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44話・時は金なり……お金は時間には変わらないのに

「あーちゃんたのしい?」


「恐らく楽しいのだと思います」


「でもずっとエガオだよ?」


「笑顔……楽しいのかもしれませんね」


「ホント?」


「分かりません」

 口をあんぐりと開け、誰かが声を出しても「あ」としか出てこない空間を30秒も耐えた絢は、相手の理解を待つという行為にたえかね、そろそろ話しを進めようとする。


「何時まで驚いているんですか? 質問があれば聞きますよ」


「じゃあお言葉に甘えよう、嬢ちゃんはどうやってこの世界に来たんだ?」


「タルルク王国が発動した魔法で呼び出されたようですよ、詳しい術式などは知りませんが……

 なんでそんなことを気にするんですか?」


「あ~、なんて言うべきか……」


 言っていいのかいけないのか、自分で決められない手探りの様な話し方


「大体100と数十年前の話だ、詳しい時はわかってない上知ってる奴も少ない、もちろんそこでおびえてる嬢ちゃんもな」


「直接言ってください」


 絢の言葉にウィルは一瞬言葉が詰まったが、直ぐにその言葉の続きを始める。


「その時に当時戦争の中心に居た国に呼び出されたたった14人、たったそれだけの人数で世界を侵略したんだ」


「侵略?」


「そう、侵略だ、その国が呼び出した14人を兵器として使って、当時戦争中だった国を侵略、そのまま止まらずに侵略を続けていった……らしい」


 あくまで伝聞、だがその深刻さは実際に見てきた人間の言葉に等しいものを感じる。


「つまりは、その再来になるのではないか……と?」


「まぁ、そういうこった……いや、待った、なんで嬢ちゃんは国の外にいるんだ?」


「何のことです?」


「呼び出したのはタルルクんとこだろ、それが何で城下町どころか帝国にいるんだ?」


「ああその事ですか……、自分の地位を守るのが大事で邪魔になったそうで、他の子たちを使うからと私は要らないそうですよ……」


「何考えてんだあの糞野郎は」


 あまり関わることなかったものの、皆が皆「クソ」と言うとどんな人間なのか気になってくるところだが、先に一つ訂正していおくべきことを訂正する。


「それに、世界侵略の再来なんて気にしなくていいですよ」


「いやいやいやいや……、仲間を信頼してるのはわかるが、嬢ちゃんがここにいるんだぜ、恐怖があるだろ」


「いえ、後1月以内に環境整えて迎えに行くので、あの子たちが国を落とせるようになるよりも、私が迎えに行く方が絶対に早いです」


「いやいや、託児所に預けてる子供じゃねぇんだぞ、いくら嬢ちゃんだからってそんな簡単に迎えれる分けねぇだろ」


「あーちゃんならできるよ」


 ウィルと絢の会話に割って入ったのはルビー、今まで目をつぶって静かに息をしていたとは思えないほどはっきりと、力強く話に割って入る。


「嘘つかないって言ってたもん、あーちゃんならできるよ」


「いやいや、これは嘘とかそういう話じゃねぇって」


「でもあーちゃんは……!!」


「わぁった!! わぁった!! ……細かい計画まで聞くつもりはねぇが、下手すりゃあそこは惨殺だ……できるんだな?」


 最終確認と言わんばかりにこの話し合いの中で最も真剣な表情で行われた問いに……


「大丈夫ですよ、できます」


 ずっと変わらない笑顔のままそんなことを言う……が、そこに「ある程度資金がたまればですが」と付け加える。


「ああ……それで嬢ちゃんたちはここに来たわけか」


「そうだった……ウィル、貴様のせいで忘れていた、リア、この者らの登録もお願いしたい」


「わ……わかりました!!」


 急いで何かを準備しに部屋を出て行ったリア、外でガタガタと何かが倒れる様な音と一緒に謝る声も聞こえ、暫くすると静かになりつつもさらに時間がたつとまたガタガタとあわただしい音を立てながら、また誰かに謝る声が聞こえる。

 余りその環境を知らない絢達は余り気にしてはいなかったが、その音にウィルとエキドナは「またか……」と言う表情をしていた。


「すみません……お待たせしました、測定室へ、お……お願いします!!」


 エキドナとウィルの二人はリアがきちんと言い切れたことにとても驚いていたという

「あの子って何時もああなんですか?」


「ああ、正直見て居られないほど不安になる」


「まあ、わからなくもないです」


「経験があるのか?」


「そうですね色々とありました……」

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