9話 新たな仲間
次回から、女麗天鬼をそのまま、ニョレーキと書きます。よろしくお願いします。
帝王に招待され、帝王の王宮でまさかの仲間を手に入れた。
それは、
女麗天鬼だ。天使から鬼に変質した天鬼だ。元々、地球に住んでいたという。「清」という国、今の中国に住んでいた。日清戦争の清だ。日清戦争で父母を殺され、日本を恨んでいる。
地球にいた頃は、李咲という名だったそうだ。
「女麗天鬼、魔法は何が使えるんだ?」
「あ?あぁ、水と時の魔法が使えるぞ。あと、簡単な魔法も使える。」
「そうか…。」
「何だ?」
「いや、戦ったら勝てるかもな〜って…。」
「舐めるな。前は閻魔と同じ戦闘力だったんだぞ。」
「………???はぁぁあ!?嘘はよせよ。」
「嘘ではないぞ?」
拳を神速、と言わんばかりの速度で振るう。ヒロトは、女麗天鬼が拳を動かしたので、地面に倒れた。ギリギリセーフだった。
「後で教えてやろう。」
拠点で話を聞いた。
「妾はここら辺にあった国、ゾドルを治めていた。王だった。だが、閻魔の軍に…!」
「滅ぼされた、と。」
女麗天鬼は歯ぎしりして怒りを表す。
「あぁそうだ!閻魔のクソ野郎は、この世界を全て我が物にしようとしている。だから、クソ野郎から認められたヒロトに協力を申し出たんだ。」
拳で壁を叩く。そのまま泣き崩れる。
よっぽど悔しいようだ。何も言えなかった。この人に色々なことが起こりすぎていて。それも、辛いこと、悲しいこと。俺も涙が出そうだった。俺が今、この人に出来ることは…。
俺は、立ち上がる。立ち上がって、そのまま女麗天鬼を背中から抱きしめる。ゆっくりと、力強く。抱きしめると良く分かった。
(こんなに細い体で…小さい体で…これ程の事を受けながら生きてきたんだ…。)
「辛かっただろう?悲しかっただろう?もう、貴方には、辛いことに巻き込まない。俺が、俺が必ず守る。守ると誓う…!」
「・・・あぁ、すまん。妾よりも弱き者に目を覚ませてもらうとはな…。」
女麗天鬼の涙が左頬を伝って落ちる。
「でも、今の「俺が必ず守る」って、もしかして告白か?」
「ッ!いやっいや!そんなはずないじゃん!」
(ホントにそうだったら良かったのに…。)
女麗天鬼は、顔を赤くして、そう思う。
「女麗天鬼がヒロトと共に行動しているというのは、本当なのか?」
閻魔に報告していた女麗天鬼の監視役。
(ヒィッ!)
背中がゾクッとする。命が、生命が終わりを告げるのは、そう近くない。そう思う。
「もう一度聞こう。本当なのか?」
「ほっ、本当です!」
「ならば死ね。」
静かに閻魔はそう言い、指を鳴らす。
「パチィン!」
心地の良い音が響く。すると、
「ウガッ!」
そう嘆くは、頭が吹っ飛ぶ。
「戻れ。」
「ウウゥゥゥン!」
ドシン、ドシンと音を立てながら歩く、巨大な影。
これが閻魔の陣営で閻魔の配下最強だ。