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鬼ごっこをしていたら本物の鬼に捕まっちゃいました!  作者: イッチ
第2章 小国激突篇
8/62

8話  力

ここから、話が動き出します!


閻魔帝王から手紙が届いた。届けてきた鳥が鬼だったから、斬る。手紙を開くと、




強き者ヒロトよ


ゲームから数ヶ月程経ったな。元気か?わざと鬼に送らせたが、恐らくだが、殺したんだろう。

いずれ、お前とは戦うことになる、と思う。

ということで、お前を王宮に招待したいのだ。

では、さらばだ!




マジで勝手な奴だ。

あの日以降、遊びに来いやら何やらと言われ、調査を仲間にしてもらったんだが、俺は監視されていることが分かった。


だから、行きたくないんだけどなぁ…。




まぁ、結局行ったんだけどね。

王宮に着いた。

「は?王宮は俺が燃やしちゃったはず。なのに何でこんなにピカピカ何だ!?」

明らかにおかしい。

「もう修繕は済みましたよ。ヒロト様。」

星鬼(セーキ)か。」

流石は帝王、だな。

「閻魔帝王はどこだ?閻魔帝王に招待されたんだが…。」

「ご案内します。」

いや〜、ホントにキレイだね。この王宮。大体は木造だが、この技術…日本人なんだろう。ここを設計した奴は。一度会って見たいものだよ。同郷の人に。











「ここの通路を通って奥から2番目の扉で御座います。帝王様がおやつを食べながら寛いでおられるとお思います。」

「あぁ、サンキュ!」

(サンキュ、とは?)

「では、ごゆっくり。」


奥から2番目・・・。

ここか…やはり強い気配だな。

「おーい!来てやっ…た…え?誰?」

「お主こそ誰じゃ?妾は女麗天鬼(ニョレーキ)だぞ?」

横座りで佇む少女。黒髪で青の花柄の着物に、スラッと細い足。まさに美少女。

「何故ここへ来たのだ?そうか、妾に会いに来たのか。可愛い奴だな。」

顔を近づけられる。

「ッ!」

「何だ?顔が赤いぞ?」

俺はカナメ一筋だ!


「いや〜、帝王に会いに来たんだけど…。」

「帝王か…妾は嫌いだ。帝王は妾の敵だ。妾はな、元々地球に住んでいた。」

「鬼達に捕らえられた、のか。」

「あぁ、よく分かるな。」

「俺も地球に住んでたからな。」

「何!?妾達の国!「清」はどうなっておるのだ!」

「「清」?」

(中国か?日清戦争で習ったな。)

「戦争があって、その時にこの世界に来たのか…。」

「お前は何でも知ってるな。そうだ。あの忌々しい、日本!妾の父母が殺され、祖父祖母に引き取られた。ま、それで鬼ごっこをしていたら捕まった、ということだ。」

一応、俺は日本人だ。謝っておくか?

「あ〜、すまん!日本人として言っておく。俺からしたら随分昔だが、日本のせいで迷惑かけた!」

(フッ。この子供、いい奴だな。)

