訪れる静寂と余寒
エピローグですね、次回から新章開幕です!
あれから2週間の時間が経った。
寮の部屋にいるのは私と玲音と瑠璃ちゃんの3人で、瑠璃ちゃんがいつものように惚気話を永遠と話す中、玲音は白紙の本に文章を書いていた。
玲音「...よし、天音、とりあえず1冊目完成したわ」
「ほんと!?」
さっきまで白紙だった本を受け取り、中身を確認する。
後ろから瑠璃ちゃんも一緒に見ている。
内容はこの間の一件のことだった。
彼女が私やリューゲ君に聞いたりした以前のことも綴られており、自分の話だけど思わず吸い寄せられそうなクオリティだった。
「うん、上出来すぎるよ、さっすが私の親友だね!」
瑠璃「たった2週間でこれほどまでとは...感服しました!」
二人で玲音をもみくちゃにしていじるが、彼女も彼女で案外悪くなさそうだ。
コンコンと窓を叩く音がした。
ベッドの上で息を上げている玲音を離して窓の方へ向かい、開けると思わぬ来訪者が来た。
リューゲ「こんばんは天音、突然で申しわけないけど匿って?」
「ええ...」
困惑しつつも中に入れると、彼はふぅーっと安堵の息を出した。
「どうしたの突然?」
リューゲ「龍我と大弥と一緒に拓海にいたずら仕掛けたら回避されて追いかけられてる」
瑠璃「なにやってるんですか...」
リューゲ「本当にやるんじゃなかったよ...というか大丈夫かい玲音?」
リューゲ君はまだ息を上げている玲音に近づくと、しっかりと座らせた。
玲音「大丈夫よ...ありがとう」
リューゲ「キミは天音の親友なんだから退場してもらったら困るか...」
拓海「見つけたぞ馬鹿者が...」
凄まじい悪寒を感じ、窓の方を見ると、1本の矢が飛んできた。
矢は操られているかの如くリューゲ君の方へ飛んでいき、彼の服を引っ掛けて窓から引っ張り出した。
リューゲ「いやあああああ!助けてええええええ!」
拓海「貴様に助けなど来るはずがないだろう?さて3人まとめて拷問してやるから戻ってこい」
この後何が行われたかは考えたくなかった。
これが私の楽しみで仕方なかった魔術師達と過ごす少し奇妙な日常だ。
凌駕「...なぜ彼が知っているのだ...あの日のことを」
狼月凌駕は考えていた、編入生の白髪隻眼の少年が自身の過去を何故知っているのか。
入学式で耳元で囁かれた言葉、それは凌駕の中でずっと残っていた。
__ヒトを自殺させた感触はどうだったかな?人殺しサン?__
知っているものは凌駕自身を含めて本の一握りの人物だけ。
それなのに彼は知っていた。
凌駕「まさか...ね?」
読んでいただきありがとうございます!
よろしければいいねやブックマーク、レビューをよろしくおねがいします!
それではまた次回お会いしましょう!