34話・皮膚すら切れないものが魂を刈り取れるのでしょうか?
「この城大丈夫なんだろうな……」
「わかりませんね、試しに飛んでみてはいかがでしょうか?」
「……何故だ?」
「もしかするとバランスを崩して倒れるかもしれませんよ」
「「ふざけるな!!」」
一通りエキドナを煽った絢は非常にバラバラな面白パーティを連れては魔王の城のような場所をゆっくりと進んでいく。
「次が出ましたよ」
「分かってるっての!!」
若干土器を含んだ返事をしたエキドナが目の前の陰から這い出るように現れた骸骨を電撃で炭にする。
「階層を下りたにしてはなんだか弱いですね……」
「恐らくだが、この階層で強いと言えるのは階層主だけだろうな……」
何を想像したのかフェンリルとエキドナの二人は、何処か非常に難しそうな顔をしている。
「階層主が誰か知ってるんですか?」
「知っている……と言えば知っている」
何処か歯切れの悪いその回答は絢の興味の蝋燭に火をつけていく。
「教えてください」
「知っている、といっても噂程度のものだ、ここまで出てきたやつで何か思い当たるものはないか?」
タイミングよく陰からその姿を現す骸骨が鎌を振り上げながら現れる。
「見覚え……ん? ああ……」
振り下ろされる鎌を指で受け止め、その姿を観察する。
「いくつか候補は思い浮かぶんですが、一番可能性があるのは死神ですね……」
「そうだ……と言っても、それは知性も何もない魔獣の死神だ、それほど強くはない」
「『魔獣の』とつくという事はそれ以外もあるんですか?」
そんな疑問を口にしつつも、既に興味を失ったのか簡単に目の前の骸骨が砂と変わる。
「もちろん存在する、いわゆる魔人と言う形だな……知能も高く力も強い」
「面白そうですね」
「いくら主でも面白そうではすまんぞ、おそらくこの階層主は死神の頂点……神専用の死神と言われた物だ」
「神専用……良いじゃないですか、面白そうじゃないですか!!」
「本当にわかっているのか!?
今ならまだ引き返せるぞ!!」
「ここまで来て引き返すなんて、その方が無いですよ。
最後まで降ります、絶対に」
自力の過信か、それとも死に急ぎか……、目の前の少女の固い決意を動かすことは不可能と悟ったフェンリルはそれでも絢に付いて行く。
一度付いて行くと決めたのだ、それを破ることはしたくない、それに、かなり確立としては低いものだが、後ろから燃やし尽くされる様なことにはなりたくないのだ。
「大丈夫ですよ、絶対に守りますし絶対に死にませんから」
その言葉の安心感にどこか既視感を覚えつつも、不思議なパーティは歩を進める。
その速度は先ほどよりも早く、襲い来る骨を切り裂き、粉砕し、突き進み、最後の最後には何かの部屋の扉も蹴り壊す。
「さあ、やりましょう」
「「いくら何でも急すぎるだろ!!」」
その言葉の通り、勢いよく蹴り壊した扉の先には、深々とフードをかぶってり、その体の2倍程はありそうな鎌を持った誰かがたたずんでいた。
「そういえばだが、何に反応していたんだ?」
「何の話ですか?」
「死神の話の時に何か別の事を考えていただろう?」
「……何もありませんよ」
「何だその間……」
「そこから鎌が……」
「ウオ!!」




