66話・幽霊話、聞きはすれど遭遇したことってないですよね
「あいつら、いつになったら帰ってくるんだ?」
「さぁ……何時でしょうね」
「ちょっと見てくる」
「お気を付けて」
「……」
「何ですか?」
「お前はこないのか?」
「行きませよ」
「お前なら一緒に来そうだと思ったのだが……」
「この後に続く方が面白そうなので」
「あの、絢さん、これなんですけど……」
ニアとダンジョンで手に入れた男(そろそろ名前つけてあげろ)を待ち始めて3日目
永遠とお茶をしながらリアが見繕った依頼を受けるという生活を続ける絢に、いつものような形で依頼書を持ってきた。
「何ですか?」
「この町に古めのお屋敷がるのは知ってますか?」
「まぁ……、はい、この建物の目の前ありますね」
「え、あ……そうでした、それで、あの建物の逸話は知ってますか?」
「逸話?」
「はい、あの建物、元々このあたりにあった国の領主様の家だったんですが……」
そう言いながら右上を見たり、絢を見たり、持っている書類を見たり、視線が忙しく動く。
「その後色々あって、お店になったり宿屋になったり、いろんな人の手に渡る間に中から知らない女の子の声がするとか、いつの間にか間取りが変わるとか……
更には所有した人たちも短期間で次の持ち手に回すので余計話が広まったんです」
「そんな話が合ったんですね……、それで、何があったんですか?」
「その話のせいで誰もあの建物を買わなくなって、維持費用が掛かり過ぎるという事で建物を壊すことに決まったんですが……」
そこまで聞いて、個々からどのような話が続くのかは、こういう話が好みの人間であればある程度予想がつくだろう。
絢は余り好みというわけではないが、唯から散々聞かされ見させられたジャンルの話だ
「もしかして、次々に事故が起きたり、参加した人が病気になったりでもしました?」
「なんでわかるんですか!? ……まあ、そういう事らしいです」
「ずっと伝聞ですが、直接見たわけではないのですか?」
「うちのギルドからじゃなくて、商業ギルドっていう別のギルドからなので詳しい情報が無いんです」
「なるほど……、どんな依頼なんですか?」
「それが……」
リアはとても申し訳なさそうに、依頼書に目を落として黙ってしまう……
「言ってくれないと受ける事も出来ませんよ」
「依頼内容はさっき話した出来事全ての原因の解決で、報酬は解決後に話し合って決める……と」
「なるほど……」
「やっぱ受けてくれませんよね……」
「良いですよ」
「今までこの依頼を見た方も『自分たちは冒険をしに来たんだ!!』って言って受けてくれなかったと言いますし……他の人を探しますね」
「受けますよ」
「……受けてるんですか?」
「はい、面白そうですので」
その言葉で、申し訳なさそうな顔に若干困惑の色が入った
「面白そう……ですか?」
「私、幽霊ってみたことないんですよ」
「エキドナあさんおかえりです……」
「あいつはどこに行った」
「『あいつ』って誰ですか?」
「絢だよ」
「依頼を受けてそっちに行きましたよ?」
「遅かったか、仕方ない……荷物持ちが欲しかったのだが」
「絢さんは皆さんに持たせる側だと思ってました」
「言ったら結構持ってくれるぞ」
「そうなんですか?」




