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Alice in Re.selection  作者: 名も無き小説家メア
2部 とある空想上の世界
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とある空想上の世界-9

それから数日がたったある日、舞冬の家を掃除していると、

「おっと、電話か」

もかから受け取ったスマホがけたたましい音を立てた。

「もしもし?俺です」

「今なにかしてた?」

「いや特に」

まぁ、してるはしてるが、まぁ大丈夫だろ。

「依頼なんだけど、今日の夜19時から琉莉と任務に向かって欲しいんだ。詳細は琉莉の方から伝えさせるから」

そう言って落ち合う場所を伝えられ 電話を切る。決行は19時、それまでゆっくり寝るとするか。


そして、

「もう来たんだ。30分も前なのに随分と早いんだね」

と琉莉から声をかけられ、軽く挨拶をする。

「おっす、まぁ時間は有意義に使いたいんでな。ちょうど暇してたから先に来てみたんだが、お前の方が早かったみたいだな」

と言って俺はポケットからチョコバーを取り出して、

「食うか?事前の準備だよ」

「いらない、」

なんだ要らねぇのか

「腹が減ってはなんとやらだろ?いいから食っとけって!」

と無理やりその手に渡す。すっげぇ睨まれたが食べはしたし少しは仲良くなれたんだろうか?俺としてはここらで軽く仲良くなっておきたいんだが、戦闘においての絆というのは何を産むのか分からない。しかしそのほとんどはプラスに働くため絆を深めることは重要と言えるだろう。

「っと、電話みたいだ」

そんな事を考えていると電話が鳴った。もかから貰った方ではないため誰かと思ったが、

「おしゅーか?どうだ見つかったか?」

おしゅーには元花園、ゼロを探してもらっている。

『見つかりました、と言うかすぐに見つかってはいたんですけど説得に時間がかかってしまい、多少時間をかけてしまいました』

いやこれで時間かかったとかこいつどんな教育受けてんだよ、

「上出来だおしゅー。今から仕事に向かうんだがちと相手がキツくてな、一緒来てくれると助かるんだが」

『もちろんです!』

との事なので30分後に街中で会うことにした。

「誰から?」

琉莉が聞いてきたので

「昔からの知り合いだ。今回手伝ってくれるらしいから会いに行こうぜ」

まぁ、気になるか。そりゃあまぁ得体の知れない俺の知り合いなんだから、おしゅーのこと琉莉になんて説明しようか。

そんな事を考えていると、

「ここだな」

「ここ?ほんとに来るの?その人」

なんだこいつ?俺の知り合いはバックレ上手とでも思っているのか?

「隊長ー、こっちでーす」

と短い緋色の髪の少年はこちらへ手を振り走ってくる。

「来たか」

そしてその後ろには、

「久しぶりだな、零」

「お久しぶりです隊長」

白と黒の髪色を持ち深淵を覗くようなその深い赤色の瞳は見ただけで呑まれそうだ。そんな彼女は元花園の一員。今回は2人にも手伝ってもらう。

「着いて早速で悪いんだが、任務内容を伝えるぞ」

そうして任務内容を話した後、俺たちは出発した。ちなみに任務内容は最近でかくなってきた能力者が中心となってできた組織を潰すことだ。今はちょうど警察も動かせる数が無かったらしく俺が呼ばれた。それとは別に、お試しって感じもあるのだろう。

「敵組織はこの山の上にある廃墟を拠点にしている。そこには4つの門があるが今回こっちは4人だ。戦力は数で見れば不利だが、個々の実力は決して劣るものじゃない。各門ひとりずつ10分後に攻める。いいな?」

説明を聞き3人は頷いた。

「それじゃあ、廃墟の中でまた会おう」

そう言って散り散りになる。



10分後、俺、緋剣朱雨夜はどデカい門の前にたって合図を待つ。

「さて、どうしようか」

と俺は顎に手を置き少し考えてから

「そこのお前、出てこいよ。さっきから後ろつけてきてるお前だよ」

と後ろを向く。

「やれやれ、ここまで気配に敏感だとは思わなかったでござる」

羽織を着た男が現れたのだが、今ござるって言った?今?このご時世に?ござるだって?

「やべぇ笑い死ぬw」

「なにがおかしいのだ?」

「いや、お前流石にw今の時代でそれはないだろ」

腹痛てぇw

こいつ戦えんのか?

