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Alice in Re.selection  作者: 名も無き小説家メア
2部 とある空想上の世界
19/22

とある空想上の世界-7

更新忘れすぎてごめんなさい

 「それじゃあ」

 僕は、座って彼女に視線を飛ばす。

 「他になにか聞きたいことでも?」

 「聞きたいことは山ほどあるよ。まず、君は遠月瑠菜さんでいいのかな」

 「ええ」

 「君が行方不明になったということで僕たち警察は動いていた。けど、君はその少年に助けられた、と」

 「そうですよ。私たちはあの少年に救われました。貴方達警察よりも早く」

 「なんか、妙な言い方をするんだね。僕たち警察も君を救い出すために動いていた。それに対して嫌味を言うのは流石に納得いかないんだけど」

 「そんな事言ったって、救えてないじゃないですか。実際私たちを救ったのはあの少年。貴方たち警察はいつまで経っても助けに来てくれなかった。それが結論であり、事実です。反論はできないはずですよ。その通りなんですから」

 「それは・・・・・・そうだけど」

 反論をしたかった。だけど、ここで僕が向きになって反論をしても意味無いことなんてわかってた。だから僕は反論をしないよう、口を結んで

 「今回は、助けられなくてごめんなさい。今回は僕たち警察の力不足だった。君たちからしたら1歩間違えると死んでたかもしれないんだからね。言い訳をしようとしてごめんね。良ければ忘れてくれないかな?」

