とある空想上の世界-11
久しぶりの投稿、新キャラ出そうか迷いはした
「能力、黄泉津大神」
そう言って俺は目の前の人物へ右手を向けた。次の瞬間、
「いやぁぁぁ!!腕がっ!」
目の前の人物、俺の姉であるアイは左手を抑えていた。それも甲高い声をあげながら。
「うるさい、こんなものじゃ終わらせない」
右腕、左足、右足を対象として次々に能力を行使する。
「もう、やめ、て」
泣き過ぎて顔がぐしゃぐしゃになったアイを見て最後にしようとアイの心臓に対して能力を使う。
「さようなら、アイ」
アイの心臓が一瞬、ドンと音を立てて止まった。アイは死ぬ直前だと悟ったのか
「あんたの、能力、は」
どうやら分からないらしい。これだけ使われておいて分からないとは。まぁもう死ぬんだし
「教えてあげるよ俺の能力、黄泉津大神は簡単な能力だ。それは選んだ対象を『殺す』能力」
アイの目からは光が無くなり最後に
「化け物、」
とだけ言い残し命を落とした。その後異変に気づいた花園の創設者に拾われた俺は普通の生活をしながらそれとは程遠いことをしていた。
そして現在、あの時に殺したはずの相手がまだ生きていた。国に敵対する組織のトップとして。
「アイ、もうお前と話すことなんてないから、死ね」
能力を発動させた後、アイの身体は膝からどころか体ごと地面に附した。だが、
「ふふふ、いつまでもあの頃のままだと思ってるのかい?」
アイの身体がみるみるうちに治っていく。恐らく奪った能力だろう。
「ちっ、やっぱり持ってるよなそういう能力。でもな、」
今の俺には、
「関係ないんだよ!能力完全顕現!完全絶対強制!」
能力の完全顕現がある。完全顕現をすると俺の能力は選んだ対象とそれを守る全ての者を等しく絶対的に殺すことができる。つまりアイを確実に殺すことが出来るということだ。
「昔から君は変わらないね、目的の為に手段を選ばないとこも、僕のことを死んでも尚恨むとこだって」
どうしてだ、?まて、
「どうしてお前、死なない?」
アブソリュートは強制的にある事象を捻じ曲げる。つまりこの世の9割9分はこの力で殺すことが可能だ。しかし、たった1つの条件下においては使えない事がある。それはもう既に対象が死んでいる、もしくは死が確定していること。つまり、
「お前、自分で自分を」
いや違う。この感覚はもっと別の、能力が発動していない状態に近い感覚だ。だがアイは目の前にいる。となると考えられるのは俺よりも強い力で無効化させる能力を使っているか能力の対象として認識されてないかだ。しかし無効化の能力はそもそもそう簡単に手に入らない。そうすると
「認識阻害、」
そう口にするとアイは
「大正解っ!僕の発動している能力は対象の能力や攻撃から自分を阻害、省く能力!君はどう攻略する?」
最悪だ、なんだそのチート能力は。とりあえず、
「お前はその気味悪い笑みを浮かべんな!気持ちわりぃんだよ!!」
殴りかかった俺の拳をいなして腹部にナイフを突き立てようとする。俺はそれを寸前で止めて後ろへ飛んで距離をとる。
「めんどくせぇな、どうしたものか」
ひとりで考えるが、
「ほらほら!まだまだあるよぉ!!」
アイはどこからかナイフを数十本と投げてくる。
「くそ、近付けねぇ。多少の負傷は覚悟するしかない、か」
俺はナイフを避けながらアイに近づく。流石に本数が多すぎて全部は避けられないが近づく為にはいくつかは受けないとダメだろう。飛んでくるナイフひとつひとつの軌道を読み、負傷しても致命傷として残らないものを選び、それを受けながら前に走る。その時、右側から複数の視線を受けていることに気が付き、そちらを見ると、おしゅーと琉莉達がいた。なぜその横にうるふがいるかは分からないが
「おしゅー!刀貸せ!」
おしゅーは刀を投げて渡してきた。
「奏音さん!そいつは!他人の能力を奪えます!それにそれを与えることもできる!」
なるほど、なぜここまでの組織が最近まで隠れきっていたのか謎だったがやっと解けた。
「この組織は、お前の能力で力を与えられた奴らの集まりってわけか。この社会に不満のあるヤツらを募って能力をあたえる。そうしてこの組織はでかくなったと」
「そうだね、大方君の言った通りだよ。ただ、少しだけ訂正すると。この組織にいるのは社会に不満のある者達じゃなく、世界そのものに不満がある者たちさ!」
おしゅーから借りた刀でほとんどのナイフを弾き、遂にアイの前まで到達した俺は
「終わりだ。この距離ならお前の攻撃よりも俺の方が先に動ける。お前のその認識阻害の能力は能力にだけ作用するんだろ?それに、そろそろ俺の方も時間なんだ」