「お前の服ボロボロだな。新しい服を織ってやるから。」

「ッ!ありがとうございます!」

「その代わり…」

「え!?」

「そんなに怖がるな。なーに、簡単なことだ。妾と共に閻魔帝王を討伐することに、協力してほしい。」

凛々しい顔、美しい細い目でこちらを見る。黒髪につけている輝く簪でその美しさを際立てている。

「どうだ?」

「・・・帝王と会ってから決めるから…。」

「ったく、お前はヒロトだろ?「帝王を殺す」と帝王の目の前で吐き散らかしていたであろう。何をそんなに迷う必要があるのだ?」

「俺は帝王に監視されてんだ。ほら、そこだって。」

天井の板が動いている。

監視してる鬼が「気付かれた!」という感じで天井裏でジタバタと動き出す。


鮮血流星斬ブラッドスターブレード!」

自分の手に傷を付け、血を操る。血の刃に変形させ、放つ。

「ギャッ!」

鬼の悲鳴と共に天井から鮮血がしたたしる。俺の手は、魔法にて治癒する。

「お前、この世界に来たばっかりだろう?何でそんなに強力な魔法が繰り出せるのだ!?」

「まぁまぁ、帝王と会ってから返事するから。じゃ、後で!」

「分かったわよ…。」

出ていくヒロトを見届け、思う。

女麗天鬼(ニョレーキ)は、顔を少し赤くし、目を瞑る。頭の中で、ヒロトのことを思い出す。

「はぁ、緊張した…。」

そう嘆く。






「やぁ、閻魔帝王!」

「遅かったではないか。ったく。」

「仕方無いだろ?違う部屋に行ってしまったんだから。一番奥の壁に扉があるとは思わなかったし。」

「よく見て、よく感じろ。ところで、余を倒す程の戦力は集まってきているのか?お前がゲームで死んだ奴らを味方にしてると監視役から聞いたが。」

やはり、気付いていたか。

「あぁ、俺が蘇生させたが?悪いか。」

「アッハッハ!蘇生、蘇生か!お前そんなことが出来るようになったのか。」

「じゃあ、逆に聞くが。お前は死者蘇生が出来るのか?」

「出来ん。」

何だよそれ。

「余と剣で一本勝負しないか?」

「え?」

伝説宝刀(レジェンドソード)で戦ってもいいぞ。魔法もありだ。」

それじゃ剣だけではないじゃないか。ま、いっか。そっちの方が好都合だ。

星鬼(セーキ)。審判を頼む。」

「ハッ!始め!」




「フゥゥゥゥ…。」

「では、いくぞ。」

閻魔の姿が掻き消える

「どこから来る!?」

(何かが降ってきてるような感じがする!)

頭の上に剣を構える。

「ガァァン!」

「ほぅ、良く受け止めた。どんどんいくぞ!」

激炎放射(ギガフレア)!」

「ハハッ!遅い!」

また、閻魔の姿が掻き消える。

(は???)

「ガン」と鈍い音が鳴る。

ヒロトは、そのまま王宮の床に崩れる。

帝王は剣の柄でヒロトの腹に1/3程の力で叩き込む。ヒロトは人間だ。案の定、気を失う。

「連れて行け。そうだな、女麗天鬼(ニョレーキ)の所で休ませておけ、星鬼(セーキ)。」

「心得ました!」


まだまだだな!ヒロトよ。このままでは余に遠く及ばないぞ。もっと力をつけろ。




女麗天鬼(ニョレーキ)よ。ヒロトを看取れ。」

星鬼(セーキ)様!了解です!」

(ヒロト?何があったのかしら…。)

ヒロトを寝かせ、毛布を被せる。女麗天鬼(ニョレーキ)は、顔を赤くしていた。

「んっ…」

そのままヒロトにキスをする。ヒロトに一目惚れしたのだろう。


上の服を脱がせると、

「え?腹が赤い…一応、冷やしておきましょう。」

「ん〜…」

「ッ!目覚めたか?」

即座に態度を変える。

「あぁ。あれ、帝王は?」

ガバッと起き上がる。

(()ぅ〜、腹がっ・・・。)

「痛いであろう?何があったか覚えているか?」

ここに来て・・・あっ

「思い出した!帝王と剣で手合わせして、全く手が出なかったんだよ!」

「服を織ってやった。返事次第では、やらんぞ。」

「無論、帝王を殺す!」

女麗天鬼(ニョレーキ)は薄く微笑む。

「!え、えーとね…。あっ、もう行かなきゃ。服ありがとう。」

ヒロトは服を着る。軽く、触り心地も良く、柔らかい。

「顔が赤いぞ?妾は丁度この王宮から追放判決を受けたからな、一緒についていくぞ。どうだ?」

女麗天鬼(ニョレーキ)がヒロトが着る新しい服の裾を掴み、顔を近付ける。

(っ!ちょっと初め会った時と態度違くないか!?)

大きな漆黒の黒目、細い鼻、小さな唇。それがヒロトの顔の目の前に迫る。




「いっ、いいけど…!」

「感謝する。」

心臓の音がバクバクと高鳴り、声も高くなる。




仲間をここで手に入れた。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても面白いです! 短めでサクサク読めるのでとてもいいです!
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