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Alice in Re.selection  作者: 名も無き小説家メア
1部 Charlotte
2/21

Charlotte Ⅱ|その侵入者、最悪につき

ギラギラと照らす太陽、蝉の声が鳴り響き、清々しい気分まで覚える、こんな状況じゃなければ。舞う、土煙、やがてそれが晴れる頃、俺はその場に立っている男へと視線を向ける。

「もっと楽しませてくれよ?」

不敵な笑みを浮かべて言うそいつに、

「誰が戦うかよ、クソ野郎」と言い放つのだった。


――数10分前

 『侵入者です!皆さん生存することを第1に考え、逃げてください!』

少し音割れしたアナウンスが聞こえる。

「おい!お前達何処へ行くんだ!」

と引き止める声も聞こえる。

俺たちは、轟音が鳴り響いた所へと全員で向かっていた。

「おい!お前ら!何のつもりだ!そっちは!」

と3人を引き止めようとする。

「奏音、君は逃げて。あとは僕たちが何とかするから」

と天才様の言葉に、

「お前らアナウンス聞いたか? 耳ついてる? 大丈夫!? 嫌なんだけど? 俺行かないからね?」

「お兄ちゃんは危ないから逃げて」

「お前は足でまといだから逃げろ、邪魔だ」

と酷いことを言われて、

「お前ら、人の心ないんか? 傷つくぞ? 泣くよ?」

「泣けよめんどくせぇ、邪魔だから逃げてろ」

確かにそいつらの言うことは一理ある。俺がいても足でまといにしかならないだろう。なら俺が出来ることは1つ、

「お前ら、必ず生きて帰れよ。危ない時はすぐに帰ってこい。約束だ」

そう言い残し、俺は華麗な回れ右をして、3人を置いて逃げる。



奏音と別れた俺たちはその場所に辿り着く。その場所は地獄へと化していた。その場に倒れ込む生徒達、恐らく巻き込まれた奴らだろう。

「なにを、してるの? なんでこんな事するの?」

と雨音さんが問う。

「戦いを楽しんでいるのさ」

「戦いを、たの、しむ? 何を、言ってるの」

だんだんと怒りをあらわにする雨音さんの手に氷の剣が握られる。

それに続く形でもかさんも構える。

相手の男も戦闘態勢に入り、ほとんど同じタイミングで3人が激突する。あまりにも激しい戦闘に、入る隙が無く、俺はその場に立ち尽くす。

激しい土煙が舞い、やがてそれが晴れる頃、俺はその場に立っている男へと視線を向ける。

「もっと楽しませてくれよ?」

不敵な笑みを浮かべて言うそいつに、

「誰が戦うかよ、クソ野郎」と言い放つのだった。

学園トップの2人を倒す腕前、只者じゃないのは確かだ。

「おい、お前は俺を楽しませてくれないのか?」

「お前人の話聞いてたか? 嫌だって言ったろ?」

俺は男の足元に倒れている2人を確認して、

「クソが、」

そう言って足元に落ちていたナイフを手に取る。

「お前、さっきはわざと入らなかったな?」

「さぁ、どうだろうな」

そして次の瞬間、俺は1歩でそいつとの距離を詰める。右手に持つナイフを左下へと振り下ろす、避けられたため右手で相手の身体を掴みにかかるが身体を捻って回避される。

「お前最高だな! もっとだ!もっと楽しませてくれ!」

なんだこの戦闘狂は、面倒くさすぎるだろ!相手はすぐさまストレート、逆からもアクロバットに近い動きで攻撃を仕掛けてくる。まずいと思い、一度距離をとる。

「変な攻撃ばっかしやがってよ、真正面から来れねぇのか?」

そいつはふっと笑みを浮かべたあと、

「『能力|死神の毒鎌(デスサイス)』」

とそう唱えた。男は自分の影へと手を伸ばし、次の瞬間手元に大鎌が生成されていく。禍々しいオーラを纏うその鎌は、当たるだけでもまずいとわかる。

「これをどうかわす? 当たれば即死、お前にこれがかわせるか!?」

鎌を投擲してきた男に俺は真正面から突っ込む。

「お前、戦いを捨てたか!」

「ばーか、捨ててねぇよ。『能力|無能力(アンチスキル)』」

そう、言い放つと目の前にあったはずの大鎌は跡形もなく消え去った。

「なっ!」

驚き、一瞬反応が遅れたそいつに俺は蹴りをお見舞いする。

「俺は相手の能力を無効化する能力だ。だから俺は戦う気が無かったんだよ」

じゃあな、とそう言い残して2人を担ぎ、その場を去ろうとした、が振り返った時、俺の前に、その男が立ち、正面からまともに一発くらい、担いでいた2人もろとも吹っ飛んでしまった。

「くっそ、2、3本持ってかれたか、いっつ!」

腹を抑えて痛みを耐える。だが、結構深くいっちまったようで、立ち上がる事ができない。

「さっきは焦ったよ。まさかとんでもない能力を持っていたなんてね。でも、君は相手に背を向けた。ダメじゃないか、敵に背を向けたら」

そんなことを言いながらこっちへと歩いてくる男を睨みつけ、終わりを覚悟した。

その時、

「おいおい、どういう状況だこれは。約束しただろ? 危なくなったら帰って来るってよ。ったく、相変わらず仲のよろしいことで」

聞こえるはずのないその声に

「何しに戻ってきた! 奏音!」

と叫んだ。

「ばーか約束したはずだ、お前らは必ず守ると」

「まだ誰かいるなんてね」

そう男は嬉しそうに言葉をこぼし、両者共に同じ言葉をはく。

「「さぁ、2ラウンド目といこう」」

と、


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