「おいwいいから早くw」

そう言って俺は笑いすぎて死にそうになりながらプルプル震える手で刀を抜く。

「よく分からんでござるが、小生なにぶん頭が弱くてな。刀で語り合うしかないのだ」

そいつが引き抜いた刀は刀身が白く、それは綺麗な刀だった。

「なぁ、その刀。名前はあるのか?」

この世界には名刀や妖刀なんて存在しない。

あいつのように刀を使う者は自分の刀に名前を付けたがる。いつか有名になった時、この世に初めての名刀を誕生させたいらしい。同じ刀を使う者として俺は少なくともそいつらを尊敬している。

一途と、そう言い張るのは簡単だ。だが刀というこれ程扱いが難しく、魅力的ではあるがこの時代には銃などの化学兵器がある。その環境下で刀を選択したという心に俺は敬意をはらいたい。故に俺は、

「剣士同士の戦いなんだ。名乗るのが筋ってもんだろ?俺は緋剣朱雨夜。独自の流派だ」

俺の名乗りを見て驚いたそいつは

「なんと、貴殿のような良き心を持った侍を小生は初めて見たぞ。その行為に答えねばな。小生の名前は五月雨諸刃(さみだれもろは)、流派は独学のため特にないでござる」

名乗り返した。先程まではござるのせいで分からなかったがこいつ、

「強いな、お前」

「お前では無い。諸刃と、そう呼んでくれ」

俺たちは構える。そして一時の沈黙の末、

「参るっ!!」

諸刃が斬りかかってくる。それに対して俺は緋月の構えをとり、

「緋剣流抜刀術『緋月』」

そうして刀を抜いたのだが、

「抜かせんっ!」

構えを取った瞬間に諸刃のスピードが格段に上がった。

「っっ!?」

俺は驚愕した。諸刃はその勢いのまま俺が刀を抜く前に鍔を足で押して体制を崩される。そのまま鍔を土台に空中でバク宙をする。

「っぶな!」

バク宙で戻る際に下から来る一振。それをなんとか防いだ。

「クソ、諸刃、お前。さっきのスピード、能力か?」

「いかにも、小生の能力は『電光石火』。一瞬のスピードを3倍へと変えるものでござる」

シンプルかつ、強い。確かに一瞬。だが戦いにおいてその一瞬は充分なアドバンテージとなる。

「それに、諸刃お前手抜いてるだろ」

「それは貴殿も同じこと」

バレてるのか。だが、素の実力では悔しいが勝つことができない。

「緋剣流斬撃『紅影月・疾(べにかげつ・はやて)』!」

紅影月・疾は緋剣流の斬撃技。一瞬その場に幻影を残し、背後をとる技。俺は諸刃の背後をとった。そのまま

「繋ぎ、『紅時雨』」

紅時雨は攻撃としても利用できる。本来防衛向きのこの技は視界ではなく全ての感覚によりほとんど自動で身体を動かせる。しかしそれを感覚ではなく意思で、相手を定めることで防衛に向けられるその刃は敵を穿つ。

「貫けっ!!」

衝撃により、周りの木々は次々に倒れていく。だが今はそんなことよりもだ、

「諸刃お前、その刀」

俺の攻撃を全て受けきった諸刃の手には、先程とは少し違う刀が握られていた。

「この刀は、小生の2つ目の能力。『最後の耀(ラスト・エンジェル)』先程までは仮の姿。今は完全顕現により全ての身体能力を2倍へ変えるのでござる」

「おいおい、そんなのありかよ」

まさか能力が2つあるとは誰も予想できなかっただろう。というより存在していることがありえないのだ。本来は能力を1つ持っているだけでも優遇される。それにこれまでの長い時の中で能力の効果とは別で能力を複数持っている人間はいなかった。

「どういう仕組みだ?」

俺は聞いたが諸刃は答えない。

「あぶねっ!」

それどころか追撃を入れてくる。完全顕現に至った諸刃は先程まで捉えられた攻撃を見えなくするほど速かった。さすがにまずいと思い、俺は緋剣流の秘技とも呼べる技を使う。

「開眼!『真紅の瞳(レッド・アイ)』」

右目にこの力を宿すことで全ての能力を数倍にまで底上げするが、使用時間後に全ての技が使えないという最悪の効果付きだ。しかし、これを使わないと勝てないほど諸刃は強い。

