花葬
ひろくひろく花が咲き乱れる
多種多様、イロトリドリに咲く花
そのまん中
まっすぐ横たわる私
両手を胸の上で組んで
ふかく、目を瞑る
開くことの無い冷たい目蓋
その眼裏にはなにが映るのだろう
きっと、愛しい君の夢でも見ているのだろう
風が何度も広大な花畑を過ぎていく
私の肌はもう、風を感じない
イロトリドリの花の香りが鼻腔を擽るこも無く
通りすぎていく
永遠は思いの外短く
私の砂時計はあっけなくさらりと全て零れ落ちた
ぶわりと
強い風が空に向かって吹き上がる
イロトリドリの花びらを舞い上げながら
私は貴方へ想いを馳せながら
願いながら
孤独に大空を昇る─…