65話・資金がたまった、しかし今日始めるべきではない
「何処に建てましょうね」
「その辺のビルでも買ったらどうだ?」
「高すぎますし、そこまで使いません、その辺の一軒家を購入して作り変えたほうが楽ですよ」
「誰がやるんだ」
「私です」
「は?」
「この国の建築士の資格を取ったのでやることはできます」
3日後……今日は本当に平和な日だ
絢が取り出した金額を見て一言
「早すぎるだろ!!」
そう叫んだエキドナの目の前には300枚以上の金貨が置かれていた。
「いったいどこからこんな金額を……」
「色々です、程ほどに依頼をこなしつつ……」
そこまで言った絢は少し目線を逸らして……
「少し金の臨時収入がありまして……、それなりの金額になったんですよ」
「――どこの金かは聞かないでおこう……一つ言っておくが、竜の主食は金だぞ」
「そうなんですか?」
「あいつらは特殊な体内構造をしているからな、血液も金だぞ」
「なるほど、それでは竜を少し狩れば……」
「やめてくれ、お前がやると絶滅しそうだ」
「絶滅はさせませんよ、せめて9割くらい……」
「それを止めろと言っている!!」
深くため息をつきながら判り易く頭を抱えたエキドナは、改めて周囲を見回す。
「それで、他のやつらはどうしているんだ?」
「そんな私が加害者みたいな言い方をしないでください……、フェニとルビーは間借りしているリアの家で寝ています、ニアとあの子は適当な依頼を持っていきましたよ、いつも通り何かと戦っているのじゃないですか?」
「暴力で従えるんだ、加害者のような物だろ」
「従えるなんてとんでもない、少し交渉して了承をもらっているだけじゃないですか、貴方の時もそうだったでしょう」
「あれを交渉と了承と思うのならお前は通常の人間とは大きく意見が違うらしい」
「なんか今日毒舌じゃないですか?」
「いつも通りだ……」
そうして、しばらくすると再びエキドナが深いため息をつく。
「その量で十分なのか??」
「何の話ですか?」
「資金の話だ!!」
「十分ですよ、明日は土地や建物を買いに行きましょう」
「今日じゃないのか?」
「実際に使う人がいない状態で買いに行っても無駄じゃないですか」
今日は本当に平和な日だ
「ところで、そろそろあれだのそれだのじゃなくて、名前を付けてやったらどうだ?」
「何にしましょう」
「お前が決めろ」
「決めろと言われましても……」




