃなくて!あー!もうめんどくさい!知らん!俺たちだけじゃ難しい。出来るだろうがここにいる人たちを全員助けるためにはここにいる全員の協力が必要だ。頼めるか?」

その場にいる全員が渋々ではあったが協力してくれるみたいだ。


「緋剣流『紅時雨』!!ですわっ!」

俺たちは壁をぶち壊しながら進んでいた。にしても、

「お前、もう話し方定着してるじゃねぇか」

流れるように謎のお嬢様口調を身につけたおしゅーに俺は小声でそう呟く。

「嫌ですわよ!?私はれっきとした男の子ですの!」

「男の娘の間違いだろ」

「違いますわ!」

そんなこんなで俺たちは結構進んだのだが、

「あいつらは上手くやってるのか?心配なんだが」

と別働隊である夜桜るふみ(笑)率いる囮役達を気にかける。まぁ大丈夫だろうな。とその時、

「なんだ?いるじゃねぇか、カカッ、確かに逃げようとしてるなぁ?今なら目をつぶってやるから戻れ。特にその嬢ちゃんはな」

突然目の前から壁を突き破って現れた大男は由紀を指さしてそう言った。

「悪いな、こいつは俺達の仲間なんだ。それに友人に必ず連れて帰ると約束してるんでな」

「なんだお前、女のくせに男みたいに話すんだな。気に入った!お前も残れ!大丈夫だ、ちゃんと可愛がってや――――」

俺はそいつの〇玉を力の限り蹴り上げていた。

「死ね!クソ野郎!ボケ!カス!」

と1つ言葉を増やす度に蹴りあげる。

「奏音さん、その人もう意識ないですわ」

と冷静なおしゅーの言葉を聞いてから

「ちぇっ、二度と目覚めんなっ!」

最後、顔面に一蹴り入れてあげた俺は優しいな。と思いながら先へ進む。すると突然、

『ジジッ、なでさん!奏音さん!』

と無線機より通信があった

「はいこちら奏音さんです」

と返すと

『まずいかもしれないです!』

慌てた様子のるふみ(笑)に

「どうした?説明してくれ」

と理由を問う。

『落ち着いて聞いてくださいね?』

と恐る恐るるふみは言ってきた。

「それで?なんだ?」

『それが、この組織のトップが「アイ」の協力者みたいです』

「アイ、か」

近いうちにまた会うとは思っていたが、予想以上に早かったな。

「わかった。まぁ問題ない、遅かれ早かれまた相見える相手だ作戦はそのまま遂行しろ」

『了』

そう言ってうるふは無線を切った。それから俺たちは外に出ることができ、

「着きました。出来れば今日のことは他言無用で、お願いしますね。どうしても助けてくれた人の事を話さないといけないとかまぁないとは思いますけどそういう時はこっちの田中さんのことを話して下さいね」

