37話 最終決戦 Part7
「コーキにセーキ。分かっているだろうな?」
閻魔帝王は激怒していた。さらに十傑を殺されたことを。
「落ち着きくださいませ、閻魔帝王様。」
「黙れ!」
コーキが反応すると、閻魔帝王は火を帯びた激炎爆弾をコーキに向けて投げた。
「ドゴォォォォォォォン…」
大爆発が起こる。
「グフォッ…」
コーキは大量の血を吐き、死んだ。実際、閻魔帝王はコーキを要らないと思っていた。何故か、それは弱かったからだ。ヒロト達に追い詰められた過去がある、コーキ。
まだ、弱かった頃のヒロト達にも追い詰められた。
「閻魔帝王様。私のこと、どうなさるのでしょうか。」
「セーキ…お前の強さは余も認めている。まだ、十傑と戦ってない将軍の2人と戦え。」
「心得ました。」
閻魔帝王の作戦。それは、将軍を十傑と戦わせ、消耗させる。残りの将軍2人はセーキが殺す、という作戦だった。
「セーキ。出撃だ!」
閻魔帝王は手を上げ、叫ぶ。
「ハッ!」
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灼熱将ヌーラと地底将ウーラは2人で行動した。2人は百鬼夜城の中で出会い、協力する。今、絶大な鬼気を感じ取り、警戒していた。
「この、大きな鬼気…ヒロト様が仰っていた「セーキ」かも知れませぬ…」
地底将ウーラは嘆く。
「ああ師匠。セーキ、俺達でも知っているほど大きな存在だからな。」
ヌーラとウーラは師弟関係だ。ヌーラが小さい頃にウーラに剣術を叩き込まれたのだ。ヌーラの剣は伝説級だ。薄赤に輝き、細く、長い。とても美しい剣だった。
「だんだんとこちらに、鬼気の塊が迫ってきていますぞ。」
「ああ…警戒しましょう。」
「弟子、いや、ヌーラよ。俺達は対等、同じ将軍なんだぞ。敬語や敬称はいらぬよ。」
「分かったぜ、ウーラ。」
そんな会話をしていると…
「ズゴゴゴゴゴゴゴゴ!」
と、揺れだす。
「クッ…何だっこの揺れは!?」
「落ち着きなされ!ヌーラよ!」
揺れが落ち着いた。その時、
「ドゴォォォン…」
「「ッ!?」」
ヌーラとウーラは音が聞こえた方に顔を向ける。
「やあ、今夜は良い月だ…満月だ。良い月、そう思わないか?」
デカすぎる鬼気。それだけで押し潰されそうになるヌーラとウーラ。
「おや?そんなけで死んでもらっては困るなぁ!もっとこの夜を楽しもう!」
さらに拳を振るうセーキ。
「星虚無拳!」
「させるかよ!爆炎獄界!」
無数の拳が飛んできたが、ヌーラとウーラを守るように赤く燃えた壁が出来る。
そして、ウーラを治癒魔法にて治癒する。
「おお、やるね!」
セーキから称賛されるヌーラ。
「まあな。これでも将軍の中の最強だからな。」
そう、ヌーラは将軍達の中で一番強いのだ。
「そうかい。じゃあ、これにも追いつけるよね!星滅亡時壊!」
空から異次元の速さで星が降り注ぐ。時空間を極限まで引き伸ばして、遅くなった時間の中でスピードを落とさず星が降る。
「は!?」
「チッ…ヌーラ!ここは儂が!地砕突刺!」
ヌーラ達がいる部屋が、ウーラの技能・空間拡張により、広がる。床が木材から土に変わり、巨大な石が土から一瞬で出てくる。この石はヒヒイロノカネ程に硬い。
落ちてきた星が石に当たり、石や星の破片が飛散する。
「お!生き残ったんだ!なら、俺と戦う権利があるな、お前達!」
セーキは鬼気を練り上げ、神刀剣・星雲を握る。
その練り上げた鬼気が、星雲に吸収されていく。
「さあ!早速、戦いという名の宴を始めようか!」
セーキが本気を出していく。




