84話・残念ながら、私は教えるのは苦手です
「私は教えるの苦手なんですよね」
「じゃぁどうやって教えるんだ?」
「外注か本人の吸収に任せます」
「ちゃんと教えろよ」
「こうか!!」
「違う!! もっと鉄を見ろ!!」
「こうか!!」
「力み過ぎだ!!」
頑固おやじとその弟子のような声賭けが絢の持つ屋敷から鳴り響く。
「厳しいですね」
ふと様子を見に来た絢がその頑固おやじに声をかけると、意外と素直に返事をする
「俺ぁどんな奴だろうと、鍛冶で手加減をするつもりはねぇ」
「安心です」
少しすると後ろから声が聞こえてくる。
「こうか!!」
「違う!! 音が違うだろうが!!」
「ところで何をしてるんですか?」
「鉄の打ち方を教えてんだ……、さっさとほかの奴を見に行け、邪魔だ」
先ほどの態度から一転、本当に邪魔なように絢を扱ったその頑固おやじ
そもそも彼は誰なのか、何故ここに来たのかそれは絢の発言の直後にまでさかのぼる。
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「分かりました、色々時間の制約もありますし、48時間、明後日までに作れるように教えてあげましょう」
その後、少し貯めを作り、さらに言葉を続ける。
「私ではなく、この人たちが……、ですが」
そう言って絢の後ろの扉があけられると、3人、女性が二人と男性が一人、その男性は未来で鍛冶を教えていたの頑固おやじだ。
その中で、いかにも魔女風な服装をした女性が、絢に声をかける。
「で、いきなり呼ばれた割に何も伝えられていないんだが、誰が誰を教えればいいの?」
「まず、この男の子が武器を作りたいそうです」
すると頑固おやじが名乗りを上げる。
「じゃぁ俺だな、坊主!! さっさとついて来い!!」
厳つい声でそんな風にすごまれ、一瞬体を「ビクッ!!」と震わせた少年は、いそいそと頑固おやじについていく。
「は、ハイ!!」
「娘!! 準備はしてあるな!!」
その問いかけに絢が「そこの部屋に」と指を差して答えると、荒々しくその扉を開けた頑固おやじが見定めるようにその先を見る。
「私は誰を教えればいいのかしら?」
「この金髪の女の子です、薬が作りたいそうです」
絢がそう返すと、その少女を少し見定めるような視線を向け、一度頷く
「分かったわ、どこで教えればいいの?」
「先ほどの隣の部屋です」
「うるさいのは嫌いよ」
そんな要望に「防音、防振動は施してますよ」と返した絢の言葉に「用意が良いのね」とだけ言うと少女を連れていく。
そうして残ったのは二人、ところどころに花が付いている独特な衣装を着ている女性が、声を上げた。
「じゃぁ、私がこの子を?」
「はい、お願いします」
絢のそのお願いに頷いた彼女は「部屋はまたそのとなり?」と聞く……聞いたところまではよかったものの、その反対方向へと歩いて行った……
「反対ですよ」
「へ?」
「真後ろです、さっきまで何見てました?」
「……あぁ~、直ぐ始めますよ!!」
「さて、私たちは私達です。
もちろん商品の質は大事ですが、一番大事なのは接客ですからね」
「何をすれ……」
「あらゆる状況に合わせた接客を叩き込みます」
「お手柔らかに……」
「厳しくいきますよ」




