56話・たまには平和があってもいいじゃないですか
「この人凄いんですよ、予約投稿で一度完結させた上に投稿遅れたんですよ」
「すみません……」
「しかも最近の質の低下を投稿期限のせいにして、期限を週一回に戻したいらしいですよ」
「すみません……」
「いう事は?」
「本当にすみません、毎週金曜に戻させてください」
「読者たちが許してくれると? 私たちの出番が減るのが許してくれると?」
「本当にごめんなさい……」
リアの魔道具語りが6時間ほど続き、エキドナの意識は朦朧とし始め、ニアは酔いも回って酒場の酒豪たちを飲み比べで倒し続けていた。
そしてその6時間目、ようやくリアの話が終わりを告げる。
「――という事なんです!! 面白いですよね!!」
「はい、とても」
隣で死にかけている、何度も途中で話を切り上げようとした薄情な龍人とは違い、絢はとても興味深くリアの話を聞いていた。
だが、さすがにリアの方も体力が無くなってきていた。
「あ、こんな時間まで……すみません」
「大丈夫ですよ面白かったので」
ふと窓の外を見ると、黒く染まっていて、腕に巻いている時計も17時を回っていた。
「そういえば、絢さんたち、宿は取られてるんですか?」
「いいえ、全く」
「絢さん、今夜は私の家に来ますか?」
よくよく考えると、絢達とリアは会って1日経っていない、そんな人を自分の家に泊める様な対応をするリアに驚きつつも「気にしなくていいですよ……」と断るものの。
「いえ、私のせいですから!!」
と、強く招かれる。
もう一度断ろうと言葉を吐き出す直前で、薄情な龍人のエキドナから要望が上がる。
「リアが人を家にも寝くのは初めてなんだ、行ってやってくれんか?」
「……わかりました、行きます、エキドナ達も良いですか?」
絢が提案を受け入れたことに喜んだリアが「はい!!」と勢いよく返事をしようとすると、エキドナから拒否が……
「あのバカ男に呼ばれててな、すまないが私は行けなそうだ」
少ししゅんとしながらも、「準備をしてきますね!!」と言ってリアが退勤と帰る準備をしに行った。
ふと、後ろを見ると、酒場コーナーの喧騒がより深くなっていた。
そんな酒場コーナーにできていた野次馬の中から絢は一人と一匹と一個を探す。
一人は簡単に見つかった、出来上がっていた野次馬の中心で未だに酒を飲み続け、強烈な酒気を全身から発していた
「ニア!! 今日の宿、リアの家に決まりましたが、一緒に来ますか!!」
過激な歓声の中でも少し大きな声を出すと簡単にニアの耳に届いてくれた。
「今日は飲み続けるわ、リアには謝っといてくれ!!」
久しぶりの酒で酔っているのか、少し口調が定まっていなかったが、その言葉の後に樽一個分の酒を飲みほして相手にその代金を払わせていた。
「……あれは明日までかかりそうですね」
そんな絢の予想を完遂するように、さらにもう一てい酒樽を頼んでいた。
後一匹と一個を探すと、こちらはもう少し奥の方で、見つかった……
「これも食べる?」「これは?」「これもおいしいわよ!!」
男たちは先ほどの場所にいたのに対し、こちらは女共が幼女と赤い鳥に餌付けをしていた。
「何をしてるんですか?」
「貴女も食べる?」
男どもの酒気を受けてこちらも酔っているのか、それともその手元にある酒を配合したお菓子のせいか、絢を見てそんなことを言い出す。
「ルビー、フェニ、今日の宿が決まりました、行きますよ」
「……ん」
ルビーとフェニも酔っているのか反応が遅く弱い、とぼとぼと絢の下に歩いていく二人に、「またきてね?」と女性冒険者たちが、言葉をかけていた。
ルビーたちの返事は「……ん」とそれだけだったが、彼女たちはルビーたちに手を軽く振り続けていた。
ギルドの外に出ると、少し遅れてリアも出てくる。
「お待たせしました~!! ……ってルビーさんたちは大丈夫なんですか?」
「まあ、大丈夫でしょう」
「そんなのでいいんですか?」
そう言って、絢達はリアに連れられて夜の下を歩いて行った……
「エキドナの嬢ちゃん見つかったか?」
「ここにもあるな、食い散らかされたネズミの死骸が……」
「絢の嬢ちゃんは知ってるのか?」
「分からん、聞いてみるしかないな……」