そう、そろそろ俺の能力が時間切れで切れてしまう。せいぜいあと10分ってとこか。
「君のことはもちろん調べてるよ。その不憫な能力の事も」
まずいな、このまま時間を稼がれるのは美味しくなさすぎる。ここで俺が取るべき判断は2択。能力を全て使って逃げるか、10分でアイを攻略するか。まぁどちらも難しいだろう。
「ま、そんなもん考え無くても答えは出てるんだけどな」
俺は刀をしまいナイフへと持ち変える。
「良いのかい?逃げなくて」
アイが煽ってくるが、知ったことじゃない。どの道無理なんだったら少しでも可能性のある方を選ぶのがいいだろう。だから俺はこいつをここで仕留めることに賭けた。
10秒ほど、時が止まったように両者は動きを止め、同時に動いた。
「時間がねぇんだ!さっさとくたばれ!」
俺は距離を取り、ナイフに全ての力を注ぐ。
「それを受けきれたら僕の勝ちみたいだね?」
ほざけ、この攻撃はさっきまでとは違う。これは全てのものを、能力ですら殺してしまう程の密度を持った力。それをナイフに込める。
「お前との因縁も、ここで断ち切らせてもらう!」
「無理だよ、君はもう僕には勝てない」
そんな事を言うアイに俺は全力で突撃した、
はずだった。
「っっ!?」
ナイフに込めていた力が突然消え去った。あまりの衝撃に足を止めてしまった俺は目の前から走ってくるアイに気づかず反応が遅れてしまった。だが、アイとの距離は30メートル程空いている。この距離ならギリギリ受けられる。
「この距離なら大丈夫だと思ったでしょ?」
アイがクスッと笑う。途端に悪寒が全身を駆け巡った。
「これを想定してない君の負け」
30メートル程あった距離は一瞬で無くなり気づいた時には腹部に数回。ナイフを刺されていた。
「これはねあそこにいる剣士くんなら分かると思うよ。『電光石火』、能力さ」
最悪だ、最後まで全部読まれていた。
「君は、この距離なら警戒して来ないと思ったよ。君は強すぎる。だからこそ、想定外に弱いんだ。油断した君の負けだよ」
「くそ、俺、は、必ずお前を、」
俺はその場に崩れ落ちた。地にひれ伏して、歩き去ろうとするアイを、掠れゆく視界に薄らと捉えながら、燃えるように熱い腹部の痛みを感じながら意識を失う。そうして暗闇へと落ちる直前、
『少し、借りるね。かなくん』
と懐かしい声が聞こえた。だがそれが誰の声なのか分からないまま、少し深い眠りにつく。
「ねぇ、待ってよ」
僕は驚いた。さきほど確実に致命傷を負わせて動けないはずの彼がそこにいた。
「君は、誰だい?」
姿は先程と少し変わって、髪が伸び、白かった髪は黒髪へと変わっていた。明らかに雰囲気から違う彼に、
「君が誰かは知らないけど、その姿では能力を使えないんでしょ?このまま帰ろうと思ったけど、気が変わったよ。組織はもう終わりだし、せめてもの成果として、君をここで殺す事にしよう」
「そう?じゃあやってみるといい。僕はかな君みたく甘くはないよ?それに、偽物に負ける訳には行かないからね」
「驚いた。偽物だって?僕はその事を誰にも話していないはずだけど、どうして分かったんだい?」
彼、いや今は彼女だろうか、彼女は口に人差し指を当て、
「内緒だよ。知りたければ、僕を倒すしかないよ?」
と煽るように言った。僕は
「じゃあ今すぐ殺してあげる。今、僕は能力を使えて、君はその姿の時には一般人となんら変わらない身体能力しか持っていない。僕が君を殺せない道理がないよ」
そう言ってから僕は歩き出そうとしたのだが、
「なっ!?」
その足はその場から動かなかった。
「どう?僕のとっておきは。君は僕が倒れるか許可するまでそこから1歩たりとも動けない。僕がそう思うだけで君は動けなくなるんだ。面白いでしょ?本当なら死ねとか思った瞬間殺れるんだけど僕には直接的には使えないみたいだし」
と彼女は淡々と話し始める。
「どうして能力を使える!その姿は!」
使えないはずだ。彼の、彼女の能力でたった一つの弱点のはず。なぜ能力を使えるのか、そしてなにより
「君は、誰なんだい」
僕が問うと、彼女は
「そうだなぁ、強いて言うなら僕は。かな君の保護者、かな?」
理解が追いつかない。だがさっきまでの彼と、今の彼女は全くの別物。それだけは確かだ。
「あ、そろそろ時間切れみたいだね。あと確認なんだけどさ、君が投げ続けたナイフ、アレに時間感覚を鈍らせる特別調合の薬、塗ってたでしょ?」
「それが、どうかしたの?」
そこまで見抜かれているとは思ってなかった。塗っていた薬は闇市の頂点に立つと言われる王、「皇海亡」の調合品だ。噂によると想像した通りの神薬を創り出せるらしいがその姿を見たものはいないという。
