79話・やっぱむりだわ
「修正……」
「な……なに、かな?」
「修正、いつするんですか?」
「んー」
「いつ!! するんですか?」
「んー」
森林の中、一人の男が木にもたれかかるようにして倒れていた……
「あぁー疲れた、もう、無理だな……」
男がもたれかかる木も含めて周囲の森林は炎にまみれ、周囲には多数の残骸と破片が辺りに飛び散っている。
何と呼べばいいのか、こちらでは見たことのないような巨大な兵器が3つ、男を囲むように砲の口を向けていた……
「お前らは良いよなぁ、エネルギーさえあれば無限に動けるんだ……」
男が胸元をまさぐると、男の眼前に居たそれが巨大な空薬莢を空中に呼ばす。
「オイオイ、焦るなって……煙くらい吸わせてくれよ」
そう言った男は紙巻とライターを手に取り、火をつける……
「頑張ればまだ10くらいなら行けると思ったんだがなぁ……」
男に向けた砲から一瞬の閃光と音が漏れ出る。
その直径は男の半身を優に超え、長さは男の身長の2倍に達する。
ただそこに一つ、男の耳には、砲弾の音よりも「ニャー」と、その声が先に通る。
「こりゃぁ……瀕死の幻覚か?」
男に放たれたはずの砲弾は空中で砕け、その男の目には白い装束に身を包んだ少女が見える……
「何を言ってるんですかウィルさん、私が幻覚に見えます?」
ウィルが気にもたれかかっていることをいいことに、身長差を無視して上から見下ろしている絢は、目の前に実在する人を幻覚扱いするその認識に疑問を持つ。
「喧嘩したってのに、こんなところに来てくれる奴なんていねぇよ」
「喧嘩しましたっけ?」
「ああ、そういう認識か……」
「まぁ、それはそれとしてです」
絢は後ろを振り向き、指を鳴らす……
「邪魔ですよ、貴方達は」
周囲3つの兵器、その中から炎は吹き出す。
装甲は内側から融解し、砲塔はが地面に落ちる。
「今回の依頼はウィルさんを連れて帰ることであって、それ以上は受けていないのですが……まぁ、いいでしょう」
さらに火力を増した炎を背後に、絢が後ろに視線を向ける。
「帰りますよ、ウィルさん」
まるで適役のそれのような笑顔を浮かべた絢に対してウィルが一言
「はぁ……消火してからな」
「また消えたぞあいつ」
「よく消えるよな」
「消えるっていうか、転移じゃないか?」
「ニャー!!」