と女装したおしゅーを差し出した。俺は残りの仕事をおしゅーに任せてるふみ改めうるふとの合流地点へと行く。



「待たせたか?」

「いや、さっき着いたとこです」

いつの間にかいつもの服装に戻っていたうるふはネクタイを締めながらこちらへ歩いてきた。

「なんだ、もう着替えたのか?せっかくなんだし零にも見てもらえば良かったのに」

「勘弁してくださいよ、そんなんしたら軽蔑どころか全身穴だらけになりますって」

必死になってそう言ううるふにそうか?といいながら俺は前にある一本道に視線を向ける。

「パイセンの情報によるとこの先に今回、奏音さんの友人の妹さんを攫った連中がたむろってる場所があるんだと」

だがこの組織が血鎖と繋がっている以上は油断なんてミリもできないな。

「気、抜くなよ?」

うるふはコクリと頷いて

「何年この道やって来てると思ってるんですか、緊張こそすれど油断はしませんよ」

「ほう?とても現ニートさんからの言葉だとは思えないな」

「はぁ?ニートじゃなくて!警察に仕事奪われてたから依頼が来なかっただけですけど!?」

「つまり仕事をしてない上に仕方ないと動かなかったと」

「それは、だって仕方ないじゃん?」

「ニートが」

うるふはがくっと肩を落としてとぼとぼ歩いていく。しばらく歩いたところにボロボロになった白い廃墟のような建物があった。

「どうやら、歓迎してくれてるみたいだぜ」

「いやいや、これは歓迎ってよりはリンチみたいじゃない?」

廃墟の前にはぞろぞろと何やら物騒なもん持ってるやつらがいた。

「ざっと300人ってとこか?まさか無理なんて言わないよな」

「舐めないでくださいよ、これでも鍛えてるんですよ」

1人150人相手にすれば問題ないな。

「行くぞうるふ!」

「了解!」

と俺たちが動き出そうとしたその時、

「ちょいと待ってな!」

後ろから聞き覚えのある声がしたので振り返ると、

「マスター!?」

まさかの助っ人、あの酒場のマスターであるやまっちが来ていた。

「アイツから頼まれてな」

おそらくパイセンから頼まれたのだろう。

「助かるぜ。これで1人辺り100人で済む」

「マジかよ助かるぅ。あ、よろしく!俺は夜桜うるふ!」

「よろしく。やまさん、やまちゃんでもなんでも呼んでくれ。それと、せっかくのとこ悪いんだが」

と俺たちに断りを入れてきたので

「どうかしたか?」

と聞くと

「こいつらは、俺が一人で引き受ける。お前らは後に控えてる大ボス用に温存しといてくれや」

そう言って手のひらを合わせて合わせた手を離していく。するとその間をトランプが移動していた。

「なぁお前ら、ゲームは好きか?」

そう言って指を鳴らすとやまっちの頭上にトランプが飛び交い始めた。

「な、なんだお前は。おいお前ら!やっちまえ!」

指揮官のような男が後ろの奴らに指示を出す。てか大丈夫か?一人で300とか俺でも疲れるぞ?

「さぁ、ショータイムだ」

そう言ってもう一度指を鳴らすと上からカードが5枚降りてきた。

「今日は運がいい。コール!スペードのジャック!

続いてストックカードよりリリース!サイス(6)の革命!」

なるほど、やまっちの能力はトランプから戦士や補助員を召喚出来るのか。コールは呼び出し、おそらく引いた手札から直接召喚するものでストックカード、つまり山札から取り寄せて召喚するのがリリース。コールはランダム性が強いため威力が違うと思うのだが、

「ジャック、我に仕えよ。ブレイブ!スペードのジャック!」

そう言い放つと召喚されていたジャックと思われる騎士がやまっちの前で片膝をついて、光に包まれると共に消滅した。そしてその手には狙撃銃が握られていた。

「なるほど、そういう事か」

コールとリリースの違いはおそらく召喚した騎士や戦士を代価としてその力を武器へと変貌させることが出来るか否か。コールは可能だが山札から選んだリリースは装備、即ちブレイブができない。

