51話・便利なものは便利で終わらすべきではないでしょうか
「お前のやる気っていつ出るんだ?」
「さぁ……」
「「さぁ」って……」
「私自身、私のやる気がいつ出るかは全くわかりません」
「えぇ……」
「お待たせしました!!」
ウィルと絢達とが談笑をしていると、定番と言えそうな音を立ててリアが帰ってきた。
「こちらが、絢さんたちお三方の試験結果と会員証になります」
そうして絢達に要望した通りの形の会員証と試験結果が書かれた用紙が渡される。
「階級があるのは討伐だけだと思っていたのですが……」
「よく言われます……、一応ギルドガイドにも載っているんですけどね……」
「ギルドガイド?」
「嬢ちゃんの知識ってホントに偏ってるよな……、ギルドガイドってのは、いろんなギルドが発行してる案内書みたいなもんだ、いくつか読んどけ」
そう言ってウィルが机の上に投げ置いたパンフレット取り、適当に読んでいく。
「確かにありますね、地域ごとにランク付けされてるんですか……」
「地域のランクも会員のランクも結構がばがばだがな」
そんなウィルの愚痴のようなものに「すみません……」とリアが誤っていた謝っていた。
「これは、あくまでも危険地帯に飛び込むときにちゃんと準備するかどうかを見るものなんです……、決して絢さんたちみたいなのを試験する物じゃないんです……」
「それは……すみませんでした」
流石に絢も誤ったのだが、それを見てなんと驚くものが若干一名、ウィルの隣でフリーズしている人に向けて「貴女は私を何だと思ってるんですか……」と言う言葉が飛ばされる。
「とりあえず、内容はわかりました」
「ではこちらが、お三方の会員証です、素材が簡易的に討伐のランクを表しています、他の方を見かけた時は参考にしてみてください」
そう言っているリアの目はどこか輝いていた。
「この会員証、実はお財布みたいにも使えて……」
「嬢ちゃん、こいつは魔道具マニアでな、ちょっと聞いてやってくれ」
「分かりました……」
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2時間後……
「それで、この機能が……」
「嬢ちゃん? ちょっと止まらねぇか?」
「え……あ、す、すみません」
永遠と……本当に永遠と語り続けるリアを止めないと話が進まない、可哀そうだがその話を止めて、次の話を始めてもらう。
「えーと、次は……、えっと……」
リアが暫く持ってきた書類の束を漁っていると、メモを見つけたのか暫く一つの書類を読み込む。
暫くするとやることを思い出したのかもう一度書類を漁り、数枚の紙を机に置く。
「絢さんたちのランクを考えていくつか依頼を選んできました、お好きなのをお選びください」
リアが言った通り、机の上に置かれているのはいくつかの依頼、【森林の探索】【新興ダンジョンの調査】【未踏破地域の製図】色々とあったが、その中で絢の目に付いたのは一つ。
「これですね、【火の鳥の調査】が良いです」
「こ……これですか?」
「はい、何か問題がありますか?」
「い、いえ、ですがこれは」
「オイオイ嬢ちゃん、これはやめとけって」
「この依頼何かあるんですか?」
「いやぁ、この依頼丸1年完了されてねぇんだよ」
それを聞いて絢の口角が少し上がる。
「さらに興味がわきました、これを受けます」
「おい嬢ちゃん保険の話丸々忘れたのか?」
「いえ、覚えています、大丈夫ですよ」
「わ……、わかりました……」
そうしてこれから絢のこんな行動に振り回されることを知らないウィルとリアは絢の意志に大きく驚くこととなった……
「なぁ……」
「何ですか?」
「最近、今までに言ってないことが言ったことになってる気がするんだ」
「どういうことです?」
「過去が書き換えられてるというかなんというか」
「そんなことあるわけないじゃないですか……」
「そう、だよな……」




