ぐっばい人間。GOGOモンスターワールド
「人間じゃないってどういうことなんだ?俺もアイシャさんも人間ですよね?少なくても俺は自分をモンスターとは思ってないんですけどぉ??」
急にうちらは人間じゃない、って宣言してきて戸惑ったが、ここは大人っぽく丁寧に返してみる。
「正確に言えば、人間じゃないんですよねー。ももっちの世界では、人間って転生してくる?それって、モンスターとか、悪魔とか、なんか違う生き物として扱われない?友達になれますかぁ??」
うぅ、確かに言われてみればお隣に引っ越してきた人が『別の世界から来た村人Cなんです!向こうでは毎日毎日冒険者の方のお世話していましてね?これでも簡単な魔法が使えるんですよ。ほら、ファイア!』とか言って人の家に火を放つかもしれないやつと有効な隣人関係は結べそうにもない。
「俺は、もう…」
「うん、人間辞めちゃってるね!ウエルカムモンスターサイド!いえーい!」
人間辞めたくなかったーー!!
モンスターサイドに生まれ変わって、これからモンスターとして生きていくのいやだぁ!人間として生きて、結婚して死ぬはずの俺の人生。この先俺の花嫁はオークか?豚か?それともゴブリンか?いやだ、いやすぎる!人間の、せめて人型の花嫁が欲しぃ!!!ひとがた?人型!!
「アイシャ、いや!アイシャ様!あなたは人間、元でもいいから人間ですか!?」
そう、目の前にいるのは頭はぶっ飛んでるし黒影龍信仰信者で超めんどくせーけど、豚やゴブリンの花嫁よりはいい!こっちのがマシ!
「そりゃ一応ももっちと同じ元は人間だけど…」
「やっぱり!」
「ただ、私ももうだいぶ年だしなぁ。私より内気で可愛いオークちゃんやおっぱいの大きさならミノタウロス系の子の方がいいんじゃないかな?最初も言ってたじゃん?私の見た目はいいけどおっぱいが…って?」
イヤにムカつく笑いを浮かべながら、自分のよく言えば小ぶりで張りのある形が崩れていない揉みごたえがあるぷっくりとしたおっぱいの前を両手で、【おっぱいがない】というジェスチャーをかましてくる。この女、今更ここで昔のことぶっこんできやがった。てゆーかやっぱり俺の花嫁はこのまま行くと豚のオークか牛のミノタウロスなのかぁ!!
「私、あんまり大きくないから期待に応えられずにごめんねー?でも大丈夫!知り合いに巨乳で包容力ある仔いるから紹介しますよー!」
今度は胸の前でボインボインだよ?というジェスチャーを交えながら勝ち誇った顔をしてくる。
「すいませんでしたー!!!申し訳ございませんでした!最高です。最高の美少女です!この世界にアイシャさんほど美しい女性はいません!ですから、私を他の女性と引き合いにさせるような事は何卒、何卒おやめください!!」
「ふぅーん…?」
昔不良にいじめられて鍛えられてきた土下座。以下に美しく見えるかも研究されつくした我が土下座を見て何かを考えてくれている感じがする。これは今畳みかけるチャンスか?
「私、おばぁちゃんだけど、いいの?」
さっきまでおふざけ感満載だったのに、急に真面目なトーンで喋って、真顔になった。
彼女の見た目22歳前後。俺らの世界では100歳まで生きるのが今は普通!この世界ではダンジョンで早死にするかもしれないから寿命設定が早いんだろ?30とか40歳か?そんなのかんけーねー!若い、可愛い!何より人間!それでドストライクだぜ!!
「俺は、この世界に来る時に困ってる女性がいる、と言われてきたんだ。それがアイシャのことなら、俺は君の事を一生守り通す!」
決まった!セリフもポーズも!
男子高校生から女子高生にこんな事言ったら惚れるだろ!ときめいて惚れちゃってくれ!少なくとも、付き合ってもいーかなー?みたいな意識しちゃってくれ!
「私、もうすぐ400歳なのよね。この年になってそんなこと言われるなんて嬉しいわ。」
少し照れたような顔をして、ニヤリと一瞬笑ったその顔。400歳⁉400?そのニヤリはなんだ!?俺は400歳に欲情してるのか!?
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