表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

鳴かなくなったセミ

作者: ミンミンゼミ

夏休みが終わる。

そんな何気ない一日。

 セミの音が小さくなってきたある日。


僕らはクラスの打ち上げを行いにグループで遊びに来ていた。現地で集合と決めているため僕は一人で電車に乗り目的地へ着くまで外を見ながら暇を潰していた。「ガタンゴトン」とお決まりの音を鳴らしながら電車が動く。今回始めて乗る路線なので外の景色はこれまで見たことのない景色だ。昨晩寝れなかったおかげか眠気がすごかったがそれ以上に興奮がすごかった。歩み寄ろうと心を殺し脳内シュミレーションを何回もして以前のように彼女と話せられるよう僕は練習していた。


男友達が乗った次の駅でグループの女子が一緒に乗り合わせたため軽く会釈をしておいた。電車が目的地に着き「こっち方向だっけ?」


と聞くと「うん、こっち方向」と返され一緒に目的地に向かう男女4人組。


男友達が女子と楽しそうに会話をしているところを見て、打ち上げをしようといったのは自分なのだが、やはりこういうことは性に合わないことだったなと感じる。


目的地に着きしばらくすると他の子達もやってきたが、2名ほど来ていない人がいた。一人は自分に休みのラインが入っていたのだが、もう一人は何も聞いていないのでビックリしていた。休みのラインが入っていることを友達に伝えると友達は店の中に入っていった。


僕が驚いている様子を見て友達は連絡が来ていない子が「体調不良」ということを教えてくれた。やっぱり、と思ったが気にせずグループ皆で遊んだ。喉が乾いたときに自販機で何気なく選んだジュースは彼女がよく飲んでいたもので、いつもより味がしなかった。


帰り道、駅へ向かっていると鳴かなくなったセミを見かけた。それを見てもう夏休みが終わってしまうのかと悲しい気分になった。


 皆電車に乗るとスマホを触っていた。


僕はスマホを触る気分にはなれず外を眺めていた。「ガタンゴトン」と見たことある景色を。あのセミも短い一生を終えたそうだ。本当はまだ鳴いていたかったろうに土に帰るしかもう出来ないのだろう。あのセミをは誰かに気に入られたのだろうか?


まあ、僕には関係のないことだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