38話 最終決戦 Part8
セーキは久し振りに本気が出せることを喜んでいた。
「星空の輝き。」
刀からとても輝いた波動が放たれる。刀身は、蒼く煌めいて、星空のような色をしている。
「さあ、俺の剣技を。お前の目に焼き付けろぉ。喰らえ!青天の霹靂!」
ヌーラ達がいる部屋の入口付近に立っていたセーキ。だが、いつの間にか、その反対側に移動していたのだ。一瞬で、移動したのだ。
「なっ…」
と、ヌーラが小さく言う。だが、遅かったのだ。
ヌーラ後ろにいたウーラが胴を切断され、崩れていたのだ。
「ウウッ…え…?ウーラ…?おい…!おい!」
ヌーラが叫ぶ。ヌーラは冷静になり、ヒロトから教えて貰った魔法・魂嵌めを行使した。
治癒魔法、回復魔法を使い、ウーラの身体をの傷を癒した。
「魂嵌め!」
祈るように、魔法を使った。勿論、ウーラは復活する。
「ここは…っヌーラか…」
ウーラが目覚めた。
「ほう…?蘇生能力か。流石だな。」
「お前。儂を舐めおって…」
「いやいや、お前が反応出来なかったのが悪いんだよ。」
セーキがウーラにきつく言う。
「お前、マジでぶっ殺すぞ。」
ヌーラが顔に血管を浮かべて、言い放った。
「星雲埃矢爆散!」
「ウーラ!共同技能だ!」
「うむ。」
2人は剣を抜く。ヌーラは聖剣・灼熱を。ウーラは聖剣・大地を。
「「熱烈地砕破滅散覇!!!」」
「お前らの本気を見せろ!」
セーキは、ヌーラ達の本気を見たかった。赤く光る光線に粉砕波を纏い、セーキの方へ真っ直ぐ飛んでいく。
(美しい…!これが…究極の魔法…!!!)
セーキは、その魔法を全て喰らった。己の身を焼かれても、耐える。だが、限界が迫った。
―――――――――――――――
そこに遺ったのは、セーキの右腕。
ヌーラ達は、セーキを吹き飛ばすしたと確信した。確信してしまった。
一息つき、ヌーラ達は部屋を出ようとする。
扉を開けると…
「おや?どこ行くんだい?まだ、戦いは終わってないぞ?」
「!?」
ヌーラは驚く。だが、ウーラは冷静だった。
「お前…死んだんじゃないのか?」
セーキはため息をつき、答える。
「意味分からない。あれだけで俺を討ち滅ぼせると思ったの?だけど、魔法の才能は認めてあげる。」
剣を抜くセーキ。
「魔法じゃなくて、単純に才能を見ようよ!剣で勝負しよう!」
「フッ。舐めるなよ…全力で戦ってやる!」
「うむ。」
そして、神速の戦いが始まった。
―――――――――――――――
それは、一瞬だった。
3人共、姿を消すと、何処からか響く剣を打ちつける音。
「アッハッハ!追いつけるとはな!ウーラ、もっと早く!」
セーキはヌーラとウーラ、2人共相手しても平気そうだった。ヌーラは思考を続ける。
(コイツをっ…一撃で倒せる技を考えなければっ…!)
ヌーラの目の前をセーキの剣が通る。
(あぶっ…危なかった…今のは…)
「ウーラァァァ!地面化だぁ!」
「え!?すると、ヌーラが1人に…」
「いいからぁ!」
地面化とは。地面として变化し、移動が可能。透過体となり、何かに憑依も可能となる。
「そして、俺に宿れ!」
「うむ。」
躊躇わず、地面化を発動して、ヌーラに宿った。
ヌーラの鬼気がセーキと同等、またはそれ以上の量となった。
「アハハ!同化しても変わらなっ…」
セーキは困惑した。いつの間にか、左腕が切断されていたのだ。
「ハッ…?」
セーキは回復を開始した。
「クソッ!ヌーラァァァ!!!貴様ぁ!次で殺す…殺してやる!」
「いいぞ、来い。」
セーキは自身の鬼気を全て開放し、力を漲らせる。
「死ねぇぇぇ!惑星散乱世界崩壊滅獄ッッッ!!!」
「こっちもいくぞ!赫熱の世界大地滅殺!」
2人共、大技を放つ。
空が光で埋め尽くされると、空から無数、いや無限の星が降ってきた。この技で、百鬼夜城は全て壊れた。将軍達が見える。
だが、大地は全てが灼熱地獄となり、溶岩の海となる。星も溶岩の海に突っ込み、無くなる。
将軍達は、空を飛び溶岩に入らないようにしていた。ヌーラとセーキは溶岩の海の中で戦い始めた。
「「ウォォォォォォォァァァァァァァァアアアア!!!」」
2人の絶叫が溶岩の中から聞こえる。
星はヌーラに届かず、セーキは溶岩でダメージを受ける。ヌーラは火属性なので、簡単に無効化していた。
(クソックソックソッ!負ける!?この俺が!?十傑最強のこの俺が!?)
「死ね!死ねっ!」
セーキは、身体が全て無くなった。城の残骸も、溶岩の海に入り無くなった。
ヌーラとウーラはセーキに完全勝利を収めたのだった。