「へぇ」

「なに?」

「意外と冷静なんだなと思って。少し関心してただけですよ」

「・・・・・・そりゃ、どうも」

「それにしても、さっき私たちって言ってたけど、貴方だけが誘拐されてたってわけじゃないの?」

「えぇ、まぁそうですね。私以外にも10人ほど誘拐された少女たちがいました」

「10、人?僕が捜索してたのに10人も拉致されてたの、?」

「まぁ無理ないと思いますよ。なんせ相手の中には空間系の能力者がいたので」

「そう、なんだね。でも尚更どうやって彼は助けたの」

「それは、秘密です。彼との約束なので言えません。ですが1つ言えるとすれば彼は、能力だけでなく肉体もメンタルも完成されてるんです」

「最強の能力者であり最強の人間」

「彼は目立ちたくないみたいですし彼には助けられた恩があります。なので彼に干渉するのは辞めてあげてください」

「それは無理だね、能力者は犯罪者予備軍みたいなものだし。もちろん彼は今のところ悪いことしてないから捕まえたりはしないよ?」

「じゃあどうするんですか?」

「そうだね、彼は最近有名人だしなにより強い。ただ、僕たちとしても」

「彼を警察に入れたい、と?」

「そう。監視も兼ねてね」

「あの、何度も言いますが彼は干渉されることを嫌っています。これは助けられた私のお願いでもありますしこれ以上彼を探らないでください」

「僕たち警察は犯罪者予備軍の能力者、ましてや彼みたいな危険な能力者を野放しにはできない」

「そうですか」

そう言って私は席を立ち帰ろうとする。

「待って! まだ話を」

「嫌です、これ以上話すことなんてありませんし」

それに、と続けて言葉を放つ

「彼が警察を嫌う訳が何となくわかりました」

最後にその少年を軽く見て帰路に着いた。




家に着いた俺は1人テレビを見ていた。

「はぁ、まだやってんのかよ」

と同じニュースしか流れないテレビについため息をはく。

「それにしても、なんでお前がここにいるんだ?」

と俺の前のソファーでくつろぐそいつを見て

「なんでって言われても?たまたま帰り道にこの近くを歩いてたら、たまたま君の心の声が聞こえて?たまたま家のインターホン鳴らしたら貴方がいただけよ」

それはたまたまとは言わないだろ、と思いつつ

「それで、警察は大丈夫だったのか?」

「まぁそれなりにね。というか貴方警察に勧誘されるみたいよ」

「げっ!勘弁してくれよ俺は絶対に警察なんて入らないからな」

これは結構マジで入りたくない。なんでって?そのうち分かるだろ

「それに、貴方が警察を嫌う理由がわかった気がするわ」

「お前はあいつに何されたんだよ、あと俺が警察を嫌ってるのはほんとだが別にあいつら個人って訳じゃないぞ」

「その割にはあの警察のこと毛嫌いしてたみたいじゃない」

「それはまぁなんとなくだ」

と話し込んでいると

「もう12時か。おい早く帰れ」

「なんでよ」

「なんでって言われてもな。遅いし、疲れたし、眠いし」

「凄いわね貴方。この時間に女の子を、それもこんなに可愛い女の子を一人で帰らせるなんて」

「はいはい、言ってろ」

「貴方モテないでしょ」

「うるせっ」



「あいつの相手疲れるんだよな」

結局家まで送って行くことになったのだが

「あいつの家こんな近かったのかよ」

俺の家から15分ほど歩いたところにあった家は見るからにいいとこって感じの家だった。まぁ今後会うことないだろうし関係ないが。

「俺も、帰るか」

そうして帰り道を辿り家が見えてきた頃。

「君は、」

と隣の道から出てきた女の子から声をかけられる。

「なんですかそんなにマジマジとみられたら恥ずかしいんですけど」

「いや、君は僕を救ってくれた人」

「違います気の所為です人違いだと思います」

「気のせいなんかじゃないよ!?だって君はあの時、僕を、いや僕たちを助けてくれたんだから」

たちってことは集団で助けたって事だよな、俺が集団で助けた?・・・・・・待てよ、そういや今日も、

「もしかして今日の、?」

「うん!よかった会えて。お礼言わないとって探してたんだ」

「探してたのか」

「でも僕の能力を信じて探してたらまさか当日に見つかるなんて、よかったぁ」

「能力?じゃあ君は今日僕を探して、そんで僕に会えたと」

「うん」

「ということは探知系なのか?」

「あ、えっとお母さんにあまり人には教えるなと言われたんだけど、君なら大丈夫だよね。助けてくれたし」

「なんでそんなにも信頼を寄せられてるのか分からないけどまぁ言うつもりはないね」

「それじゃあ言わせてもらうけど、僕の能力は『奇跡』を起こす能力なんだよ」

「は?」

「君と会えるって奇跡を願ったらその日に会えた」

なるほど、これは色々と

「ヤバい能力だな」

つまりこいつの能力ひとつで世界を終わらせる事だってできるのだ。幸いにも能力はまだ自分で意識的に使えないってところは大丈夫そうだな。だが裏を返せば無意識に使っちまう事もあるってことか。冷静に考えるとヤバい能力だな。

「しかし、君は警察じゃないのかい?」

「まぁそうだな」

「なんで?」

「なんでって言われてもな、」

なんだ凄い会話がしずらい。

「とりあえずだ、君はその能力をあまり使わない方がいい」

「どうして?」

「どう考えてもヤバい能力だからだよ!?」

「僕からすれば君の能力の方がヤバい気がするけどね。だって他の能力者を圧倒する能力だし。まぁなんの能力かは分からないけど」

「俺の能力の方がヤバい、か。まぁそういう事にしとくよ。それより、もうこんな時間なんだ早く帰って休むことを進める」

「うん!そうしよっかな。今日は会えてよかった!その、また会ってくれるかな?」

「会わねぇよ、会っても意味ねぇし」

「じゃあまた次会えるの期待しとくね。それじゃ、助けてくれてありがと」

そう言い残して彼女はその場から姿を消した。

「なんだろうな、また会う気がするな」

と俺は一人で呟いた。まぁそうだろう、あっちが能力を使えば俺と会うなんて他愛もないだろう。

「とりあえず、俺も帰るか」

帰って、引っ越すかどうかってのも決めたいしなぁ。

色々考えてるうちに到着した。

「ほんとに今日は災難だったな」

と布団に潜り込み意識を暗闇へと落とすのだった。




「まさか、君の方から来るとはねぇ」

「まぁ色々あってですね」

俺はあれから数日後、しっかり女の子になって警察の元へと出向いていた。

「いつか会うとは思ってたけど、君から来ることは予想してなかったよ。・・・・・・それで?要件は?」

「少し言っておきたいことがあってですね」

「言っておきたいこと?まぁいいけどさ、君ってよく分からないから身構えちゃうんだよね」

「そんな、酷いですよ、、、」

「思ってもないくせに、それもそうでしょだって君謎すぎるんだもん」

「確かに僕はかなりの謎を持っています。けど今回、その謎を少しだけ明かそうと思ってここに来てるんです。この情報は少なくとも警察からしたら悪くない話だと思うんですが、聞きます?」