「こりゃまずいな」




いつからだろうか、あの人を目標に刀を振り始めたのは。緋剣流と教えてもらった技に名前をつけてもらい、極めようとしたのは。確かに極まったが、あの人が言った言葉はもっと深かった。


そう、3年前のあの日、

『能力の解釈を広げろ。お前の能力は自由がきく。お前がハッキリとしたイメージを持った時能力は覚醒する』

奏さんは花園の任務で俺が修行をしていた森にたまたま寄った。そこで少し手合わせをしたのだが、コテンパンにされてしまった。

『お前の能力は強い。間違いなくトップクラスだ、使いこなせたらだけどな』

今まで戦ったことの無い強敵。奏さんはそんな俺に刀の使い方を教えてくれた。間合いの取り方、返しや流しなど。そしてその中に奏さんの流派があった。奏さんは俺にその流派を託してくれた。

『お前は見込みがある。この流派を完全にマスターしてもっと強くなれ、そして花園へ来い。いつでも歓迎する』

なぜそこまでしてくれるのか不思議だった。だがそんなものよりも気になってしまったのだ。俺がどこまで強くなれるのか、この人に届くのかを試してみたくなった。

『あ、そーだそれと』

奏さんは去り際に

『お前の能力、まだ強くなれるぞ』

とその後も少し助言をくれた。

「俺はまだ、強くなれるのか」

空へ手を伸ばし、見えない何かをこの手に掴んだ。



諸刃との戦いは激しさを増していた。互いに削り合い、傷つき、そして何より楽しんでいた。

「そろそろ、終わりにしようか」

「そうでござるな」

お互い満身創痍ってやつだろう。

「貴殿、その剣技。素晴らしさに敬意を表し、全力をぶつける」

その刀は突如とてつもないエネルギーを吸収しはじめた。

「あぁ、俺も楽しかった。そして終わらせよう」

俺は持っていた刀を投げ捨てる。

「お前との戦いで、俺はまた強くなれた」

何も持っていない右手を右へと伸ばし、

「能力反転『雪桜(ゆきざくら)十文字(じゅうもんじ)・紅蓮(・ぐれん)』」

虚空から能力によって創り出したその刀を手に取る。

その刀は透き通った水色の等身に桜の紋様が紅で描かれている。そしてなにより、

「手に馴染む」

この刀なら、俺はもっと強くなれる。今この瞬間、今までで最高の一撃を生み出せると、そう確信した。

「これが今俺が出せる最高の技だ!」

そうして構える。

「「いくぞ!」」

集中しろ、この技、この力で

「俺は!勝つ!!『罰花乱覇桜(ばっかみだれはざくら)』!!」

2人の刀と刀の衝突によりおこる風圧は凄まじく、辺りは更地へと変貌していた。やがて砂埃が去り、視界が明るくなる。

「天晴、で、ござる」

その場に膝をつき、そう言った。

「諸刃、お前も強かったよ。この力を解放できなかったら負けたのは俺だった」

「そう、か。、、、貴殿は、いや、緋剣殿はこの先に行くのか?」

「あぁ、この先で合流を約束したんでな」

と何故聞いてきたのか分からず考えていると

「あのおなご、アイには気をつけよ。小生の能力、電光石火はやつから渡された能力なんでござる」

いま、渡されたって言ったか?

「おい!どういうことだ!」

「あやつの、能力は、、、」

と言いかけて諸刃は命を落とした。どうなってるんだ?能力を渡されたってことは元はそのアイってのが持ってた事になる。

「あー!もう知らん!奏さんに聞くか」

と考えるのをやめて俺は合流地点へと足を運ぶことにした。




私、桜兎無零は合流地点へゆっくり歩きながら退屈していた。

「しねぇっ!」

そう言って私の首を掻き切る敵。でも

「そんなのじゃ私は死なないよ?それどころか」

私の体は瞬時に戻り、その瞬間に先程攻撃してきた敵の首に亀裂が入り、首が落ちた。

「貴方がしぬのよ」

私の能力は受けたダメージを倍以上にして敵へ返す能力。

「さぁ、宴を始めましょうか。虐殺という名の、血塗られた宴を!」

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