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71話・そういえば、どのくらい時間がたってるのでしょうか……

「お酒っておいしいんですか?」


「……人によるとしか言えねぇな、旨いと感じる奴は旨いっていうな」


「……飲んでみてもいいです?」


「大人になってからな」

「「……」」


「「「「……」」」」


 サラッと目の前の屋敷から出てきて、サラッと扉から入ってきて、サラッと背後に少女を連れた絢が、そこから帰ってきていた三人とリアの4人と共に、計6人で無言を貫いていた……


「……何か言ってくださいよ」


「お前、その子、誘拐してきた……のか?」


「……!! ……」


 若干詰め寄るようにエキドナがその言葉を伝えると、少女は絢の後ろに隠れてしまった……


「違うに決まってるじゃないですか」


「じゃぁどっから連れてきた!!」


「あの屋敷からに決まってるじゃないですか」


 漸くそこで理解が追い付いたのか、リアの口から言葉が出てくる。


「依頼終わったんですか?」


「はい」


「えーと、じゃぁ、依頼主……と言っても誰に連絡すれば……」


 焦りながら手元の書類をぺらぺらとめくるリアの後ろから細身の影が迫る……


「え、あっ、え!?」


「ふーん、これってずっと解決されてなかった奴じゃん、その子がやったの?」


 リアの手元から書類を取り上げた先輩さんは、ぺらぺらと書類をめくっていく……


「はい、そうですよ」


 そうやすやすと答える絢に、初めて値踏みするような視線を向ける。


「へぇ、かわいいだけの女の子じゃなかったんだ」


「ウィルさんの判断を何だと思ってたんですか?」


「顔判断?」


「それウィルさんにも被害行ってますよ」


「良いのよあんな男、最近は全然帰ってこないしねぇ」


「「そうなんですか?」」


 先輩さんのその言葉に同時に声を上げた絢とリアの二人に、当の先輩さんは「良いの良いの!!」と言葉を返す……

 その顔にはほんの少し影が掛かっていたことも、聞こえはしない声量で「あいつはあんなのじゃ死なないはずだし」という唇の動きも、絢は見逃さなかった……


「とりあえず、これなら向こうのギルドに直接連絡すればいいでしょ」


 ぱっと明るい顔を作った先輩さんはリアに笑いながらアドバイスを告げた


「いいんですか?」


「恥ずかしがってないで、サッサとしなさい、向こうの依頼なんだから、拒否したら殴り込みに行かせればいいのよ」


「誰をですか!?」


「その子とか?」


「過剰戦力ですよ」


「そ、そうですよ!!」


「ダイジョブダイジョブ、ばれないようにやればいいって」


「まぁ、確かに、犯罪はばれなければやっていいですしね」


「絢さん!?」


 絢としてはそんな気はなかったのだが、唐突に敵に回った絢に驚いていた。

 そんなことを話していると、先ほど絢が入ってきた扉が再び開け放たれる……


「キミ達から来る必要はないよ」


 絢達が扉の方向を見るのと同時にそんな言葉を発したのは、しっかりとしたスーツに身を包み、後方に秘書を連れた青年が一人。


「なんであなたが……」


 そんな先輩さんの驚きをよそに、リアと絢は……


「「誰ですか?」」


 と疑問符を浮かべていた……

「誰ですかあの人」


「知らないですよ、誰なんですかあの人」


「ほんとに誰だあの人」


「……誰なんだ?」


「……? ……? ……?」

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