「もう少し話したかったけど、迎えが来たみたいでね」
彼女は空を見上げながら、
「いつかまた近いうちに、かな君が君を殺しに行くから楽しみにしててね」
そう言うと空から一筋の雷が目の前に降ってくる。
「大丈夫か?緊急事態って事で飛んできたけど」
その雷が落ちた所には黒髪に青の目を持つ男が立っていた。
「大丈夫だよ、僕より先に彼らをお願い。僕は自力で戻るよ」
彼女は男に指示を出し僕の元へと歩いてくる。
「またね、偽物さん」
その言葉だけを残して、僕に背を向けて歩き出す。逃がす訳にはいかない。僕は
「全員!死に物狂いでそいつらを止めろ!」
と無理やり指示を出し実行させる。
「お久しぶりです、雷葉さん」
「元気そうだな、朱雨夜。これ、お前の刀だろ?」
「ありがとうございます」
男と、近くで見ていた少年がその場にいた奏音の仲間を背にし、
「朱雨夜。腕、鈍ってないだろうな?」
「雷葉さんこそ、パソコンポチポチし過ぎて鈍ったりしてないですよね?」
「舐めんなよ?これでも鍛えてんだよ」
「それはこっちだって同じっすよ。じゃあ、どれだけやれるか久々に競走といきますか」
「しょうがねぇ、ガキの遊びに付き合ってやるよ」
「「いくぞ!!」」
信じられなかった。僕が無理やり動かしたのは数百人。だがその数をたったの二人で片付けてしまいそうだ。
少年は緋色のオーラを刀に纏わせ、見た事のない剣技で次々と倒していく。
一方で男は全身に雷を纏い、雷を放出したり、肉眼では絶対に捉えられない速さで移動する身体能力まであった。
あっという間に数百人の軍勢は残さずひれ伏し、
「やべ、途中から数えるのめんどくさくて忘れちまったじゃねぇか」
「じゃあ俺の勝ちっすね雷葉さん」
「お前いくつ倒した?」
「えーっと、、、90超えた辺りから数えてないっす」
「お前もじゃねぇか」
とまるで何事も無かったかのように話している2人。やがて2人が僕の元へ歩いてきて、
「お前か?うちの奏音が世話になったのは」
「ダメっすよ雷葉さんこいつは奏音さんが仕留めるんで手出したら」
と目の前で話し始めた。少し経ったあと、
「じゃあ、戻るか。おしゅーはうるふと零と嬢ちゃん持って肩に掴まれ。光速で動くから手離したら死ぬし、気をつけろよ」
「あ、はい」
完全に無視されていた。未だに動けない体に苛立ちを覚えながら
「君達は確かに強い。だが僕に勝つには全てを、己の命をも無くす覚悟がないと無理だよ」
その言葉を彼らがどう受け取ったのかは分からない。そのまま彼らはその場から去っていき、
「君には奏音と戦ってもらわなきゃならない。死なないでね?奏音が悲しむから」
と言い残し、女も消えた。姿が見えなくなって十数分してから身体が言うことを聞くようになった。
「あのくそ女共、絶対に殺す」
と拳を握りしめ、僕は新たな反社勢力を探しに行く。
「着いたぞ」
俺、緋剣朱雨夜は目の前の男の人、雷葉さんの肩から手を離し、背負っていた連中を下ろす。
「ここは、?」
と見覚えのない場所をみて雷葉さんに尋ねる。
「ここは俺の今の仕事施設、まぁ隠れ家みたいなもんだ。中入ってけよ」
との事なので遠慮なく入らせてもらう事にした。中は機械が多く、ボタンがたくさんあった。これだけボタンがあると押したくなる。しれっと押そうとしたら止められた。押したらダメみたいだ。そんなこんなで機械だらけの道を歩き続け、辿り着いた場所は
「広いっすね」
「広いなぁ」
「凄い、」
「なにここ」
とあまりの広さに感嘆の声が漏れる。
壁は翡翠色の水晶ガラスに覆われ、テーブルやモニター、大きめのキッチンやベッドまで置いてある。
「まぁ座ってくれ、まずは疲れた体を休ませることからだ」
とソファーを案内してくれた。全員が席に着いてから1拍、
「初めましてが2人か、俺は元花園情報部最高司令官の湊斗雷葉だ。雷葉だの先輩だの適当に呼んでくれ。能力はさっき見せたが雷、電気を操れる。全身に雷を纏わせ身体強化や電撃を放ったり、電波で通信を妨害したりできる」
と自己紹介をした雷葉さんを含め、零は雷葉さんと時期が被ってないとはいえ元花園が5人も集まっている。おまけで警察が1人いるがまぁ気にしない事にしよう。そんなこんなで互いの情報を共有、これからの対策を立てようと雷葉さんから提案があった。もちろん了承して、俺たちは元花園戦闘要員会議を始めた。
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