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Alice in Re.selection  作者: 奏音
1部 Charlotte
11/18

Charlotte ⅩⅠ|その妹、天災につき

「なんか、手応えとかやっぱりないよねぇ」

と僕、ラプラスは呟いた。あまり戦いは向いていない能力なのだが神様となるとまず存在としての価値から違うみたいで普通は触れることすら許されないらしい。だからこそ僕は観測者で居続ける。そして近いうちに、伝えないといけない。奏音に、この世界の真実を。

「っっ!」

突如現れたその気配によって僕は思考を停止した。

「なぜ君が、ここにいるんだ!」

僕はそいつのいる方を向き、姿を確認する。

白く、長い髪。澄んでいたはずの蒼い瞳には光など感じず、あるのはただ闇だけ。不敵な笑みを浮かべるそいつは

「やぁ、ラプラス。久しぶりだね。いや、この世界でははじめましてかな?」

と口を開く。

「どちらでも構わないよ。正直僕は会いたくなんて無いけどね」

「照れ隠しか?会えて嬉しいの間違いだろ?」

「さすがの僕でもそれはないね。今すぐにでも帰りたいよ」

「なんだよ、つれねぇなぁ。まぁ、それは置いといてだ」

少し、殺気を出したそいつに僕は

「相変わらず冷たくて、どす黒い殺気だね」

と言葉を返す。

「ラプラス、お前はなぜこの世界に干渉できる?」

と質問を投げかけてきた。

「なぜ、か。強いて言うなら僕が干渉出来るんじゃなくて、君が干渉できないんじゃない?」

と答える。

「と言うと?」

分からないらしい。なので直接言うことにした僕はそいつに近寄り、

「君がこの世界に、いや、君は全ての世界に嫌われているよ。だからこそ君はここで能力を完全行使できない。使えるのは未来を見るくらいでしょ?」

そう、彼は嫌われている。この世界の全てから、そして世界自体からも嫌われているのだ。全てを破壊し、絶望へと導く。

そうでしょ?と視線を向ける。

「はぁ、これだから嫌いなんだよ。まぁいいさ。この世界ももう時期終わりだろ。あいつに伝えといてくれよ。待っててやるから全力でこいと」

「断る、言わずとも彼ならやってくれるさ」

と半分めんどくさいからだがそこは内緒だ。

「この世界の行く末は誰にも分からない、なんせこの世界は途中で終わるから。全ては、君を、」

そいつに視線を向け、言葉を続ける。

「お前を倒すためだ。絶望の神、如月奏音!」



――同時刻

「能力の反転か、また厄介だなこりゃ」

俺は頭を悩ませた、とりあえずめんどくさい。相手の第1の能力を攻略した途端これだ。

「リフレクション、反射?」

と天が呟く。

「どういうことだ?」

と天に問う、

「リフレクションって反射とかの意味で使われる事が多いんだよ。だから反射する能力とかだと思うよ」

なるほど、もしかして、いや間違いない。天、こいつは

「天お前天才か?」

「当たり前でしょ?これでも学園トップだからね」

とエッヘンと効果音が付きそうなくらい偉そうに胸をはる天を横目に、俺は少し考え、とある攻略法を出した。

「もか、お前の能力。使えるか?」

ともかに聞く。

「大丈夫だけど、僕のでいいの?」

「いや、今回はお前の力が必要だ。上手く行けば相手を無力化できる」

「分かった。やってみるよ」

「頼んだぞ。それ、と。天、俺が合図したら一斉射撃できるか?」

「まぁ、それくらいなら大丈夫。でも、反射なら」

「あぁ、最悪こっちに攻撃が跳ね返ってくる。だからこそ、当たる寸前で消してくれ」

「でもそれだと攻撃が通らないんじゃ、無駄使いはちょっと」

「まぁ安心しろ、それでいいから。とにかく合図したら2人とも頼むぜ?」

「「了解」」

「さて、作戦会議は終わりましたかな?」

とジジイは余裕の表情を浮かべ、こちらへと近寄る。

「あぁ、今終わったとこだ」

俺も近寄る。そうだもっと来い、近寄れ。そうして俺とジジイの距離があと数メートルまで来た時、

「天!もか!今だ!」

「もかちゃん!いっくよー!」

「任せて!天ちゃん!」

次の瞬間、ジジイ目掛けて氷の槍が飛来する。そう、天の能力によって創られた氷の槍だ。その槍はジジイに当たる直前で、

「『創造削除(キャンセル)』」

天によりその場で光の粒子へと分解された。

「何のつもりですか?攻撃を目の前で辞めるなんて、当てるしか選択肢が無いでしょうに」

「いいや、あるんだよそれが」

と俺は笑みを浮かべる。

「お前、気づいてないだろ、至る所にできたかすり傷に」

「なっ!だ、だがしかし、こんなかすり傷程度で私を倒せると思っているのなら!」

とジジイが反撃の用意をしようと構えた時、

「能力発動、『天災(ディザスター)』」

もかがそう言った次の瞬間、目の前のジジイの身体はバラバラに引き裂かれた。

「相変わらずやばい能力だぜ」

味方で良かったと心から思う。

「もかの能力は自然を操る。なによりやばいのは、妨害系の能力の効果を無視できるってとこだ。天の氷の槍と同時に見えないほどの微細な風でかすり傷をつけ、自然の力を最大限使った災厄の力の天災でそのかすり傷を悪化、これが学園トップに次ぐ天才か」

恐ろしいものだな、天才というのは。

「さて、もかも見つかったし帰るか。と言いたいところだが、そろそろ出てきてもいいんじゃないか?」

と後ろの柱へと視線を向ける。

「あーバレちった?許してよ〜」

とうるふを引きずったラプラスが顔を出す。そして

「ねぇ、お疲れのところ悪いんだけど」

と話を切り出すラプラス、

「君たちに教えないといけないんだ」

「何をだ?」

と聞くと

「この世界の真実を、全て話すよ」

と衝撃的な発言をするラプラスに

「お前背丈だけじゃなくて脳みそまで小さいのか?」

とつい突っ込んでしまう俺だった

人物紹介

名前 猫宮もか

能力 自然を操る能力

性別 女

特徴 奏音の妹?

   結構謎が多い女の子だが実力は折り紙つき

   特に風によるかすり傷からの天災はほとんど回避

   不可能とされている。

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