83話・しないといけないことは早く始めましょう
「今日の2本は【あなたが作りたいものは?】と【誰も助けませんよ?】です」
「〇〇〇さんみたいですね」
「この3文字っていうヒントだけでわかる人はどれくらいいるんですかね?」
ギルドに呼ばれた用事も終わり、屋敷に戻ればやることは一つである。
「さて、昨日約束したことをしましょう」
絢の目の前にいるのはサシャ……と一緒に連れてきた残りの3人である。
「俺たちが働けば、サシャも楽できるんだよな!!」
そんな質問を絢に投げかけたのは、3人の中で唯一の男、身長的に見ればサシャよりも年齢は上だろう。
「できますよ、今までよりもかなり楽になるはずです」
(さすがにここまで怖がられるとやりずらいですね……)
少し悩むと、3人にとある質問をする。
「皆さん、何か作りたいものは有りますか?」
「ハァ!? 急に何の話だよ……」
「何の話でもないですよ、貴方達が何を作りたいかが知りたいです」
「あ、あぁ??」
そう少年が困惑してる中、サシャよりも更に幼そうな少女二人が、少年の後ろから声を上げる。
「私お薬作りたい!!」
「私は可愛いお洋服!!」
二人が自分の要望を言ったことに笑みを浮かべた絢は、少年にもう一度問いかける。
「二人は正直ですね、あなたは何が作りたいですか?」
「武器……俺は武器を作りたい」
少年が自分の思いを打ち明けると、絢は優し気な笑みを浮かべる。
「分かりました、色々時間の制約もありますし、48時間、明後日までに作れるように教えてあげましょう」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
場所は変わってギルド付近の路地、屋敷にいるはずの絢がそこを歩いていた……
その後ろに何か影が……
(3……いえ、上も入れて4ですね。
全て同じところですかね……)
絢がなんどか角を曲がり、その先が袋小路なところに差し掛かるやいなや、後ろの影が絢に飛び掛かる。
絢が後ろを振り向き、笑みを浮かべたことは、見えたのか、見えていなかったのか……
◇◇◇◇◆◇◆◇△▼△▼◆◇◆◇
(どこだここは……)
男が起きると、周囲は暗闇に包まれ何も見えない。
何かを口にかまされているのか、口のあたりに違和感がある。
「あ、やっと起きましたか……、手加減はむつかしいんですよねぇ~」
(何だこいつは……)
暗闇で顔が見えない。
目がまだ闇に慣れていないからだ。
しばらくすれば見えるようになるだろうと、そうたかをくくっていた……今この時までは。
「ん゛……ん゛ん゛ぅぅぅ!!」
何かをはがすような音と唐突な激痛
「貴方の雇い主は誰ですか?
……あ、言わなくていいですよ、考えるだけでいいんです」
痛みに耐えながらも若干暗闇に慣れてきた視界には、奥で涙目になりながら首を横に振る部下の姿が目に入る。
「あの子ですか? あなたよりも前に起きたので尋問をしていたのですが、痛みのことばかりで何も言わないんですよ……あなたの教育の結果ですか?」
(何だこいつは……)
「貴方達が私を狙ったじゃないですか」
そこで全てを理解する、ただし、ここでどれだけ声を出そうと、迷惑だと感じるのはただ一人しかいないのだが……
「この人も何も話しませんでしたね……」
「ただ、安心してください、何度でも直してあげます。
絶対に死なせてあげませんから」