「ははっ、かっけぇなおい。少年どもよ、ここにお前たちの夢を実現させてるやつがいるぜ」

隣にいるうるふも目を輝かせていた。

「さぁ、サイスに時間を稼いで貰ったからなぁ!展開!『能力反転交差世界の錬金術師(クロス・アルケミスト)』発動!ナインバレット!」

するとやまっちの周りに九つの銀色の銃が展開された。

「フィナーレだ」

手を上に掲げて振り下ろすと九つの銃から無数の銃弾が放たれる。

「これは、なんとも集団戦向きな能力なんだろうか」

隣のうるふさんは口をぽかーんと開けてこっちを見ていた。

「言いたいことは分かるからとりあえずその開いた口を閉じろ」

「久しぶりだったから制御が甘かったなぁ、お待たせぇ」

前からやまっちが戻ってきた。

「あ、そうだ、これ」

と何やら服を渡された。

「これは?」

「それはあいつから渡せって言われてる服だ。新生花園の制服みたいだぜ」

言われて見てみると黒色をベースに俺には白色、うるふには青色のラインが入っていた。

「かっこいいじゃねぇか、気に入った。礼を言っておいてくれ」

とやまっちに頼む。

「あぁ、わかった。それとここからはお前達で行くんだ。情報によるとこの先は2人までしか通れない結界が張られているみたいでな。俺はここで帰るとするよ」

そう言って引き返して去っていった。

「さて、と。準備はいいか?」

「もちろん、抜かりはない」

そうして廃墟の中へと足を踏み入れる。

「やっと来たのか、待ちくたびれたぜ」

「やぁ奏音。私の正体にはもう気が付いているんだろう?」

血鎖ともう1人、大鎌を抱えた細身の男がそこに立っていた。

「血鎖はさながら、あいつはやべぇぞ」

隣のうるふはその言葉に小さく頷き、

「あいつは俺がやる。奏音は決着を、因縁に終止符を打ってこい」

頼もしい言葉だな。

「そうさせてもらうよ、おい血鎖!移動するぞ。ここじゃあ思い切りお前を殺せないからな」

「そうだね、私も同じこと思ってたんだ」

「なら俺たちも移動するか」

うるふも細身の男に言う。俺とうるふは互いに背を向けてから歩き出す。

「なぁ、うるふ」

俺は別方向へと離れていくうるふに

「死ぬなよ、相棒」

と小さく呟いた。それに答えるように

「ばーか、お前もちゃんと借り返してこい」

とうるふの言葉を背に俺は走り出した。



しばらく走り、森の中で俺たちは足を止めた。

「なぁ、血鎖。アンタの目的はなんだ?」

と血鎖に問う。

「あの方の計画の為に、君をここで片付ける、それが私の目的」

そうかよ、と頷いて俺は口を開く。

「お前を倒したいのはやまやまだが、残念ながらお前の相手は俺じゃない」

そう言って俺は口元まで被さっていたマフラーを下げ、

「あとは、頼んだぞ」

と心の中に声をかける。

『ん、ありがとうかなくん。あとは任せてゆっくり休んでね』

その声と共に俺の視界は黒く染まる。



「やぁ、数年ぶりだね」

僕は目の前の憎き相手へ声をかけた。

「君は奏音、では無いみたいだね。前回私の邪魔をした奏音じゃない誰かさんだね」

「ご名答、僕はアイ。君に借りを返しに来たんだ」

僕は腰に収めてあるナイフを華麗に取り出してその刃先を血鎖へと向けた。

「まさか、本人とはね、そりゃあすぐに正体がバレるわけだ」

クスクスと口を抑えて不気味な笑みを浮かべる血鎖。

「生憎君と話すことなんてないからね、すぐに終わらせてもらうよ」

僕は能力を発動して自分の身体能力の制御を限界まで調節。そして肉体の回復速度の制御を外した。本来肉体の回復速度の制御を外すと肉体の再生が早すぎるため逆に体が崩壊、肉塊へと変わってしまう。だが、身体能力を限界まで調節する事でその反動で壊れた体を、制御を外した回復速度で元に戻す。

「いくよっ!」

僕は地面を蹴り、素早く血鎖に近づく。初手で蹴りを一撃放つが難なく受け止められた。

「ぐっ、」

すかさずナイフで刺しにかかる。

「おっと危ない」

血鎖はそれを最小限のステップで軽々躱す。

「まだまだ!」

僕は畳み掛けた。

「くっ、」

やがて血鎖に怪我が見えるくらいに攻撃を当てる。

「君に能力なんて使わせないよ!」

血鎖に能力を使わせない、使う余裕を与えない事で僕はこのまま勝ってみせる。

「制御を外す!能力派生!『重力制御』!」

僕は血鎖の重力を数十倍にはね上げた。そしてそのまま動けない血鎖にトドメを刺すために歩いて近寄る。

「血鎖。君の事は死んでも許すつもりなんてない、僕らに手を出したこと。あの世で悔いるがいい!」

そうして僕はナイフを振り下ろした、、、はずだった。気づけば目の前から血鎖が消えていた。

「まだ、お前には役に立ってもらう。次はないぞ、血鎖」

上空から聞き覚えがある男の声が聞こえた。

「まさかもう1段階目に突入しているとはな。流石は最強と言われるだけはある。前のやつらは呆気なく死んで行ったからな。お前はせいぜい、楽しませてくれよ?」

そう言って男が手を横に振ると空中に無数の氷が生成された。

これは、まずい。僕じゃ防ぎきれない。だからと言ってかなくんへ権限を戻すにも時間が足りない。おそらく途中であの氷に貫かれて終わりだろう。

「絶体絶命ってやつかな」

と己の死を悟った僕は自分を犠牲にして、かなくんを守る選択肢をとる。

「ごめん、かなくん!」

そうして氷が僕を貫く瞬間。何処からかパチンッと音が聞こえてその氷は無くなっていた。

「どうして君がこの世界に干渉しているんだい?」

背後から声がした。振り向くとそこにはまだ10代半ば程の少女が歩いて来ていた。その少女が言った君とは、おそらく空中にいるあの男の事だろう。その少女はすれ違う時、

「少し待ってて、君には話さないと行けない事があるから」

と言って男の方へ歩いた。

「『ノワール』君はこの世界の人間じゃない。今すぐ帰るんだ。これ以上この世界に留まるなら、」

「どうするってんだ?流石のお前も俺という存在に触れることはできない。それは神同士で禁じられているからな。だがそれは俺も同じ。この世界では俺の動きは制限される。過度な干渉をすれば強制的に消されるだろう。だが今俺がしているのは俺を信じて進む奴らを助けている、言わばボランティアだよ。現にこうして干渉していても罰則はくだらない」

ノワールと呼ばれたその男は少女に向かってそう言った。そして続けて

「まぁいい、今回はあくまで様子見程度。あわよくばって感じだったからな。ここは引くとするさ。あぁ、そうだ。お前も干渉するんだったらゲームをしよう。どちらが勝つかのシンプルなゲームだ」

男はゲームを持ちかけるが

「そんなものに乗るとでも?」

少女はそれを断る。

「まぁ聞けよ、ルールは簡単だ。お互いは自分の味方にのみ干渉する事ができ、敵に直接干渉はできない。お互いの最高戦力が負けた時点で勝負は終わり。負けた方がこの世界から去る」

聞けば聞くほど馬鹿げたルールだ。だが、この場でとる手段は恐らくひとつしかない。

「わかったよ、だがルールを違反した場合はそのものが世界を去る。それを追加しよう」

「決まりだ。今回は帰らせてもらう。楽しませて貰った礼だ。教えてやるよ、俺の名前は『如月奏音』。お前が1番知る人物だよ。それじゃあなアイ。それに、楽しみにしてるぜ『ラプラス』さん」

その言葉を残して男は闇に消えていった。

「あいつが、かなくん、?」

脳内を駆け巡る数多の感情、思考だけが僕を支配する。

「落ち着いて。ちゃんと話すから。僕は『ラプラス』、よろしくね」

と差し出された手に僕はよろしくと返してその手を握った。

「それじゃあみんなの元へ行こうか。奏音の相棒を拾ったら、ね!」



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