突然の報せ
あの日から、ずっと殺してきた。ヒロトを探すため、ヒロトのために。ヒロトは望んでないかもしれないけど、ね。
「プルルルルル」と携帯から音が鳴る。
「何…?」
「ヒロトさんがっ…東京に戻ってるって!」
カナメは、何を言っているのか分からなかった。
(え………ヒロトはもう消息不明になったんじゃ…?)
「他の消息不明の人達も地球に戻ったって!」
カナメは疑った。
「嘘…でしょう?」
「本当!ニュースになっているよ!」
カナメはスマホを見る。通知が大量に来ていた。殆どがそのニュースだ。
「本当…に…!」
カナメは幸せ、喜びで心がいっぱいになった。
「会議を始める。」
「「「ハッ!」」」
ここはある誘拐グループのアジトを奪って使っている、自分達のアジトだ。全国に散っていた仲間を呼び、会議を開いた。
「私としての目標は達成された。今日、これにて、このグループは解散する。」
「「「ハッ!」」」
中には涙目になる者もいた。
「皆、良くやってくれた。良く戦ってくれた。だが、この仲間が散り散りになっても、我らは仲間だ。忘れることなきように。」
「了解!」
カナメは心からメンバー皆を抱きしめる。
「それじゃあ…解散!」
全ての荷物を片付け、出て行く仲間。カナメは今まで使ってきた刀を、ゆっくり、丁寧にアジトのテーブルに置いた。
そして、笑って、帰っていった。
今日、この場所で、カナメの殺戮グループは解散したのだった。
あと1話あります。