「まぁ聞くだけなら構わないよ。ただ、君の望んでる結末になるかは分からないけどね」

「じゃ遠慮なく」

『コホン』と一度少し可愛めの咳払いを『わざと』してから話し始める。

「僕は、現在世界で名前を轟かせている最強の能力者の知り合いです。その彼についてお話があるのですがどうでしょうか」

「へっ?」

俺のその発言に少年は目を丸くした。ちなみに俺がこんなことを言ってるのにはちゃんとわけがある。

警察にこの事を言おうとしたのは、そう昨日決まったのだ。

・・・・・・あの場所で。



「引っ越しなさい」

「お前もやっぱりそう思うか?」

俺は舞冬の家に来ていた。舞冬は俺をジト目でみながら

「ほんとにアンタなにやってんのよ」

そりゃそうだ、よく分からん女に家バレたんだから。だが、

「でもさ、引っ越しする金もないんだからどうしようもないだろ?」

「だったらもうプライドを捨てて警察で働くしかないじゃない」

「それだけはマジでしんどい無理!」

「考えてみなさいよ。もし、だけどこれからその女の子にストーカーされるのと警察で金を稼いでその後平凡な生活を送るの。どっちがいいの?」

「強いて言うなら、どっちも嫌だな」

「そんな選択肢はないわよ?」

「嘘、だろ、」

終わった、とその時。

「アンタどうせ男の姿で警察行きたくないんでしょ?それなら女の姿で行って知り合い的なことで橋渡し的なのやるって言えばいいじゃない」

なるほど、

「そうすれば警察も食いつくし、そのタイミングで要件だけぶん投げて帰れば、」

「そうよ、その能力者が警察と交渉したがってるってね、そこであくまで警察に入るつもりはない。けど協力はしたいって言えばいいんじゃない?」

こいつもしや、天才か!?

「まぁでもそれだと給料貰えるか分からないけどね」

前言撤回、こいつは馬鹿だ。

「まぁ貰えなかったら断ればいいじゃない、ただ能力は使っちゃダメよ?警察はアンタにとって敵でもあり味方でもあるんだから。そんな相手には弱点を見せないようにしないと」

「わ、わかった」




てのがあって今ここにいる訳なんだが。

「それで?」

「要件から言いますね」

少年の目をじっと見て、

「単刀直入に言いましょう!彼は今、お金に困っています」

「随分と直球だね。けど、お金に困ってるなんて笑えるね。彼は最強の能力者なんでしょ?そんな能力者が金欠って少し馬鹿馬鹿しいと言うかなんというか」

「まぁそれが事実なので」

「それじゃ彼は警察に入ると?それなら喜んで了承するけど」

「いえ、そういう訳じゃないです。あくまで彼は協力をするって言ってるんです」

「随分と上から目線なんだね?」

「まぁ彼自身警察のことをあまり好きじゃないようですから」

「警察が苦手な理由も教えて欲しいもんだけどね」

「それは会った時に直接聞いてみてください。と、つまりは事件解決の手伝いをするから金をくれって事ですね」

「なるほどね、随分と邪な考えを持ってるんだね」

「まぁこのままだと生活が危ういらしいので」

少年は少し考えて、

「確かに有難いけど、でも僕は彼以上に強い能力者を知ってるんだよ」

少し、気になるな。もしや奇跡を起こす彼女か?いやこの前の口ぶりからして違うだろう、じゃあ尚更誰だ?

と考えていると

「『災厄の女帝(クイーンディザスター)』」

「知らない?」

と少年が尋ねてきた。

「僕のお姉ちゃんなんだけど」

「災厄の女帝、猫宮もか」

「そうだよ、この世界に住んでるんだったら知らない人間はいないよね」

猫宮もか、現在世界最強と呼ばれる能力者。確かに間違いなく強いんだろう。

「まぁ正直、お姉ちゃんさえいればなんとかなるんだけどね。でもここで彼のような能力者を無くしたくないし、一度お姉ちゃんに話してみるよ」

「わかりませんよ?もしかしたら僕が嘘をついてるかも知れません」

「ないね、警察としての勘がそう言ってる」

「以前その勘に騙されて僕の事を能力者って言いつけてきたのわすれてます?」

「それは、申し訳ないと思ってるけどさ。まぁ許してよ、当分前の話だし」

「それで思い出しましたけど、約束してた事ありましたね。責任、取ってくれるんですよね?」

「うげっ、もしかして忘れてたのに今ので思い出しちゃった?」

「そうですね、完全に忘れてました。というわけで今この場で責任取ってもらいますけど」

1拍を置いて、やがて告げる。

「これから先、僕について詮索しないでください。彼との関係性や彼を見つけるために僕を尾行したりするのはやめてください。それが僕の望みです。これくらいは出来ますよね?」

「うぐぐ、そうきたかぁ」

「警察なんだったら、嘘は吐きませんよね?正義の味方の警察なんですから」

「わ、わかったよ、」

ガックリと肩を落としてその少年は言った。

「それじゃ今度電話してどうなったか聞きますね。貴方の姉の、もかにお願いします」

「期待はしないでって彼に言っておいて」

「わかりました」

そう言って、俺はその部屋を出た。



そして、帰路をたどっている時。

「そういえば、次会った時名前聞くとか言ってたような」

まぁ、彼からは何も言われなかったし、放っておく事にしよう、と結論付け少しペースをあげて家に向かうのだった。





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